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・「新装版 AMON デビルマン黙示録」全4巻 永井豪、衣谷遊(2015、講談社)

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2000~2003年頃、マガジンZ連載だったらしい(天下の講談社、初出くらい、はっきり書いてほしい)。

衣谷遊の手による、「デビルマン」のスピンアウト作品というか、オリジナルの欠落部分を埋めるような構成になっている。
熱心なファンが疑問に思うような設定をも、考えて表現したりしている。

すなわち、

・人類出現以前、恐竜時代から暮らしていた「デーモン族」とはどのような集団だったのか?
・不動明と合体する以前の「アモン」というデーモンはどういう存在だったのか?
・デーモンにとって「合体」とはどういう意味なのか?
・アモンとシレーヌ、カイムとの因縁とは?
・アモンと合体後の不動明にとって、デーモンは悪魔であり、サタンは悪魔であり、混乱の末、人間を殺した人間も悪魔であるとするなら、「悪魔人間」たちが善良であるという保証はどこにあるのか? ないのではないか?

……などといったことが、次々と提示されていく。
そして、絵はムチャクチャにうまい。
だが、どの設定の疑問に対する回答も、「人間性とは何か?」という問題にしても、「屋上屋を重ねた」感が否めない。
これは永井豪自身の手になる「デビルマン」関連作品にも言えることなのだが、結局、最終的には、

・サタンVSデビルマン軍団のハルマゲドン
・不動明、飛鳥了、牧村美樹の三角関係

この二つに収斂していかざるを得ず、結末の決まった物語を読まされている気分になってしまうのだ。

アモンやデーモン族の設定にしても、問題とされるわりにはやはり疑問点が多く、あまり納得できない。
「人間性とは何か」という問題にしても、原作の牧村一家や、チェーン万次郎などの、「日常的には不良だった者たちが、有事の際にはそれなりに味方になってくれる」という描き方でじゅうぶんであるように思える。

「飛鳥了のサバトで、飛鳥了と不動明以外にデーモンと合体して悪魔人間になった者がいた」という設定に至っては、正直、つけ足しにしか思えなかった。

ヒーローマンガは、他の作者による関連作品やスピンアウトなどが多いが、70年代のユルかった頃は別として、今後、原作に匹敵するくらいの名作が出てこなければ、アメコミは越えられないと思う。

繰り返すが本作の絵は美しいので、原作を「叙事詩」としたものとして受け止められるべき作品だろう。

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