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・「麻雀バクチ列車!」(上)(下) 阿佐田哲也、原恵一郎(2011、竹書房)

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途中で単行本の刊行が止まっていたらしい「麻雀放浪記 凌ぎの哲」の中から、バクチ列車のエピソードをコンビニコミックとして単行本化。

高レートの賭け麻雀を楽しむ「バクチ列車」には、スリルに目がない麻雀打ちたちも入りたくない部屋があった。
そこでは、最下位になった者は文字通り列車から「飛ばなければならない」。運よく川や海に落ちれればいいが、下が地面だったら確実に死ぬ。
それは最強で盲目のバイニン(雀士)、ブー大九郎が、自分の強さを証明するためだけにつくったシステムであった。

ドサ健と坊や哲は、「バクチ列車」のキップをもらいブー大九郎との対決することを決める。あらゆるイカサマを駆使した、プライドと死を賭けた麻雀が始まった。

麻雀マンガにはくわしくないが、麻雀マンガを避けて通っているとしたら「もったいない!」と言いたくなるほどの傑作。弱者の意地、強者の傲慢、バイニンという存在のいかがわしさ、そしてそのいかがわしいところから出てくるギリギリの倫理観のようなもの。それらを充分に味あわせてくれる。

上下合わせて800ページというまとまりは、ちょうど映画一本ぶんほどの体感時間。実にすばらしいひとときを過ごさせてもらった。

なお、阿佐田哲也の原作にはこのようなエピソードはないそうである。ドサ健や坊や哲というキャラクターを使った、オリジナル作品に近いらしい。

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