任侠

・「激!! 極虎一家」全12巻 宮下あきら(1981~1983、集英社)

[amazon]
人気作であったデビュー作「私立極道(きわめみち)高校」が思わぬ不祥事(トラブル?)で終了となった後、仕切り直して少年ジャンプに連載された作品。
現在、四十代前半の人の中には宮下あきら作品に関し、「男塾」以降は読んだことがあっても本作を読んだことがある人は意外に少ないのではないか。

東北らしき田舎から修学旅行で東京にやってきた暴れん坊の虎は、学帽政(「極道高校の主人公)とのケンカに敗れ、また政とその仲間たちの男気にあこがれ、彼らが収監されるという「網走極東少年院」に入り込む。
後は少年院とは思えぬ無法ぶり・自由ぶりの中での騒ぎと、極東少年院に敵対する少年院などとの戦いが描かれる。

続きを読む "・「激!! 極虎一家」全12巻 宮下あきら(1981~1983、集英社)"

|

・「私立極道高校 復活版」(上)(下) 宮下あきら(2012、集英社) 

[amazon]
もうすぐ最終回を迎える「こち亀」が週刊少年ジャンプでスタートしたのが1976年。
本作はその3年後の1979年にスタート、翌年の11号で「アシスタントが無断で実在の高校の校章を書いた」という件で連載打ち切り、単行本も絶版回収となった。

この単行本は、最近出た「復刻版」で打ち切り直前まで掲載されているが、作者あとがきで「極道高校の人気で観たこともない大金を手に入れ、酒と女におぼれた」とある。新人が、単行本も1巻しか出ていない状態で、いくら右肩あがりとしてもそれだけの大金を入手できるか疑問だが、作者のリップサービスかもしれない。

さて、この「みんなが読んだつもりであまり読んだことのない」本作のあらすじは簡単に言えばこうだ。

極道社会の伝統を守るため、全国各地の極道の親分が力を合わせ創設した国内唯一の極道(要するにヤクザ)養成機関「私立極道(きわめみち)高校」。
そこに所属する生徒たちは、「ヤクザを育成する」というムチャクチャな学校内プログラムや、全国から集まってくる猛者とのケンカに明け暮れる。
その中には、一匹狼のスタンスを崩さない男・学帽政(がくぼうまさ)の姿があった。


続きを読む "・「私立極道高校 復活版」(上)(下) 宮下あきら(2012、集英社) "

|

・「バキ外伝 疵面-スカーフェイス-」(1)~(6) 板垣恵介、 山内雪奈生(2005~2015、秋田書店)

[amazon]
チャンピオンRED連載。「バキ」シリーズに登場する人気キャラクター「花山薫」を主人公としたスピンアウト作品。
花山薫は、暴力団花山組の二代目であり、超人的なステゴロ(武器を使わないケンカ)の強さを持つ。だが、「鍛えることは女々しい」というポリシーのもと、いっさいのトレーニングなどは行わない。
序盤は一話完結ものだったが、「グランドマスター」と呼ばれる、世界最強の暗殺術を持つ男が登場してから、花山と彼との対決を主軸に置くストーリーとなっている。

続きを読む "・「バキ外伝 疵面-スカーフェイス-」(1)~(6) 板垣恵介、 山内雪奈生(2005~2015、秋田書店)"

|

・「男樹 四代目」全4巻 本宮ひろ志(1999~2000、集英社)(ネタバレあり)

[amazon]
「男樹」シリーズの三作目。確か前作・「新・男樹―京太郎編」のラストで、父・京介をヤクザの世界から引退させ、みずからもその世界から遠ざかったかのように見えた京太郎。
だが、なぜか東日本の暴力団全体を裏で統べる男となって蘇っている。年齢は三十代半ば。
父・京介は海での不慮の事故で死んでしまい、村田の血統である京太郎の子どもは女の子(京子)であるため、彼の野望をもうだれも止めることができない。

続きを読む "・「男樹 四代目」全4巻 本宮ひろ志(1999~2000、集英社)(ネタバレあり)"

|

.・「新・男樹―京太郎編」全4巻  本宮 ひろ志(1996~97、集英社)

[amazon]
オールマン連載。「男樹」の続編。
村田京介の息子、京太郎を「やくざにさせないため」、母がやくざである父と彼を引き離して千葉の漁師町で暮らしてきた。
しかし、京太郎が自分の父が東日本の極道をたばねるやくざだと知った17歳のとき、彼はすでに立派なシノギをあげるやくざになっていた!
そのことを知った父・京介は、全力をあげてわが子・京太郎を潰しにかかろうとするが……。

続きを読む ".・「新・男樹―京太郎編」全4巻  本宮 ひろ志(1996~97、集英社)"

|

・「男樹」全6巻 本宮ひろ志(1979~1980、小学館)

[amazon]
ビッグコミック連載。
村田京介は、優しい母のもとに北陸で生まれ育ったが、実はやくざの子である。
そして、母方の祖父は日本一の電力会社の社長であった。
京介は何にでもなれる度量と人望を兼ね備えた男だったが、父と同じ極道の道を進むことを決意し、「初代・村田京介」として既存の極道界に殴りこみをかける。

一方、四国のやくざ・伊達宗太郎は、京介の祖父が日本の将来のために備蓄してある石油をねらって北陸に侵攻する。
京介と伊達の対決は必至となる。

続きを読む "・「男樹」全6巻 本宮ひろ志(1979~1980、小学館)"

|

【映画】・「極道社長」

監督:中島貞夫 1975年、東映
脚本:松本功、山本英明、中島貞夫

ちょっと頭のいいチンピラ(室田日出夫)と、お人好しでガマン強いことだけが取り柄の男(川谷拓三)が、勝ち組金融ワンマン社長の三井住友(変な役名、梅宮辰夫)の怒涛のイケイケ事業に巻き込まれる。

ちょっと検索したら「いつもの東映のお約束」みたいな感想が多いが、本当か?
違うだろ?
もう浴びるほど東映(実録以降)任侠映画を観てきたが、本作はちょっと変わっている。
だから、いつもは70年代の東映映画を観てもいちいち感想は書かないのだが、書くのである。
なお、盛大にネタバレします。

続きを読む "【映画】・「極道社長」"

|