「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ」(全13巻)完結、平松伸二(2000~2004年)
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スーパージャンプ連載。板垣元沢入のボディガードであり、政府とか国家間レベルのトラブルを解決する忍者・木場優児(マーダーライセンス牙)と、庶民を食い物にする悪党を抹殺する雪藤洋士(ブラックエンジェルズ)が出合い、き共闘したり、対立したりといった内容。
6巻くらいまでは面白かったが、徐々に失速を始めた、と言わざるを得ない。というのは、社会情勢に対する考え方が、あまりに納得しがたいものだったから。「マーダーライセンス牙」は、社会問題を題材として、簡単に善悪に分けられない世界の中での悪とは何か、を考えて描いていたと思うが、本作の終盤ではいくら娯楽作品といっても、納得できない政治観、善悪の基準が出てきて、個人的にはついていけなくなってしまった。
たとえば「男らしさ、女らしさ」という点について、あるエピソードではそうしたステロタイプに異議を唱えておきながら電車の中で化粧するギャルに「昔の女学生は……」などと言いながら説教するのは完全に矛盾だろう。
また、援助交際を批判するなら、雪藤の同棲相手が風俗嬢であることと矛盾してしまう。
8巻か9巻から死んだはずのブラックエンジェルズの松田が登場してからも、そのあたりの違和感はぬぐえなかった。バトルの技にしても、経絡秘孔を突くとか「発勁」といった90年代くらいに使い古されたものが多く、読んでいて困ってしまった……。
その後、2011年頃の松田を主人公とした「ザ・松田」は、完全に「荒唐無稽」の方に針が降りきれていて面白いんですけどね。
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