ギャグマンガ

「モ一度やろう」 [Kindle版] 全2巻 石ノ森章太郎(1982年、少年キング連載)

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1982年、少年キング連載。単行本化されていなかった(全集には収録)ものを、ようやくkindleで読めた。
幕末を舞台にした、意図不明の(?)ギャグマンガ。

時は1862年。赤ん坊の頃、異母寺(いぼじ)の前に捨てられていたモ一(もいち)は和尚さんに育てられ、発明好きの決してめげない少年に成長した。
異母寺は京都にあるため、ひょんなことから坂本竜馬と関わり合いになり、竜馬の敵だということで新撰組と小競り合いを繰り広げることになるモ一。彼は得意の発明で、いきがかり上、竜馬や桂小五郎を助けるのだった。
そんなモ一のピンチに駆けつけるのが、海外から日本美術の勉強に来た美少女・ジャジャミィ・ティングこと「グラマー天狗」で、孤児のモ一の世話を小さい頃からあれこれやいてくれたのが近所に住んでいるお美代ちゃん、というダブルヒロイン。
「芹沢鴨殺害」や「寺田屋事件」などの歴史的事実は描きつつも、基本的にはナンセンスギャグが繰り返されるという、謎の「リアリティライン」を持った作品である。

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【アニメ】・「健全ロボ ダイミダラー」

公式ページ

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原作:なかま亜咲、監督:柳沢テツヤ

人類を攻撃してくるペンギン帝国に対抗できるのは、エロい気持ちになったときに特定の人間(因子保有者)から出る「Hi-ERo粒子」で動くロボット「ダイミダラー」しかなかった!
因子保有者の真玉橋 孝一(まだんばし こういち)は、楚南恭子にエロいことをしながらペンギン帝国のロボットと戦う。

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・「キャラ道」 カラスヤサトシ(2009、竹書房)

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自分を主人公にしたエッセイ風ギャグマンガを得意とする著者が、毎回「キャラクター4コマ」に挑戦するという内容。
かなり面白い。
しかし、私も、いわゆる「モテないキャラ」を演じている才能ある人たちが本気でモテないとも思っていないのだが、著者がデキ婚したと知って、頭で理屈で考えるより先に、なんとも言えぬ虚脱感のようなものを感じて、その後いっさい読まなくなってしまった(笑)。

本作から話はそれるが、要するにこういうことだろう。世間に名前が知られている「モテないキャラ」の人たちの内面として、

・女性に縁はあるが、ついつい面倒くさいと思って内省してしまう
・そこそこモテるが、仮想敵としている「モテる層」が、国内ランキングに入るような人たちなため、つい自分を卑下してしまう

ということがあると思う。
それにしても、恋人や奥さんをマンガに出す人は、よく出せるなと思う。ごきげんとったり、「ここまで描いても大丈夫だろう」というガイドラインを探ったり、考えただけでもウンザリする。

あ、話は戻りますがこの単行本は面白いですよ。

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・「第三世界の長井」(1)~(2) ながいけん(2013、小学館)

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ゲッサン連載。
あらすじ、作品の雰囲気については、過去参照。

ながいけん閣下『第三世界の長井』に絶句(エキサイトレビュー)

ここがわからないよ。『第三世界の長井』10の謎を考える(たまごまごごはん)

「あの」神聖モテモテ王国の作者の最新作とあって、期待する人々も多いようだ。

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・「新オバケのQ太郎」全4巻 藤子・F・不二雄(2011、小学館)

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あまりにも思い入れが強すぎて、何も書けない。

とか言いつつ書いてしまうが、旧オバQに比べてドタバタ色が強くなり、ギャグもドライだ。FとA、どっちのセンスかというと……勘だけでテキトーなことを書くと、たぶんFのセンスなのではないかと思う。

先述の「チンタラ神ちゃん」には、「クルパー教」という、キャラクターが全員頭を打ってクルクルパーになる、というちょっと破滅系のメチャクチャなエピソードがある(旧オバQと同時期)。
だが、「新オバQ」では落語のオチのようなものがちゃんとつくエピソードが多いのだ。まあ、どっちも合作ということなんだが……。わからんよね細かいことは。

自分が藤子マンガでいちばんオバQが好きなのは、基本的に彼が何の役にも立たないからである。そして、負けずおとらず人間たちもまぬけだからだ。

これが「ドラえもん」になると、ずいぶんと世知辛い。「ゴジラ」に比べて「ジャイアン」はシャレにならないいじめっ子だし、キザくんに比べてスネ夫はずっとずるがしこく、のび太を陥れる。ジャイ子だって、「マンガがうまい」ってのは後から付いた設定で、登場時は単なるブスキャラだった。
オバQに、レギュラーのブスキャラはいないし、ゲストで出てきた「バケ寺ベソ子さん」とは、オバQはすぐに仲良くなってしまう。

そういうのが好きだったのだ。

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・「チンタラ神ちゃん」全1巻  藤子・F・不二雄、藤子不二雄A(2012、小学館)

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1967年、「少年ブック」連載。1976年、単行本化。

神様であるところのチンタラ神ちゃん、貧乏神、福の神のトリオが、ジローくんが山奥につくった「秘密基地」に居候する、というギャグマンガ。

76年に単行本化されたとき、本屋で観たこともない藤子マンガを見つけて、なんとも禍々しい気分になったことを覚えている。
それがこの「チンタラ神ちゃん」だ。当時すでに「オバケ」、「怪物」、「宇宙人」、そしてネコ型ロボットといったように、さまざまなものと少年を同居させてきた藤子不二雄だが、ついに「神」が登場した、そのことに自分は少しビビったのである。
しかも、Aの筆が入るとなぜか禍々しくなるのだ。おそらく主人公の「神ちゃん」はFだろうが、喪黒福造にソックリな「福の神」はAの手になるものだろう。

実際、じっくり読んでみても私の感じた「禍々しさ」は晴れることがない(笑)。神ちゃんたち神さまトリオは、ジローくんの「秘密基地」に住んでいるわけだから、ドラえもんやオバQのように「親公認の居候」ではない。
そもそも、藤子不二雄も最初っから「異形の者との同居」というシチュエーションを確立したわけではなく、「オバQ」連載時は放浪ものにしようというアイディアもあったらしい。放浪ものにすると、キャラクターも天涯孤独な感じが強まり、たとえば赤塚不二夫の「チビ太」のように、どちらかというと野生味が出て来る。

本作「神ちゃん」の設定はきわめていいかげんで、たとえば諸星大二郎的な深読みをする必要はいっさい、ない。
だが、そのデザインといいかげんさこそが、「日本に古くから住むまつろわぬ神々」という感じで、どうしても余計な設定を想像してしまうのである。

神ちゃんは、自分をあがめる宗教「チンタラ教」を広めようとしている。貧乏神と福の神は、友人としてそれにつきあってやっている。彼らは仏教やキリスト教の輸入で、すっかり忘れ去られた古い神かと思いきや、神ちゃんはイエスやブッダを「先輩」だという。かと思えばクリスマスの隆盛に嫉妬したりもする。

オバQにはもともと「オバケは地上に住んでいたが、ひとがよすぎて人間たちに駆逐され、雲の上の世界に行った」という設定がある。
水木しげるが「日本の妖怪たち」を復活させようとしていたのは間違ないと思うが、藤子不二雄の描く「異形」にもそれに近い出自があったら面白い、と考えてしまう作品なのである。

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・「虐殺!!! ハートフルカンパニー」 原作:ピエール瀧、作画:漫☆画太郎(2011、太田出版)

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すいません、まったく理解できませんでした。
同じピエール瀧原作の「樹海少年ZOO1」も、まったく理解できませんでした。

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・「マジオチくん」 遠藤(2012、リブレ出版)

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4コマギャグマンガ。
出版までのいきさつなどを、2秒くらいネットで調べたのだが、よくわからない。

帯に書いてある、「性格悪い」、「意味不明」っていうの、当たってないとはいわないが、なんか違うと思う。
そもそも、表紙がよくない。最初、いわゆるサブカル内輪ノリで、らくがきを単行本にしてしまったのかと思ってしまった。

違う。
正真正銘のギャグマンガ。
ものすごく面白い。
もう、この人がいるなら、ブログにちまちま文章を書くのなんてやめようと思うほど(やめないけど)面白い。
「ツッコミ入れて当たり前」の世界で、そこをスッとずらす、そこを飄々と描く、そういう雰囲気が良い。
オススメ。

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・「えびはら武司傑作集 マイコうそみたい」全1巻 えびはら武司(1982、学研)

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文字どおりの短編集。作者は「まいっちんぐマチコ先生」の人。
今でも「まいっちんぐ!」という言葉が使われるほどのヒット作だった、ちょいエロ少年ギャグマンガ「まいっちんぐマチコ先生」。80年代前半の作品で、すでに30年も経つというから驚きだ。
今でもこの作品、ちょいちょい読み切りが描かれたりVシネマ化されたりする理由は、実は私にはよくわからない。
リアルタイムで私はすでに中学生になっており、永井豪や吾妻ひでおの「ふたりと5人」の洗礼を受けてしまっていた。そんな自分には「マチコ先生」は少々ヌルく感じられたものだった。

だが、今考えるとその「ヌルさ」が現在まで人々の(とくに第二次ベビーブーム世代の)記憶に残っている理由かもしれない。「少年向けのちょっとエッチなマンガ」全盛の80年代、ちょうど空席だった立ち位置なのかも。

この短編集も、「マチコ先生」とまあ同工異曲な感じだが、あらためて読むと藤子不二雄のアシスタントだったという作者は、やはり当時としてはオールドスクールの「ギャグマンガ家」だったと言える。コマ割りがキッチリしていて、ギャグも過激なものもあるが、基本的にはストンと最後にはおさまる。
ギャグマンガ史的に言えば、本作品集よりちょっと前の「ど根性ガエル」の吉沢やすみも、オールドスクールなギャグマンガ家だった。義理と人情と勘違いから生まれたりするギャグ。

70年代~80年代のギャグマンガと言えば、藤子不二雄を除けば過激で残酷でスラップスティックなものが主流だったが、そうではないものもあり、人気があったことは、覚えておいてもいい。

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・「カッコカワイイ宣言!」(3) 地獄のミサワ(2012、集英社)

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面白いギャグマンガはけっこうあるけど、「今」を代表しているというか表現しているのは本作なのではないかと思う。

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