ラブストーリー

・「タッチ」(1)~(17)(途中まで) あだち充(1981~85、小学館)

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双子の兄弟、上杉達也と上杉和也、そしてその幼なじみの浅倉南。三人は幼い頃から仲良く育ってきたが、思春期にさしかかりお互いを異性として意識し始める。
何をやってもまじめな優等生の和也は野球でピッチャーとして頭角を現し、母校の野球部を甲子園へ連れて行けるのは彼しかいないと言われていた。
一方、兄の達也の方は、何一つまじめにやらずフラフラしていて周囲をあきれさせる。彼もピッチャーとしての潜在能力を持っているというのに……。
甲子園が目前となったとき、あることが起こって達也は野球で南を甲子園に連れて行く、と決心する。人と争うことが嫌いな達也は、南のために初めて本気で他人と勝負する。

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・「ラブプラス Manaka Days」(1) コナミデジタルエンタテインメント、現津みかみ(2011、講談社)

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ゲームのコミカライズ。
もともとが恋愛シミュレーションだから、男の主人公の影は薄く、ヒロインの彼氏への(要するに、そのマンガを読んでいる男子読者への)熱い思いのみが延々と描写される。
マンガ版「キミキス」と同様の趣向だが、(ゲームマニアではなくマンガ好きにとって)驚くべきは、男の主人公のキャラがギリギリまで抹消されていることだ。

なにしろ、このマンガの男の主人公にはほとんど顔がないのだ。比喩ではなく、本当に。

2巻も出てるのね。

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・「原宿天鵞絨館」 柳沢きみお(1986、講談社)

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短編集。前半が少年マンガ、後半が青年マンガという面白い構成になっている。
なんでも、柳沢きみおが青年マンガに活動の場を移すきっかけとなった作品群ということで、「柳沢きみお」の青年マンガの基本的なフォーマットは初期から確立されていたことがわかる。

逆に言えば1984年掲載の、二本の「少年マンガ」は、ちょっとこの調子では80年代を乗りきれないだろうなあ……という雰囲気が出てしまっている。

一方、最初に描いた青年マンガだという「HEAD LIGHT」は、きみお青年マンガの本質があると言いきってもいい佳品である。
27歳で将来を決めかねている青年と、それまでの仕事を捨てて好きに生きようと決心する五十代のおっさんとの宅配便会社での交流を通して、男の人生の節目に去来する虚しさ、寂しさをエンターテインメントとして描いている。

私の記憶では、それまで「普通の大人の男の寂しさ」を、エンターテインメントとして表現できる作家は少なかったのだ。
この段階で作者は鉱脈を掘り当てたと言える。

(収録作品)
・原宿天鵞絨(びろうど)館
・MILK
・BMW R27
・HEAD LIGHT
・大人熱 その1 カゴの鳥
・大人熱 その2 マネーガール

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・「優と勇」 全5巻 国友やすゆき(1985~86、秋田書店)

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80年代半ば頃、月刊少年チャンピオン連載。
17歳の姉・森見優と、その双子の弟、勇、そして二人を取り巻く友人たちを描いた青春コメディ。

まず意外なのが、最初に優は高校をやめてしまう。そしてイラストレーターの道に。
高校をドロップアウトしたものの、勇がまだ通っていることもあって、その頃の友人たちがよく出てくる。同時代では学園を閉鎖されたユートピアととらえた作品が多い中、こういうのは珍しい。

内容は、毎回他愛のないドタバタ。
ただし、絵柄、構図、ギャグの感じがものすごく江口寿史タッチ。
というか、「明るくて元気で、常に前向きで、茶目っ気もあって」という優のキャラクターはまんま「ひばりくん」そのもの。
つまり、優が「女性化したひばりくん(!?)」だと考えると理解しやすいだろう。

あまりにも引っかかりのない作品だが、それゆえに優の家がバイク屋だったり(当時、バイクがすごく流行っていた)、イラストレーターを目指したり(広告の世界もあこがれの的だった)、といった要素に時代性をひしひしと感じるのであった。

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・「いちご100%」(11)~(19)(完結) 河下水希(2004~2005、集英社)

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週刊少年ジャンプ連載。
途中までおっぽり出していたのを、最後まで読む。

……あー、うーん……こうなりましたか。

うーん……。
って感じ。

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・「いちご100%」(9)~(10) 河下水希(2004、集英社)

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週刊少年ジャンプ連載。
3巻あたりまでを絶賛していた私だったが、このあたりでそろそろ魔法がとけ始めている感も……。
お話としては「女の子との精神的距離が縮まりそうで縮まらない」、「初体験できそうなところで邪魔が入る」の繰り返し。
細かいところでは、文化祭の出し物での部費争奪戦に勝っても負けても、それが物語に何も反映されないことにガッカリしてしまったし、新キャラはますます出ても出なくてもいいやつらばかりになっている。

私はやはり、この作者の作風はハーレムものには向かないと思う。真中と東城の不器用な関係に、神秘的美少女の西野が奇跡的にからんでくる、その関係性がやはりいちばん面白かった。キャラクターを1からつくりあげてそれらをからませるというスリルがあったのだが……。

8巻の感想

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・「いちご100%」(8) 河下水希(2003、集英社)

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週刊少年ジャンプ連載。
誕生日プレゼント、合宿で迷って小さな小屋で二人きりになって裸で暖めあう、肝試し、と「その手のマンガ」のエピソードを順調にこなしているという感じ。
ここまで読んできて、「河下水希にハーレムものは向かないんじゃないか?」と思い始めてる。

7巻の感想

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・「いちご100%」(7) 河下水希(2003、集英社)

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週刊少年ジャンプ連載。
出た! 私のいちばん嫌いなタイプのキャラ、外村美鈴(真中の悪友・外村の妹)。美少女で歯に衣着せぬ毒舌を言うタイプ。人が傷ついてもなんとも思わない。
あ、いちおう断わっておくけど「こういう女が嫌い」なんじゃなくて、「こういう人間が嫌い」なんです私は!

それに最も近いのが涼宮ハルヒで、私はハルヒを1ミリもかわいいと思えないという自分を知った瞬間、現役の萌えヲタから脱落したと思っています。
で、調べてみるとライトノベルの「涼宮ハルヒの憂鬱」が刊行されたのが、この7巻が出たのと同じ2003年。どっちが先かは「いちご」の連載号数がわからないので調べられないが、まあそういう時代の息吹が感じられるかも。

いやいや、これってあながちうがった意見ではなくて、そもそもこの「外村美鈴」っていう美少女が新キャラとして登場する理由がイマイチわからないんだよね。考えられるとしたら、お話が硬直化したときのトリックスター的役割なんだが……。
ただ男のそういう役割としてはすでに天地っていうキャラがいる。後は真中の映像作家としての部分を掘り下げるために出したか。でもそれだって、外村にできない役割でもないし……。

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・「いちご100%」(4)~(6) 河下水希(2003、集英社)

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週刊少年ジャンプ連載。
基本設定に関しては、ずいぶん前に私が書いた1巻の感想を参考にしてください。

さて、ひさしぶりに続きを読んだけど、当時から思っていたがやはり北大路さつきは、西野つかさがいるなら別にいらないんだよなあ。すごく魅力的なキャラクターだけど。

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・「らぶ・シミュレーション」全1巻 矢野健太郎(1988、小学館)

Loves
こっちに書きました。

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