マンガ単行本

【同人誌新刊】・「ぶっとびマンガ大作戦 Vol.21」(WAIWAIスタジオ)

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一般的評価の対象外となってきた、主に70~80年代のマンガを紹介する本です。

夏コミで頒布予定。
スペースナンバー:U 05b
サークル名:WAIWAIスタジオ

まあだれでもそうでしょうが、つくるのに苦労しました。
買ってね!!


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・「うつヌケ」 田中圭一(2017、KADOKAWA)

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文芸カドカワ、およびnoteに連載。
ふだん、あまりマンガを読まない妹も買って読んだとわざわざメールが来たから、売れているのかもしれない。
「うつ」について描いたマンガはあるが「うつを抜けた」人たちにインタビューしたというのがポイントだろう。「ツレうつ」とかもいい本だと思ってますけれども。

インタビューされた人たちの「自己流」の「治す方法」が、まあ「非・正統医療」にまで至らず、ギリギリのところで止めてあるのもポイントかな。
著者は、医者の言葉で悪化した、と言っているが、最終的には現代医療を肯定している。こういう良い意味での「ちょっと玉虫色な感じ」というのは、マンガに適しているかもしれない。

ただ、出てくる人全員「すごく仕事ができる人」なんだよね。そこが、ちょっと引っかかったけど。そりゃ好きなこと仕事にしてて、そこで肯定されれば気持ちいいよね~っていう。
「ニートだけど治りました」みたいな人が、一人欲しかった。

でも、面白い本だとは思います。

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・「激!! 極虎一家」全12巻 宮下あきら(1981~1983、集英社)

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人気作であったデビュー作「私立極道(きわめみち)高校」が思わぬ不祥事(トラブル?)で終了となった後、仕切り直して少年ジャンプに連載された作品。
現在、四十代前半の人の中には宮下あきら作品に関し、「男塾」以降は読んだことがあっても本作を読んだことがある人は意外に少ないのではないか。

東北らしき田舎から修学旅行で東京にやってきた暴れん坊の虎は、学帽政(「極道高校の主人公)とのケンカに敗れ、また政とその仲間たちの男気にあこがれ、彼らが収監されるという「網走極東少年院」に入り込む。
後は少年院とは思えぬ無法ぶり・自由ぶりの中での騒ぎと、極東少年院に敵対する少年院などとの戦いが描かれる。

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・「私立極道高校 復活版」(上)(下) 宮下あきら(2012、集英社) 

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もうすぐ最終回を迎える「こち亀」が週刊少年ジャンプでスタートしたのが1976年。
本作はその3年後の1979年にスタート、翌年の11号で「アシスタントが無断で実在の高校の校章を書いた」という件で連載打ち切り、単行本も絶版回収となった。

この単行本は、最近出た「復刻版」で打ち切り直前まで掲載されているが、作者あとがきで「極道高校の人気で観たこともない大金を手に入れ、酒と女におぼれた」とある。新人が、単行本も1巻しか出ていない状態で、いくら右肩あがりとしてもそれだけの大金を入手できるか疑問だが、作者のリップサービスかもしれない。

さて、この「みんなが読んだつもりであまり読んだことのない」本作のあらすじは簡単に言えばこうだ。

極道社会の伝統を守るため、全国各地の極道の親分が力を合わせ創設した国内唯一の極道(要するにヤクザ)養成機関「私立極道(きわめみち)高校」。
そこに所属する生徒たちは、「ヤクザを育成する」というムチャクチャな学校内プログラムや、全国から集まってくる猛者とのケンカに明け暮れる。
その中には、一匹狼のスタンスを崩さない男・学帽政(がくぼうまさ)の姿があった。


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・「ブッダ」 全6巻(ワイド版) 手塚治虫(2011、潮出版) 

潮出版社の少年マンガ雑誌「希望の友」(後に「少年ワールド」→「コミックトム」と改題)にて、1972年から1983年まで連載された。
仏教の開祖・ガウタマ・シッダールタ(作品内ではゴータマ・シッダルタ)の生涯を描く。
といっても流布しているもともとの「釈尊伝」などに手塚治虫のオリジナルキャラを加え、手塚自身の死生観・宇宙観を語る内容である。

今から2500年前のインド。シャカ族の王子・ゴータマ・シッダルタは、「人はなぜ死ぬのか」、「なぜ身分制度があるのか」などの疑問に悩み苦しみ、ついには妻子を捨てて僧となる。
苦しい修行を経て、彼は「ブッダ」(目覚めた人)と呼ばれるようになるが、その後もさまざまな苦しみを経て、悟りの道を開いてゆく。

アニメ化の際、コンビニコミックとして出版されたものを読む。
私は手塚にも、仏教にもくわしくないが、まあ思ったところを書きます。

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・「ゴリラーマン」全19巻(1988~1993年、講談社)

週刊ヤングマガジン連載。
ある日、白武(しらたけ)高校に転校してきた池戸定治という男。まったくしゃべらないこの男は、藤本修二をリーダー格とした高校の不良グループとなぜか気が合い、顔がゴリラに似ていることから「ゴリラーマン」と呼ばれ、いじられつつもなんとなくつるむようになる。

物語は藤本たち不良グループの日常を淡々と描いたり、不良ゆえに巻き込まれる日々のトラブルを、ゴリラーマンが人知れず(主に暴力で)解決したりといった出来事を描いてゆく。
通常なら藤本が主人公の「ヤンキー日常マンガ」になるところを、「ゴリラーマン」という謎の人物を配置したことで読者の視点がメタ化されるという、実に不思議な作品である。

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・「きりとばらとほしと」 石ノ森章太郎

なんでも香取慎吾主演で、「ポーの一族」っぽいドラマがつくられるということで、ツイッターではちょっと騒がれていた。
むろん、「そんなことやって大丈夫か」という方向で。

それでふと思ったのだが、オタクに好まれる作品というのは「体験」として語られる場合と「歴史」として語られる場合がある。
もちろんその両方もあるのだが、たいてい、アイドルとかが「私はオタクなんです」と言うときは、前者の「体験」として作品を語っている場合が多い。
ドラマ化などで炎上してしまうのも、このケースが多いように思う。体験をけがされたように思うから、炎上するのだ。

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・「宜保愛子の学校のこわい話」全3巻 宜保愛子、東堂洸子(1995、講談社)

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霊能者・宜保愛子の原案で、「学校の怪談」的な恐怖を描く連作短編集。
まあ内容的には想像どおりの女児向け恐怖マンガで、それ以上とは言い難いのだが、かといってつまらないかというとそうでもない。
ヒロインのあいこ(小学生だったり中学生だったり)は霊が見える少女で、霊はなんらかの自身の恨みを主張したくてあいこの前に登場する。あいこは彼ら、彼女らの代弁者であることが多い。
つまり、本作での霊は現世ではしいたげられてきた者、無視されて来た者たちであり、霊となって初めて発言権を得る。
一種の勧善懲悪ばなしだが、ときおり「オチのない怪談」が入っており、計算なのかそうでないのかわからないが、なかなか心にくい構成である。

ただし、宜保愛子自身の戦争中の体験を基にしたエピソードは、正直弱い。それは逆に言えば「戦争」に対して大半の人がどう思っていたのか、がほぼ同一であるということを意味する。戦争において「意外性のある死」や「死んで思い残すこと」にはそれほどの差はないのであり、そうした大量死を目の当たりにしたことが、宜保愛子の「霊能力」に影響を与えていたということは、考えられるだろう。

なお、宜保愛子の霊視に関する「愛あるデバンキング」としては「ギボギボ90分!」[amazon]という本があるので、強くオススメする。

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・「本秀康の描く4ページ」 本秀康(2004、太田出版)

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タイトルどおりの短編集。
カワイイ絵柄に、とっぴょうしもないオチ(ブラック成分多め)。
どれも短いだけに、「オシャレさ」がきわだっているかも。

それこそヴィレバンで平積みになっていたとしてもおかしくはなく、実際、平積みになっていただろう。
それにしても、ネットで「ヴィレバン女(なぜか女子)」が批判されているのがいまだに意味がわからん。

マンガの良さは、アーティスティックな作品だろうが、oh!透明人間だろうが同列に語れるところにある。
というより、「アートVSエンターテインメント」という対立構造がいつ頃できたかを調べるべきであって、陣営に分かれてヤイヤイやるのはバカげているよね。
と、本作と関係ない話で埋めてしまってすみません。

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・「本秀康名作劇場」 本秀康(2003、小学館)

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短編集。中野の人気ラーメン屋(2016年の今でも大人気)「若葉」で観た光景を描いた「若葉の頃」、自分の母親そっくりのロボットをつくった天才少年の話「あふれる愛」などは、名作ではないでしょうか。
社長に牛丼弁当を買いに行かされる女性秘書の話(本当にそういう話です)「愛する社長」も、哀しいながらナンセンスで面白い。

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