武道・格闘技

・「修羅の門」(31) 川原正敏(1997、講談社)

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月刊少年マガジン連載。
千年にわたり継承され、不敗を誇る架空の古武術・陸奥圓明流の継承者・陸奥九十九が、さまざまな武術、格闘技と戦うさまを描く。

18年前にいったん終わった作品の感想を描くのが、オレ流。少々ネタバレありです。
なお、2010年から始まった続編「第弐門」については、いっさい読まないまま、感想を書きます。

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・「バキ外伝 疵面-スカーフェイス-」(1)~(6) 板垣恵介、 山内雪奈生(2005~2015、秋田書店)

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チャンピオンRED連載。「バキ」シリーズに登場する人気キャラクター「花山薫」を主人公としたスピンアウト作品。
花山薫は、暴力団花山組の二代目であり、超人的なステゴロ(武器を使わないケンカ)の強さを持つ。だが、「鍛えることは女々しい」というポリシーのもと、いっさいのトレーニングなどは行わない。
序盤は一話完結ものだったが、「グランドマスター」と呼ばれる、世界最強の暗殺術を持つ男が登場してから、花山と彼との対決を主軸に置くストーリーとなっている。

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・「餓狼伝」(25) 夢枕獏、板垣恵介(2010、講談社)

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この巻は、「ただひたすらに堤城平がカッコいい!!」に尽きるだろう。
その反面、「空手家がマウントポジションを取られると無力」というテーマをいまだにやっていることに、何とも言えない気持ちを抱くのも確か。

などと言いつつも、本作はこれで中断。原作も迷走しているみたいだし、もう完結しないのかな……。

24巻の感想

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・「コータローまかりとおる!」(41)~(59)(完結) 蛭田達也(1990~1994、講談社)

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千年間続いてきた日本舞踊の流派「千葉(せんよう)流」。それは舞によってマインド・コントロールと記憶操作ができる禁断の舞踊であった。総帥・吉岡達也はこの舞を使って日本を支配しようと試みる。
さまざまなしがらみによって、達也と対決し日本を救おうとする主人公・功太郎とその仲間たちの戦いを描く。

9月11日昼の町屋のイベントのために読んでいたのだが、「格闘技もの」という観点以外で非常に興味深かったのでここに書くことにする(以下、盛大にネタばれしますので興味のある人だけ読んでください)。

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【書籍】・「完本 1976年のアントニオ猪木」 柳澤健(2009、文芸春秋)

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現在の総合格闘技は、アントニオ猪木がかたちづくった「イメージ」によって発展し、最終的には猪木の、そしてプロレスのくびきを解かれた。
日本人(少なくとも、現在四十代以上)の「総合」イメージは、70年代のアントニオ猪木によってつくられ、とくに76年には猪木は四つのリアル・ファイトを行っているという。

それが柔道家ウィリアム・ルスカ、ボクサー・モハメッド・アリ、韓国プロレス・パク・ソンナ、パキスタンのレスラー・アクラム・ペールワンとの戦いであったという。
本書は、この四つの戦いを忠実に取材している。私はプロレスマニアではないが、パク・ソンナ戦以外は「聞いたことがある」試合である。アリ戦はテレビで観ているし、ペールワン戦は伝説化している。
本書における、プロレス的な「伝説」からひきはがしてそれぞれの戦いを検証するという試みは非常に面白い。
結論から言えば、それは「アントニオ猪木」というレスラーの異常性、特異性ということになる。

繰り返すがめちゃくちゃに面白い。面白いが、文庫版解説にあるように本書を「歴史書」だとは、私はあまり思わない。

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