書籍

【書籍】・「グラビアアイドル『幻想』論 その栄光と衰退の歴史」 織田祐二(2011、双葉新書)

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ヒトから聞いた話だが、あまりの出版不況に驚いてしまった。

不況というよりも、電子書籍やスマホの出現によって、以前から「ネットに食われるのでは」とささやかれてきたこと、つまり「本が売れない」という現象が現実のものになってきたということだろう(むちゃくちゃ本を買っている私は、出版界の実情には疎いのです)。

このため、出版物発信のムーヴメントというのも起こりづらくなってきた気がする。グラビアアイドルもまた、「本が売れない」ということの影響を受けた一ジャンルと言わざるを得ない。

つまり、本書のサブタイトルどおり「栄光」の後の「衰退」の時期か。

本書は、「グラビアアイドル」の歴史を六十年代後半くらいから、本書が刊行された2011年までの歴史を追ったものである。

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【書籍】・「ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか」 古谷経衡(2015、晶文社)

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「ネット右翼」、いわゆるネトウヨについての本。著者の立場は保守。いわば、保守側からのネトウヨ批判ということになるだろう。

本書は、「保守」と「ネトウヨ」を厳密に分け、当初は保守思想家がネトウヨを「将来のお客さん」として遇していたのが、やがてネトウヨ独自の発言、行動を取ることになって「制御」できなくなり、田母神俊雄を批判するかたちで、最近ではむしろ、「保守」側の人々がネトウヨの発するデマを間に受けてしまうという傾向がある、と嘆じる。

簡単に言えばそういう本だと思う。
著者の主張にはところどころ「ん?」と思うところがあるものの、「保守思想家とネトウヨとの関係」の説明としては非常に明確でわかりやすい本である。

以下は、本書から連想したあまり関係ない話である。

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【書籍】・「宇宙戦艦ヤマトをつくった男 西崎義展の狂気」 牧村康正、山田哲久(2015、講談社)

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ご存知、「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー、西崎義展の評伝である。
内容は、ひと言で言って「映画やマンガに出てくる典型的な辣腕プロデューサーが現実にいて、なおかつ彼はかなりダーティーなこともやっていた」ということに終始する。
彼の「アニメ業界人」としての異質さは、ヤマトを一度でも好きになったことがある人なら感じるところでもあり、その背景については非常に興味深かった。
少しでもヤマトが好きなら、一気読みしてしまう面白さである。

以下に語るのは、そういう「才能はあったがワンマンでダーティーな西崎義展」という面とは無関係だ。
ぶっちゃけ、「彼にストーリーづくりの才能はあったのか?」という私的な疑問である。

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【書籍】・「サブカル・ニッポンの新自由主義」 鈴木謙介(2008、ちくま新書)

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現在の日本は「新自由主義」の流れににあり、それはよくないことで、それを脱するにはどうしたらよいかを考察した本。

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【書籍】・「10年代文化論」 さやわか(2014、星海社新書」

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「残念」という言葉をキーワードに、2000年代の若者文化の変容を通して、2010年代はどうなっていくのかを考察した本。
対象に対する真摯さがにじみ出ており、全体的に感じのいい本だが、キーワードである「残念」の意味が今ひとつ、よくわからなかった。
ただ、ニコニコ動画、ボーカロイド、アイドル、オタクなどの各論はよくまとまっていて勉強になった。
逆に、ライトノベル、秋葉原通り魔&黒子のバスケ脅迫事件の分析はピンと来なかった。
ただ、いくつかヒントがないわけではない。

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【書籍】・「新左翼とロスジェネ」 鈴木英生(2009、集英社新書)

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2008年の「蟹工船ブーム」から話を始め、現代の若者の意識と、過去の新左翼の歴史を結び付けようとした本。
それが成功しているかどうかはともかく、簡潔な「新左翼史」として、よくまとまっていると感じた。

以下は、本書とは直接関係ない話である。

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【書籍】・「なぜ時代劇は滅びるのか」 春日太一(2014、新潮選書)

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かつて隆盛をほこった「時代劇」がなぜ滅びつつあるのか、に関して取材、調査を通して考察した本。
考察対象は包含的で、時代劇がつくられる環境(スポンサー含む)、プロデューサー、役者、脚本などひととおり言及されている。
とくに「時代劇イコールマンネリ、そして高齢者向けの娯楽」というイメージの代表であるドラマ「水戸黄門」が、業界特殊事情によってつくられ、また延命していたというのは知らず、興味深かった。
それにしても、序盤、中盤くらいまで冷静だった筆致が大杉蓮の悪口あたりから激しくなってゆき、最終的に「利家とまつ」、「江(ごう)」の説明で執筆時、キーボードから煙が出ていたのではと思わせるほどの怒りを感じさせた。
「基本的に時代劇はけなさない」という研究家としてのスタンスを放棄したらしく、決意が読み取れる。

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【書籍】・「ガンプラ開発戦記」 猪俣謙次、加藤智(2010、アスキー・メディアワークス)

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1980年代前半の「ガンプラ開発」と「ガンプラ営業」と「ガンプラ大ブーム」について記録、考察した本。
非常に面白い。
ちなみに、私はガンダムにもプラモデルにも、そんなにくわしくない。

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【書籍】・「超合金の男-村上克司伝ー」 小野塚謙太(2009、アスキー・メディアワークス」

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いちおうお断りしておくが、私は玩具についてはまったくの門外漢である。
「超合金」、「スーパー戦隊」、「ゴールドライタン」、「宇宙刑事ギャバン」などの企画におもちゃメーカー側から関わり、玩具にできるメカのデザインをし続けてきたデザイナーの評伝。

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【書籍】・「私も女優にしてください」 バクシーシ山下・編(1997、太田出版)

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担当編集者が、AVの企画モデル二十数人にインタビュー、その後、AV監督・バクシーシ山下が編集者とその娘たちについて対談した本。
これは個人的には衝撃的な本。なにしろ、登場する99パーセントの女性が顔もおっぱいを出して全身像で映っている。アンケートで彼女たちの仕事への意気込みや趣味趣向が書かれてあるが、後はムチャクチャ言われ放題。女性たちの名前はすべて仮名だが、それにしたって、ネットの発達した現在、こんな本は出せないだろう。

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