・「セックス障害者たち」 バクシーシ山下(1995、太田出版)
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AV監督、バクシーシ山下の、自身の作品についての解説と回想。95年に出た本だから、主に90年代の作品群について。
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AV監督、バクシーシ山下の、自身の作品についての解説と回想。95年に出た本だから、主に90年代の作品群について。
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追悼の意味を込めた再版だそう。今年8月に亡くなった、ハマコーこと浜田幸一の評伝コミック。
以前、テレビだかラジオだかで、南海キャンディーズの山ちゃんが、バラティ番組のお約束でハマコーに強い口調でもの申したところ、本気で怒られ本気でビビった、と言っていた。
正直、私はハマコーにどんな業績があるのかよく知らないのだが、少なくとも「テレビ的お約束」に従わなかったとすれば、旧世代の政治家だった、とは言えんこともない。
昔はこんな人がけっこういたのだ。それは戦後日本において、「暴力」がどういうものだったかをかいま見せることにもなるだろう。
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1982年頃、週刊少年ジャンプ連載。
昭和三十一年、黒四ダムのためのトンネル掘りに命を賭けた男たちの苦闘を描く。
「主人公の青年が、誤解をもとに自分を恨んでいる、親友の父と作業をする」という基本プロットはフィクションだろうが、内容は「プロジェクトX」的な、日本の高度成長期を象徴する大事業を描いた作品となっている。
こうした社会派的なテーマのマンガは、後に「少年マガジン」で多く描かれたと記憶するが、少年ジャンプではついぞ現在まで、このタイプの作品が継続して描かれた経緯はない、はず(95年頃に、いじめ問題を扱った「元気やでっ」という作品があったが。)
私が本作をいまだに覚えているのは、それが80年代ジャンプという、ものすごい勢いのあったマンガ週刊誌において、正直言って浮いていたからで、さらに「破砕帯をぬけ」というタイトルのインパクトからである。
「破砕帯」と言われても、初見で何のことかサッパリわからないからだ。
他にも、当時最先端を行っているはずのジャンプに子供心に「?」というマンガが何本か掲載されている。ジョージ秋山の一連の連載などがそうだった。何が言いたいかというと、必ずしも時代は何でもかんでも右向け右、にはならないということである。
同時期に、こせきこうじが「スクラム」というラグビーマンガを描いていて、絵の古さにビックリしたものだったが(「ああ一郎」がそれなりの人気作品だったとしても)、後に「山下たろーくん」でブレイクするし、「大自然を舞台にしたマンガ」も、少年誌では「釣りキチ三平」をのぞいて)あまり人気がなかったように思うが、ジャンプでは「銀牙」という特異な作品をつくり上げるにいたった。
そういう「何でもやった」中の作品の一つなのかもしれない、と思う。
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二人の子供にもめぐまれ、幸せな生活を送っていた夫婦。だが、夫の身勝手な退職と隠していた借金のため、別居せざるをえなくなる。
妻は、夫が「アスペルガー症候群」だったことに気づき、理解を示しなんとか普通の生活を取り戻そうとする。
そんなマンガの第三弾。
なんだか、固いあらすじ紹介になってしまったが、基本的に作者はギャグマンガ家なので、ユーモアをまじえて「どうやったら夫とのコミュニケーションがうまくいくか?」を考えている。
子供たちも少し大きくなった。夫はアルバイトで自立できるようになってきた。
夫の言動や態度に大いにとまどったりしながらも、基本的に理知的でめげず、夫を見捨てない妻の態度に、この巻でも感動した。
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「なぜか話が通じない」、「もしかして自分の感覚と違う?」二人の子供を育て、仲良くやって来た夫婦だったはずなのに、夫に対して疑問がわいてくる妻(作者)。
タイトルどおり「旦那さんがアスペルガーだった」という内容のマンガで、その題材から言ってあまりうかつな発言はできない。
それを前提とした上で、私は本作には衝撃を受けた。
それは、作者(妻)の、旦那さんとの距離の取り方と、それをマンガに描くときの距離の取り方について、である。
これが絶妙なのだ。
旦那さんや奥さんをネタにした実録チックなギャグマンガは少なくないだろう。だが、それらはたいてい冷徹な観察眼のたまものであり、それをわざわざ本人も読むマンガにしてしまうというのだから、夫婦間の信頼関係がなければ辛辣なことも描くことができないはずである。
本作はそうではない。夫への信頼が崩れかかっている人が、懸命に彼を理解しようとするマンガなのだ。
いや正確には理解しようとするマンガですらない。「理解できない部分」をも自分に納得させようとする作品なのである。
いやいやそれだけでは私の衝撃を言葉にできない。なぜなら、「長年つれそってきてパートナーのイヤな面も理解できない面もみえてきた、でもそれが人生さ、フフッ」というような作品ならいくらでもある。そういうのとも本作は違うのだ。
この作者は、夫を突き離して観察しているわけではない。愛情がある。自分との関係性(なぜもともと気にいって結婚したか)も理解している。それでもなお、理解できない部分がある。そのことに対し、実際どう対応していくかを決断していく。その前向きな姿勢と優しさが、得も言われぬ感動を呼ぶ。
「夫がアスペルガーかどうか」は、作者にとっては夫を理解するためのとっかかりであり、「アスペルガーだからすべてダメなんだ」とも「アスペルガーと診断されたからそういう観点に頼りきろう」とも思っていない。それは、夫が単なる観察対象ではなく、(おそらく)自分と関係している一個の人間だからである。
このような距離の取り方は、生半可にできるものではない。
もちろん、本作はマンガだから、「振り返って今だからこそ描ける」とか、「自分に都合が悪いから描かない」部分もあるだろう。だがそれを含めて、本作はすごいと思う。
本作で、作者の夫が問題になるほど「やらかしてしまったこと」は二点。借金と退職を同時に行ったことだ。
それ以外は、ほとんどが日常のサマツなすれ違いの積み重ねにすぎない。だが、この「日常のサマツなすれ違い」を、「まあ人間いろいろだよね」とごまかさずに、かといってことさらに大問題として騒ぎ立てるでもなく、描いたのがすばらしいのである。
本作に、「人間なんてシャラララさ」と、安易なブラックボックスに追い込むたぐいのギャグマンガが対抗できるか。
いや、できまい。
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週刊少年チャンピオン掲載。
「ブラックジャック」連載当時の、手塚治虫の壮絶なまでに多忙な執筆活動について、当時の関係者を取材して描いていく。
連載中にもその評判は聞いていたが、正直、あまり期待はしていなかった。
感動的シーンだけを集めたお手盛り的な企画になるんじゃないかと思っていたからだ。そもそも、「手塚治虫の話」を、いったいどんなマンガ家が描くのだろう? 手塚っぽい絵だとなんだかにせものっぽいし、かといってまったく違う絵柄でも違和感が出るだろうし……。
と思ったら、マンガとして非常に高クォリティなので感心した。
絵柄は泥臭く、手塚治虫とはおよそ関係ないタイプで逆に引きつけられるし、原作によるエピソードのチョイスやその展開の仕方も非常にうまい。
要するに、本作は「ブラックジャックがどうこう」という以前に、一度「終わった」とさえ言われたマンガ家が中年になってからどのように盛り返していくか、という話なのだ。
しかも、手塚治虫自身が天才で変わり者の、「マンガのような」キャラクターだ。どんなに多忙でもニコニコしながらメチャクチャなことを言い出す。それが他人事としてはものすごく面白い(関わった人は寿命が縮んだだろうが)。
余談めいて入ってくる永井豪のエピソードも、面白い。永井豪ファンも必読だろう。
少年チャンピオン連載だから「ブラックジャック」の時期を中心に描かれているが、その前後の時期のエピソードもぜひともこのコンビのマンガで読みたいところだ。
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最初は単行本として、1989年発行。
1988年、アフリカのコンゴにあるテレ湖というところに、「モケーレ・ムベンベ」という怪物がすんでいるという伝説がある、と知った著者と当時所属していた早稲田大学探検部の面々が、実際にテレ湖に行って約40日間、ムベンベ探索のために湖を調査したという記録。
「モケーレ・ムベンベ」はおそらくコンビニ売りのUMA本にも載っているであろう(確認はしていないが)、比較的有名なUMA……というか、ビッグマイナーな存在だろう。
しかし、おそらく本書が刊行されてはじめて日本人が多く知るところとなったのではないかと思う。
タイトルだけでは、いったいどういうスタンスの本かはわかりにくいのだが、読み始めて30ページくらいでぶっとんでしまった。
むちゃくちゃに面白い。
とにかく、著者とその仲間たちの行動力がものすごいのである。
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