サラリーマン

・「特命係長 只野仁ファイナル」モテ過ぎる男編 柳沢きみお(2014、ぶんか社)

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広告代理店・電王堂の平社員でありながら、裏で社長の「特命」を受けトラブルを処理する男・只野仁の活躍を描いた作品。
大藪春彦など往年の「サラリーマン憂さ晴らしアクションもの」と言ってしまえばそれまでだが、本作も時間が経つごとに、違う様相を呈してきた。

それが、只野のトラブルシューティングとはほとんど交錯しない、只野の上司・佐川と、その親友・入江の中高年哀歌の描写である。

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・「特命係長 只野仁ファイナル」天国からの電話編 柳沢きみお(2014、ぶんか社)

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巨大広告代理店・電王堂内での表沙汰にしたくない事件を解決する社員・只野仁が活躍するサラリーマンアクションもの。

さすがに種切れ感は否めないが、あいかわらず中高年のぼやきを書かせれば天下一品である。
絶望の中に、どこかユーモアがあるのだ。

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・「それぞれの特命係長誕生秘話」(1) 柳沢きみお(2011。Bbmfマガジン)

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「特命係長 只野仁」シリーズのそれぞれの第1話、および只野の上司の友人である入江の人生哲学「入江語録」の部分をピックアップして収録。
「入江語録」は、なるほどと思うときと本当に単なるボヤキのときがあるよなあ。
でも、たぶん作者は気づいていないんだろうな。

まあ只野仁シリーズは好きだけどね……。

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・「続 夜に蠢く 漆黒の家路編」(完結) 柳沢きみお(2010、Bbmfマガジン)

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いかにも描き捨て、読み捨てっぽい展開だったので単行本の完結編は出ないのではないかと思っていたが、嬉しいことに出た!!
これで大事にとっておいた、最終回の載った「週刊実話」を捨てられる……。

確かにメチャクチャなマンガで、「きみお末期」としか言いようのない作品ではあるのだが、それでも面白く読めるし、一面の真実もある。

「悪夢の饗宴編」感想

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・「続 夜に蠢く  悪夢の饗宴編」 柳沢きみお(2010、Bbmfマガジン)

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平凡なサラリーマンが大出版社の社長になりすまし、「いつかバレるのではないかノイローゼ」に精神を侵されながらやりたい放題やるという「大人のドラえもん」のようなマンガ。

……であったはずだが、まったくセックスさせてくれない元社長の奥さんを殺して埋めてしまい、「続」になってからは「奥さんを殺したのがバレるのではないかノイローゼ」になってしまう。

第6巻(夢幻の果て編)

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・「夜に蠢く 夢幻の果て編」 柳沢きみお(2009、Bbmfマガジン)

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第6巻。これにて完結……のはずが、確かぜんぜん完結していないはず(忘れた)。
「続 夜に蠢く」に続く。

第5巻(奴隷志願編)感想

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・「夜に蠢く 奴隷志願編」 柳沢きみお(2009、グリーンアロー出版社)

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第5巻。
あらすじについては前のエントリのここ参照。

平凡なサラリーマンであった主人公が、ひょんなことから大出版社の社長になりすます話。
「奴隷志願編」などと書いてあるが、柳沢きみおにSM趣味はまったくないのはわかっていた。実際まったくなかった。

第4巻(欲望の迷宮編)感想

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・「SとM」(13)~(17) 村生ミオ(2009~2010、日本文芸社)

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週刊漫画ゴラク連載。
この頃には当初の話は一段落し、特別に表記はないが「第二部」に移行している。
おお、第二部の方が、より無理やりになったぶん面白いぞ!!
まあ、この面白さを得るためには単行本を12巻まで読まないといけないんだけどね。

ところで、読んだマンガの感想をいちいちこのブログに書いていたら、イベントで話すことがなくなっちゃうんじゃないかと思っているあなた、そんなことはないのでぜひ来てね!!

・「SとM」(1)~(12) 村生ミオ(2005~2008、日本文芸社)

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・「SとM」(1)~(12) 村生ミオ(2005~2008、日本文芸社)

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週刊漫画ゴラク連載。
高校時代、「ま」っすぐ、「ま」じめな性格だから「M男」と呼ばれてきた戸田誠は、今では上司の妻をめとり、一児をもうけて平穏に暮らしているサラリーマンだ。
ある日、出席した高校の同窓会で、彼は「す」きもので「さ」せ子だから「S子」とあだ名のついていた同級生・天海早織とソックリの美しい娘、沙耶に出会う。
沙耶は誠を誘惑するが、その意図は「母を殺した」誠に復讐するためであった……というエロティック・サスペンス。

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・「大市民 番外編 Clasic Garage」 柳沢きみお(1994、双葉社)

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「大市民」の主人公・山形鐘一郎のオジ、片岡は古い車の販売と修理をやっている。そんな彼と、古い車を愛する人たちとの交流を一話完結で描く。

「へー、『大市民』に番外編なんてあるのか」と思って気軽に購入し、後でクラシック・カーうんちくのマンガだと気づいて「ゲッ」と思ってしまった。
私には古い車に対する愛着など、1ミリもないからである。

しかし、読んでいくとなかなか面白い。毎回テーマとなる車とその特性に、さまざまな人々をからませるのがうまいんですよね。「亡き父は自分を本当に愛していたのか」を確かめるために、かつて父が乗っていた車を探し続ける男の話「第4話 ロータス・エリート」なんて泣けてしまいましたよ。
子供にストレートに愛情を表現することが苦手な父親、というのがある時期まで確実にいたんだ、ということを思い出せてくれる。

さて、本作は片手間に描いたものかと思うとさにあらず、実は作者が最も気合いを入れて描き、単行本化するのを待ち望んだ作品であったという。
あとがきには、以下のように書いてある。

「もう100巻以上になる私の単行本の中で 一番単行本化になることを夢見、願い真剣に取り組んだ一冊なのです。今までの私の本の中で、一番大切なる一冊なのです。」

自分の、しかも大変に金のかかるクラシックカー趣味と、自分の仕事が融合したということは作者にとって感無量だったのだろう。

ちなみに、本編の山形鐘一郎は「四人の妻がいる」という設定になっているが、これはもしかしたら作者が車を四台保有していた頃の「たとえ」なのではないか? と思う。
細かいことを言えば山形は別個にクラシック・カーも持っているわけだが、作者が描いているときの気分は金のかかる四台の車が常に念頭にあったに違いない。

それにしても、この手の車はとにかく高いらしい。これだけ景気の悪い昨今、「クラシック・カーを売買する」ということはどんどんマンガのテーマにはなりにくくなっていく気がしてしまう……。

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