【AV】・「(個人的激怒)業界まかせの一般人」
先日、NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」が発表した「アダルトビデオ強制出演」についての報告書なるものが出て、それに対してAV女優からは反発の声も出ている。
なんとなくそれらの記事を眺めていたら、あるコメントで、
「AV業界は社会貢献が足りない。偏った性のファンタジーをばらまいておいて、責任を取らないのはおかしいので、学校教育が後手に回っている性教育などをすべき」
という意見があった。
私の個人的な感想は、「えー、ふざけんなよ、じゃあおまえが率先してやれよ」
である。
冷静に考えれば「ひとつの意見」であり、それを採用するもしないもAV業界の自由ではあるだろう。
だが、私がこのコメントに、ほとんど激怒に近い感情を覚えたのは、AV業界に対し「おまえらのやっていることは罪深いのだから、それに対してつぐなえ」と言わんばかりのコメントをした人の姿勢が透けて見えるからだろう。
「強制出演」があったかなかったはおいておいて、単に「アダルトビデオをリリースしている」というだけで、「社会貢献」によってバランスを取らせるという発想。
これは、そもそもが「アダルトビデオ業界」というもの自体が、「セックスに対して罪なことをしている」という発想がなければ、出てこないコメントである。
考えてもみてほしい。
「性のファンタジー」は、よくも悪くも、ほんの30年ほど前はどこの業界でもかなりダイレクトに担っていたのである。
テレビドラマでもバラエティでも、女優は脱いでいたし、お色気番組も多々あった。もっと前には大衆小説には必ず濡れ場があった。昔の推理小説を読むと、不自然にベッドシーンが出てくるので困惑する若者もいるだろう。
急に思い出したが山田風太郎の「忍法帖」で、セックスにまつわる忍法が多いのはそういうことを背景としている。
マンガも、普通のマンガと成年コミックとの中間的な作品が現在よりも多く見られた。小池一夫の劇画で、セックスを題材にしたものが多いのはそのせいである。アニメなども同様だ。
それが、いつの間にか段階的にどんどん、「成年向け」と「そうでないもの」が分けられるようになった。この辺は業界ごとの事情があってひとくくりにはできないかもしれないが、大状況としては、そうである。
そして、結果的に「アダルトビデオ」や「エロ本」のみが、「性のファンタジー」を売り物にする、ということになっていったのである。
つまり、「性のファンタジー」を、ほとんどひとつかふたつの業界の役割として追いやったのは「そういうのが嫌い」なオトナたちであって、そこに今度は「あなたたちは性のファンタジーをばらまいているのだから、性教育などに貢献しなさい」というのは、私からすれば、ずうずうしいにもほどがある。
「まずおまえがやれよ」と言いたくなる。
AV業界が性教育に貢献する、ということ自体は悪くないと思うが、こんなコメントを発するやつに言われたからって、やる必要はないとすら思う。
また、これは「モンスタークレーマー」にも通ずる問題でもあるはずだ。
なんでもかんでも業界におんぶにだっこして、自分だけは正義漢のつもりでいるのだから、始末に悪い。
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