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【雑記】・「霊感少女は追い詰められたブスなのか問題」

ネットか何かで、だれかが「学校で『霊感がある』とか言い出す少女はたいてい無能なブスだ。何も自己主張できないので、最後は『霊感がある』などと主張する」と言って笑いものにしていた。

「霊感少女」に関するこの「あるある」は、最近指摘されたことではない。もう十数年も前に、ある社会評論家が、
「美大などに行って、それでも芽が出ない女性が最終的に自分に霊感がある、などと言い出す。つまり何をやっても承認されないので、最後の手段として霊感が出てくる」
と言っていたのだ。

だけどさー。

90年代初頭から思っていたが、こういう「承認欲求の問題」は、常に指摘され、批判されてきたけど、答えをきちんと提示できた人っていないんだよ。
これまたある評論家が、なかなか芽が出ないマンガ家志望者などについて、
「だれもが(比喩として)人工衛星になれるわけじゃない。改造して乳母車に改造してしまった方がいい場合だってある」
と主張していた。
まあ、実際そのとおりで、しかもこの主張は、この評論家の経験上、雑誌社が中途半端に承認してしまったため、食えないのにマンガ家になろうとしてうまくいかず、自殺してしまった人(注:山田花子ではない)の実例を挙げていたから、説得力もある。

しかし、「人工衛星」と「乳母車」という比喩自体、悪意というか「上から」な雰囲気を感じるのは、私だけではあるまい。
こうした批判は、結局は「勝ち組が負け組を批判している」ようにしか傍目には映らないから、表現は慎重にすべきだ。

私も個人的には「私には霊感がある。この部屋には霊がみえる」などと言い出す女性(男性も)は大嫌いであり、あまりおつきあいしたくないタイプではあるが、「無能なブスだから」っつってせせら笑っているやつらは、どうせ美人だったら、いちおうチヤホヤするんだろ?
そして、「やらせてくれない」とわかったら、「あの女は霊感があるなどとホラを吹いている」と、吹聴して回るのだろう。

これはいわば、「居場所を見つけた大人の詐術」とでも言うべきものである。
「霊感少女」が、「霊感男子」より多い気がするのは、それなりに考察の対象にはなりうるが、何よりも「霊感少女」が、「男性中心の社会」で断罪され続けていることには、だれかが言及してやってもいいだろう。

霊感なんかないのは、わかっているのである。
では、「ないならどうしたらいいのか」こそが問題なのだ。

「居場所を見つけろ」なんて偉そうなことを言うやつが、たとえば元霊感少女がバイトを始めて落ち着きだした、と聞いたらどう思うか、想像してみるがいい。
どうせ「フリーターのブス」としか認識しないに決まっているのだ。
そう言われて、「ああ、私って地道だけどしっかりした生活を手に入れたのね」なんて思う人間がいるだろうか?
いるわけねーんである。
(そう言われても平気で幸福なら、それはそれで結構だが)

霊感少女の問題は、本人が「霊感がある」と主張して事足れりと思っている点にある。
しかし本当はそんなことで満足していてはダメだ。
彼女たちのルサンチマンの源泉である「本当の敵」は、別にいるに決まっているのである。

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