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・「宜保愛子の学校のこわい話」全3巻 宜保愛子、東堂洸子(1995、講談社)

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霊能者・宜保愛子の原案で、「学校の怪談」的な恐怖を描く連作短編集。
まあ内容的には想像どおりの女児向け恐怖マンガで、それ以上とは言い難いのだが、かといってつまらないかというとそうでもない。
ヒロインのあいこ(小学生だったり中学生だったり)は霊が見える少女で、霊はなんらかの自身の恨みを主張したくてあいこの前に登場する。あいこは彼ら、彼女らの代弁者であることが多い。
つまり、本作での霊は現世ではしいたげられてきた者、無視されて来た者たちであり、霊となって初めて発言権を得る。
一種の勧善懲悪ばなしだが、ときおり「オチのない怪談」が入っており、計算なのかそうでないのかわからないが、なかなか心にくい構成である。

ただし、宜保愛子自身の戦争中の体験を基にしたエピソードは、正直弱い。それは逆に言えば「戦争」に対して大半の人がどう思っていたのか、がほぼ同一であるということを意味する。戦争において「意外性のある死」や「死んで思い残すこと」にはそれほどの差はないのであり、そうした大量死を目の当たりにしたことが、宜保愛子の「霊能力」に影響を与えていたということは、考えられるだろう。

なお、宜保愛子の霊視に関する「愛あるデバンキング」としては「ギボギボ90分!」[amazon]という本があるので、強くオススメする。

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