【アイドル】・「まだまだ続くダイエット騒動の感想~こんな考えがひとつくらいあってもいいだろう」
時計仕掛けのプー・ルイ ~BiS ダイエット企画騒動~(ロマン優光の転んだあとの杖!)
もう言いたいことは前回で言いつくした部分もあるのだが、上記のようなテキストを読んだので、再度書く。
この「時計仕掛けのプー・ルイ (以下略)」は、旧BiSとBiS、およびプロデューサーの渡辺淳之介について非常に簡潔に説明してあり、参考になった。
旧BiSをアントニオ猪木の新日本プロレス、現BiSを現在の新日本プロレスにたとえることは、非常にわかりやすい。
ロマン優光氏は旧BiS流の、「不穏さ」を煽って注目を集めるやり方が嫌いだったそうだが、それにしては公平に新旧のBiSについて説明していると思う。
旧BiSに関しては私の知り合いに熱狂的なファンがおり、何か「不穏なこと」が起こるたびに、それを興奮とともにネットに書きつけていて、当時は「まったくの他人事」としてその書き込みを読んでいた。
だから、全裸MVとか、メンバーの不仲を煽ったとか、そういうことは知ってはいたが、私個人はあくまで「アイドルとファンとの関係」としてとらえていたようだ。
つまり「アイドルとファンがそうやって盛り上がっているなら、まあいいんじゃないの。私には関係ないから」ということ。
ところがロマン優光氏の簡潔なまとめを読むと、旧BiSに関しては、真剣に関わっていたら激怒していたかもなあ、と2017年の今頃、思っている。
私はもともと、「ガチンコ!」とかその路線のリアリティ・ショー番組が死ぬほど嫌いだったし、一時期の亀田三兄弟の、まるで狂犬のような態度も大嫌いだった。
そして、テキストを読むかぎり、旧BiSは「ガチンコ!」とか一時期の亀田三兄弟路線だったのだと知り、後から不快な気持ちにさせられることに。
現BiSはずいぶんまともな、節度を持ったリアリティ・ショーになった、というようなことが書いてあったが、そういう問題かね? と思う。今回のダイエット騒動が「たまたま」にしたって、運営側に世間的なダイエット問題に対する意識が低すぎる、と思われても仕方がないし、何らかの予定調和をもくろんでいてそれがハプニングで妙なことになった、としても、「事故」を起こさないことが運営の役割のはずなんで、言い訳にならない。
渡辺淳之介が実際になんて言っているのか知らないが、「こうでもしないと売れないんですよ」みたいなことは無茶な企画に対してよく言われる。
実際、亀田三兄弟の噛みつきぶりが問題になったときも、「ああでもしなきゃ売れないから仕方ないでしょう」という意見が、他のエンタメ関係者から聞かれた。
で、亀田の話になるが、亀田批判としては、「ボクシングはそもそも神聖でストイックなものであり……」などと、勝谷誠彦か何かが当時言っていたが、そういうトンチンカンな意見もよく出ていた。
「ボクシングが神聖でストイックだから、過剰な演出をしてはならない」のか。そんなことはないだろう。
私個人が亀田兄弟に抱いていたもの。
それは「演出にしても、もうちょっとうまくやれよ」
ということだけだった。
結果、どうなったか。亀田の名前だけは売れたが、ダーティーな部分も大きく報道され、結局、一般のボクシングに興味のない人たちは、亀田たちの名前は知っているが、彼らが「本当に強いのか?」は、いまだによくわからないままなのではないのか。
これでは、演出失敗だろう。
同じことは今回のダイエット騒動にも言えて、プー・ルイのダイエット企画が常軌を逸した異常なものであれ、予定調和のレールが敷かれたものであれ、炎上してそれが宣伝につながらなければ、失敗だということになる。
そもそも、アイドルに限らず小規模な、あるいは知名度のないグループが、どれほどの「リアリティ・ショー」を行っているのか知らないが、まあ旧BiSは商売になったらしいので大義名分もあるものの、はっきり言ってファンでも興味もないし、知り合いと共通の話題にすらならない「小規模なリアリティ・ショー」は、情報が入ってくるのも不快だし、迷惑なのである。
以前、Stereo Tokyoというグループがファンをマラソンさせて炎上したことがあった。
このときも、「ファンが楽しんでいるなら外野が文句を言うことはない」という意見が、まあ穏当なところだろうとは思っていた。
だが今は違う。
こういうのがネットで流れてくるのが、たまらなく不愉快なんだよ!
亀田三兄弟よりも不愉快だ。
アイドルの世界は、いまだに盛り上がっているかもしれない。そして個々のアイドルグループとファンの関係性もあるだろう。
だが、やはりアイドルやファンが無茶ブリされて、それをいやがっていようが楽しんでいようが、部外者には断片的な情報でしかない。
そして、新日本プロレスや、ラップのフリースタイルダンジョンに関係しているラッパーたち、あるいはお笑い界の騒動でもいいが、そういうものとは違い、不穏な情報をいくらかき集めても、全体像が浮かび上がってくることは決してないのだ。
断片的なドラマを強制的に見せつけられているようで、ものすごくイライラする。
以前、グループ名は忘れたがあるアイドルが、ワンマンライブが満員にならないと解散になってしまうので、観に行ってほしいと知り合いから言われたこともある。
いや、行くわけないでしょ。曲すら知らないのに。
今のアイドル界は、AKBグループとももクロとベビメタを除いて、まったくバラバラで情報を集めても「シーン」がどうなっているのか、ぜんぜんわからない。
スッキリしない。
正直、知らないアイドルの知らない動向など、もう聞きたくない。
もしかしたら、そうしたバラバラな状況をまとめられたのは、「生ハムと焼きうどん」が大ブレイクすることだったかもしれない。
フリーの彼女たちが、武道館とは言わずとも大きな会場でコンサートをして、アイドルに興味のない人も「生ハムと焼きうどんってなんだ!?」と思えば、その他の珍妙なアイドルグループも、「今、アイドルってこうなっているんだな」と把握ができたはずだ。
新BiSが何をやろうと、プー・ルイと渡辺氏がコラボ曲を出そうと、それは「その世界」のことにすぎないんですよ。
渡辺淳之介も大変だとは思うけどね。
知らない人たちの知らないリアリティー・ショーと、予想外の「失敗」、みんな「ショー」として興味ある?
ないからポリティカル・コレクトネス的な批判を浴びたわけでしょ。
奇策ったってね、限度というものがあると思う。
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