ヤンキー

・「ゴリラーマン」全19巻(1988~1993年、講談社)

週刊ヤングマガジン連載。
ある日、白武(しらたけ)高校に転校してきた池戸定治という男。まったくしゃべらないこの男は、藤本修二をリーダー格とした高校の不良グループとなぜか気が合い、顔がゴリラに似ていることから「ゴリラーマン」と呼ばれ、いじられつつもなんとなくつるむようになる。

物語は藤本たち不良グループの日常を淡々と描いたり、不良ゆえに巻き込まれる日々のトラブルを、ゴリラーマンが人知れず(主に暴力で)解決したりといった出来事を描いてゆく。
通常なら藤本が主人公の「ヤンキー日常マンガ」になるところを、「ゴリラーマン」という謎の人物を配置したことで読者の視点がメタ化されるという、実に不思議な作品である。

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・「男坂」 1~3巻 車田正美(1984~1985、集英社)、4巻(2014、集英社)

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ケンカを通して、世の中に必要とされる人間になろうとする少年・菊川仁義と、彼を慕う不良少年たち、さらには国際的な不良少年組織との戦いを描く。
時期的には「風魔の小次郎」の後で、「聖闘士聖矢」の前であり、作者の強い思い入れとは裏腹に、当初の構想を昇華しきれずに打ち切りになってしまった作品である(そして、30年後に続編が描かれ第4巻が刊行された)。
本作は「壮大な構想にも関わらず打ち切りとなった」ということばかりがクローズアップされ、「ネタ」扱いされてきたが、今回の「続編」刊行を機会に、その魅力と80年代当時の敗因について考えてみたい。
(2014年10月20日 (月) )

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・「キューピー」全8巻 高橋ヒロシ(1997~2001、少年画報社)

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ヤングキング連載。
あるガソリンスタンドに、アルバイトの新人が入って来た。その名は石田小鳥。その髪型からキューピーと呼ばれる。名前とあだ名はかわいいが、巨漢で恐ろしいほどのケンカの強さを持ち、ある事件で少年院に入っていた男だ。
ガソリンスタンドのバイトたちはビビりまくるが、その中の一人にしつこくからんでくる不良を小鳥が撃退したことから、お互いに少しずつ心を開いていく。

小鳥は少年院時代の「先生」を尊敬しており、暴力の世界から抜けることを決意している。彼のケンカ仲間だった者たちも現在は高校を卒業し、ツネはロックバンド、幸三は大工をしており、まっとうな大人の道を踏み出していた。しかし、唯一、我妻涼だけが愚連隊グループを組織し、暴力の世界で生きていた。

小鳥は無事にカタギの道を歩んでゆけるのか。それとも我妻涼を象徴とする暴力の誘惑に負けてしまうのか。
そんなところから、物語は始まる。

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・「クローズ」全26巻(1990~1998、秋田書店)

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月刊少年チャンピオン連載。
地元中学でも有数のワルしか入って来ないワルばかりの男子校・鈴蘭。ここに転校してきた男・坊屋春道が、鈴蘭とその周辺の不良勢力にとんでもないケンカの強さから、大きく介入して行く。
……というヤンキーマンガ。
いまだに映画化されているほど人気がある。映画で言うと、品川ヒロシの「ドロップ」なども、濃厚に本作の影響下にあるだろう。
(追記)よくよく調べたら、マンガ版の「ドロップ」はキャラクターデザイン・高橋ヒロシになっていた。「影響下」どころの騒ぎじゃなかった。あー恥ずかしい。

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・「足利アナーキー」(1)~(3) 吉沢潤一(2009~2010、秋田書店)

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ヤングチャンピオン連載。
楽しいことが何にもない場所、栃木県足利(ということに、作中ではなっている)。
この場所から、高校生の喧嘩師の主人公と読者モデルもやってるというイケメンの親友、そして中学時代、この二人と「黄金時代」を築いたと言われる二人を加えたメンバーが、「日本一のギャングになってやる」という野望をもとに周辺のギャングたちにケンカをふっかけるというヤンキー(ギャング?)マンガ。

本作は微妙なバランスの上に成り立っている。が、現在のところ、非常に面白い。

1巻では、「タイマン」文化を否定する「いまどきの不良」のリアリティが先行していた。これが2巻以降になると、1巻ではどこまで本気かわからなかった「路上のケンカの論理性」を追求するようになってくる。タイマンはなくても、1対1でケンカするときにはどうすべきか、が詳細に語られたりする。

「不良」と「喧嘩師」を「別物」として、「ほとんどの不良は本当にケンカをしたことがない」と断じたり、大勢の人間を暴力による恐怖でビビらせ、自分に手を出させないようにするという過程にもリアリティがある。
ケンカにおける集団乱戦のノーハウについても語られている。どこまで本当かはわからないが、「路上」のリアリティを感じる面白い描写だ。

テーマも、いったいどこまで本気なのかがまだわからない。「何もやることがないから、とりあえずケンカして名前を売って行く」というのは「クローズ」以降のモラトリアム感覚と言っていいだろうが、そのわりには「日本一のギャングになる」という見果てぬ夢を持つ主人公より、荒れる生活をして喧嘩師となった元ボクサーを「クズ」と規定してみたりと、なんだかよくわからないところもあるのだ。

よくわからないところもあるのだが、妙なリアリティを感じることも確か。
本作が「やっても何の得にもならない無駄なことをやる」というモラトリアムに終始するのか、それとも本当に「日本一のギャング」になって何かをしようとうするのか(もしそうなるとしたら、主人公はスーパーヒーローになってしまうが)、どういうおとしどころに持って行くかは非常に興味のあるところだ。

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【映画】・「ドロップ」

Drop
公式ページ

原作・監督・脚本:品川ヒロシ

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「おしゃべりクソ野郎」こと、品川庄司の品川ヒロシ原作・監督・脚本のヤンキー映画。
「私立中学から、ヤンキーになるために公立に転校した」主人公ヒロシ(成宮寛貴)が、転校先のヤンキー・達也(水嶋ヒロ)たち4人の仲間とケンカしたりダラダラしたりのヤンキーライフを満喫する。

実は事前に、ラジオの映画評コーナーでこの映画に関してものすごいdisりっぷりを体験したため、前売りは買ったもののまったく観る気がなくなってしまっていたのだが、もったいなかったので観ましたよ。

結論。けっこう良かったよ!!!!!

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