コメディ、ギャグ

【映画】・「テッド2」

ある日突然、生命を得たテディ・ベア、テッドはスーパーの同僚であった女性と結婚していたが、倦怠期による離婚の危機にあった。
「結婚生活を持続させたいなら、子供をつくれ」というアドバイスに、養子縁組を考えるがそれがきっかけで、「テッドは法的に人間かどうか」という疑問が持ち上がってしまう。
テッドは「自分は人間である」として裁判を起こすが……。

吹き替え版で鑑賞。トータルでは下品で面白いが、5分の1くらい、ギャグの意味がわからなかった。たぶんアメリカ人にはわかるのだろう。町山智浩が字幕監修で、それが吹き替えと関係あるのかどうか知らないが、彼の字幕監修は少々やりすぎ、ほしがりすぎの感が強かったがほどよく抑えられていたと思う。

有吉の吹き替えに関しては、はっきり言って合ってもいないし、うまくもない。本当はもっとおっさんの声だろう。
「テディ・ベアがおっさん」というのが本作の骨子なのだから。

驚いたのは、「精子提供」や「養子縁組」が「子供をつくる」手段のひとつとして、ごく自然にとらえていたこと、さらに、「フィクションに登場するなんだかわからない生き物」を法的にきっちり位置づけようという基本プロットである。
どちらも、日本ではちょっと考えられないだろう。
とくに後者はいかにもアメリカらしいと感じた。

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【映画】・「HK 変態仮面」

監督・脚本:福田雄一

SM嬢の母と正義感あふれる刑事の父のもとに生まれた色丞 狂介(鈴木亮平)は、拳法部所属だがふだんは弱虫な少年。
だが、女性のパンティを頭からかぶると、スーパーヒーロー「変態仮面」に変身し、悪を倒すのだった。

なんでも大ヒットしているということで、まことにめでたい。でも大ヒットの理由はよく理解できません(笑)。確かに絶妙な原作チョイスではあったとは思うが。

プロットは基本的に、近年のアメコミヒーロー映画のフォーマットをごく単純に踏襲している。
ただし、スーパーヒーロー映画ファンとして見た場合、「ちょっとヒーローものに対して愛情が足りないかな」と思ってしまった。
本作に出て来る「スパイダーマン」のパロディなんて、もっと大胆にやってもよかったと思うし、ニセ変態仮面に傷つけられた変態仮面の名誉も、最後まで回復されないままなのだ。

ただし、変態仮面の肉体、動きの再現度はハンパない。主演の鈴木亮平は、このために身体をつくったとも聞く。
要するに、本作は「変態」を追究した映画であって、「仮面」の部分はまあ添え物なのだろう。

ギャグに関しては、福田雄一のノリを理解していればより楽しめると思う。
しかし、どういうわけだか、日本のコメディ映画の多くはしゃぎすぎというか、はりきみすぎた「おもしろ」を提示してしまうのだが、本作もなぜかそうなっている。ギャグの部分で、サービス過剰なのだ。
それと、脚本のやや雑なところも目についた。「変態仮面」連載時の少年ジャンプでは、「ホモ」とはギャグ的にだれでも引いてしまうような印象で、それを前提にしないと実は変態仮面の股間を押しつけて来る攻撃などは成立しない。
それなのに、本作では「モーホー仮面」をどう倒したかが描かれないのは、おおいに不満である。
このため、ただでさえややアナクロな物語が、完全に90年代的なものになってしまっている。

まあでもこういう映画に目くじら立てるのも、おとなげないと思いますよ。

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【映画】・「さらば愛しの大統領」

監督:柴田大輔
監督:出演:世界のナベアツ
脚本:山田慶太

大阪を独立国にし、初代大統領となった世界のナベアツ。彼を暗殺しようとする者が現れた。刑事たち(ケンドーコバヤシ、宮川大輔)は暗殺の犯人探しに奔走する。

だいたいいい予想も悪い予想も当たってしまった。ナベアツがつくるならだいたいこういう映画だろうな、という予想を一歩も出られなかったのは残念。

しかし、それよりも何よりも、本作のような映画がもっとも退屈なたぐいの批評を生み出す、ということについて考えてみたい。

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・「優と勇」 全5巻 国友やすゆき(1985~86、秋田書店)

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80年代半ば頃、月刊少年チャンピオン連載。
17歳の姉・森見優と、その双子の弟、勇、そして二人を取り巻く友人たちを描いた青春コメディ。

まず意外なのが、最初に優は高校をやめてしまう。そしてイラストレーターの道に。
高校をドロップアウトしたものの、勇がまだ通っていることもあって、その頃の友人たちがよく出てくる。同時代では学園を閉鎖されたユートピアととらえた作品が多い中、こういうのは珍しい。

内容は、毎回他愛のないドタバタ。
ただし、絵柄、構図、ギャグの感じがものすごく江口寿史タッチ。
というか、「明るくて元気で、常に前向きで、茶目っ気もあって」という優のキャラクターはまんま「ひばりくん」そのもの。
つまり、優が「女性化したひばりくん(!?)」だと考えると理解しやすいだろう。

あまりにも引っかかりのない作品だが、それゆえに優の家がバイク屋だったり(当時、バイクがすごく流行っていた)、イラストレーターを目指したり(広告の世界もあこがれの的だった)、といった要素に時代性をひしひしと感じるのであった。

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【映画】・「矢島美容室 THE MOVIE~夢をつかまネバダ~」

監督:中島信也
脚本:遠藤察男

テレビのバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」から生まれた音楽ユニット「矢島美容室」結成までを描いた作品。

アメリカのネバダに住むマーガレット(木梨憲武)は、夫の徳次郎とともに美容室を経営し、夫と二人の娘・ナオミ(DJ OZMA)とストロベリー(貴明)とともに幸せに暮らしていた。ところがある日、徳次郎が家出してしまう。
そのことから起こる騒動を、笑いと涙をまじえてミュージカルっぽく描く。

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【映画】・「罪とか罰とか」

公式ページ

監督・脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

売れないアイドル・円城寺アヤメ(成海璃子)は、ある警察署の一日署長を命ぜられる。
実は「一日署長」とは、数時間笑顔をふりまくだけでなく、本当に夜中の12時まで署長として勤めなければならないことを知ったアヤメは大いにとまどうが、そんなことはおかまいなしに物語は進行して行く……。

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