萌え

・「シュルルン雪子姫ちゃん」 永井豪、天津冴(2011、角川書店)

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「どろろんえん魔くん」の幼なじみにして妖怪パトロールメンバー、雪子姫を主人公にしたスピンアウト作品。
天津冴がどういうマンガ家か、承知して買ったのだがこの人の作品について真剣に考えると「マンガ文法って何なのか」、「マンガのリーダビリティって何なのか」についてつっこんだ話になりそうなのでやめておく。

キャラの服が脱げるときに「キャストオフ」と擬音が入るのだけが面白かった。

なお、企画としても、永井豪のH描写に共通するサディズム/マゾヒズムは、連載当時のジェンダー感において機能していたものだと考えざるを得ず、萌え文脈の中ではまったく違うものに感じられてしまう。
したがって、萌えと永井豪作品は意外と食い合わせが悪い、というのが私の見解ではある。

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・「トランジスタ・ティーセット ~電気街路図~」(1)~(3) 里好(2009~2010、芳文社)

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秋葉原を舞台に、無線関連の商品などを扱う商店街で店をやっている機械マニア少女・半田すずと、メイド喫茶の店主であり自身もメイド少女である木場みどりなどの面々が、百合っぽくじゃれあう萌えなごみマンガ。

単なる流行りに乗るのではなく、秋葉原という街に愛情がこもっていて、好感が持てます。
絵柄も描き込みが多く、「街の感じ」がよく出ていると思います。

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・「空想科学X」(3) saxyun(2010、アスキー・メディアワークス)

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萌え系4コマギャグマンガ。
面白いのでとにかく読もう。

2巻の感想

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・「百合星人ナオコサン」(3) kashmir(2010、アスキー・メディアワークス)

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アニメ版「イカ娘」は、萌えの記号の集積だという意見があってそれには賛成なのだけど、「萌えという記号」をさらにメタ化させて集積すると本作になるという印象。

竹内哲也初監督作品である付録のアニメもたいへんによい出来で、満足。

2巻の感想

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【萌え談義】・「東方とかについて」

数日前の飲み会で、「東方」について知り合いからいろいろ教わった。
私は「東方」についてはほぼまったく知らない、と言っていいのだが、それでもその会話の中で、いくつかの疑問点があったので書いておくことにします。

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【雑記】・「おれたちこんなに海外でがんばってるのにおまえら何足引っ張ってんだ系」

最初に弁明しておくと、私も私自身が村上隆氏や海外アートの世界については勉強不足のところがあると思ってますよ。

でも、たまたまtwitterで観た、海外で活躍してるっぽいデザイナーの人(1968年生まれ)が、AKBとアニソンに対してすさまじいディス発言をしているのを見て、これはさすがにどうかと思った(興味のある人はどうにかして検索してください)。

その人は、90年代半ばにやっと水準が高くなってきた邦楽が、アイドルブームによってめちゃくちゃにされた、と憤っていて、ロリコン変態文化がコマーシャリズムによって広げられ、真に海外で評価されるべき日本の楽曲がないがしろになっている、と憤っていた。

ま、実際、日本のそういう海外から観た奇矯な文化が向こうに「ネタ」的に扱われている事実はあると思うのだけど、
それ言ったら、日本は日本でアメリカの「ホットドッグ早食いコンテスト」とかを「バカじゃねえの(笑)」って思っている部分もあるんだよ。
広義のサブカルというのは、基本的にそういうもんですよ。

それと、気になるのは彼のグローバリズムへの盲信。
(村上隆氏はもっと老獪だと思うが)

まあ、最前線で現場で英語使って頑張ってんだから、っていう気持ちは、私もありますよ。

でも、それと日本で地べた這いつくばってるおれらが快楽を得られるかどうかはまったく別の問題なんですよ。
そこをまったくわかっていらっしゃらないようだった。そのデザイナーみたいな人は。

別にアイドルやアニメやアニソンやキティちゃんは、「海外で評価されること」がアガリだとはぜんぜん思ってない。
そこのところが、まったくわかってない。

海外で評価されたいというのは、アンタの自由だから。

戦略的に、「このまま評価されないと、世界に認知されないと存続自体がヤバい」みたいな煽りがあれば、こちらももうちょっと危機感持つんだろうし、その辺は村上隆氏はロジックを持っているでしょうが、もう一人の方(1968年生まれ)があまりにひどかったんで。

昔はこういう人(アニソンディスの人)はけっこういたんだよ。80年代半ばにはね。
前にも書いたけど、「サブカル」というのは自分の「個性」で一旗あげないといけない、という気持ちがある。

対するにオタクは、私が考えるに「群体」である。「群体」には別に個々の名前なんかなくっていい、という気持ちが強い。それゆえにないがしろにされて、前島賢氏が言う「オタクの公民権運動」が2000年初めくらいまでに行われていたわけだけど。

秋元が100パーセント、商業主義だけでやってるかというと、それはわからないよ。
っていうか、たぶんやってないと思いますよ。
もしかしたら、秋元康の「内面」について、そろそろ考察すべきときなのかもしれないね。

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【雑記】・「アニメ『俺妹』エロゲー問題、あるいはオタク第二世代(私くらいの年齢の人間)の欺瞞性」

たまたま他人のブログを読んで、リンクをせずに文句を書くシリーズ(笑)。

いちおう私のひとまずの見解。

アニメの「俺妹」に関し、エロゲーメーカーが協力してる、ってのは、私はやりすぎだと思っています。
だれかから文句を言われたとき、言い訳が立たなくなっちゃいますから。
もしも「これを観た中学生が、番組内のエロゲーを買おうとしたらどうするの!」と言われたら、「あれは架空のゲームです」くらいの言い訳の余地は、残しておきたいと思うんですわ。

で、こっから先はそれとは別の議論。
「地上波で、未成年者が何のペナルティもなくエロゲーをプレイする内容を放送していいのか」
っていう疑問も、ネット上で呈されているんですよね。
たまたま、そういうことを書いている人が私と同世代だったので、リンクしないで(笑)いろいろ書きたいと思います。

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【雑記】・「1996年の創作活動から」

昨晩、電車の中で「ニッタさん、むかし『美少女アンドロイドがもてない少年のところに転がり込んで、でもそいつが地球人を監視して娯楽として消費するためにつくられた」というマンガを描いていて面白かったですね」と言われ、「その話、面白いね!」と自分で言ってしまった。

そんなものを書いたのも、すっかり忘れてしまった。
HP「ふぬけ共和国・マンガ」の記録によると、そのマンガは1996年に描かれている。

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【書籍】・「セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史」 前島賢(2010、ソフトバンク新書)

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「セカイ系」は、すでにオタク内での流行語としての役目が終わってしまった感はあるものの、非常に定義が曖昧で、使うにしてもめんどうくさい単語である。

本書では、「セカイ系」という言葉が最初に使われたところから、現在までその定義がどのように変化していったかを丁寧に書いている。
また、「セカイ系」の定義が曖昧であること自体、歴史性から切り離されていると批判する。この辺はなかなか耳が痛い。

そして、「セカイ系」とはアニメ「エヴァンゲリオン」の後半部分、ストーリーが自壊していきシンジの過剰な自意識がむき出しになった展開と、それに影響を受けた作品群であると規定する。

要は「ストーリーが自壊してからのエヴァが、どのようにオタクカルチャーに影響を与えていったか」という論理展開なのである。
この辺の流れは非常にスムーズで、読み応えのあるところである。

また、「セカイ系」の定義の曖昧さゆえに、その言葉が「エヴァ以前」の作品にさえ適用され意味が拡散していくことを問題視している(と、思う)。
何にでも当てはまるならば、わざわざ新しい言葉が出てくる必要が無いからだ。

そこで、「セカイ系」という言葉がとくに必要だった理由として、オタク的作品内における主人公の「自意識」に、それまでの作品とは比較にならないほどクローズアップした作品が登場したこと、ととらえる。
この辺も、なるほどと思わせる。
なぜなら、本作にいっさい言及はないが、それ以前の古参オタクには「文学に対する絶望、あるいは無関心」という裏テーマがあるように、自分には感じられるからだ。

オタク第一世代の直接の母体のひとつとなったと言われる「活字SF」が、「アイディアさえ面白ければ『人間』が描けていなくてもじゅうぶん成立する」という特殊なジャンルであることとも、関連してくるだろう。

さて。

で、以下は私が勝手に思ったことであり、この「セカイ系とは何か」という書籍とはいっさい関係がない。

だから、本書以外に興味がない人、私が「セカイ系」について思ったことに興味がない人は、読まないでいいです。

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【萌え談義】・「オタクは独自の趣向のみで動くか」

オタクとマーケティングや売り上げなどの話題になる場合、ときどき言われるのが、
「オタクというのは状況や流行に流されず自分の趣向で動いている存在である」
という主張である。

一方で、「オタクは『萌え』だの何だので、右向け右で動く存在じゃないか」
という言説も観られる。

この矛盾について、思うところを書いてみたい。

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