もうみんな HTE MANZAIダイオウイカなんて
「THE MANZAI」を観た。
この番組、始まったときから、もちろん出演漫才師の漫才そのものは面白いのだが、番組の構成などがなんだか面白くない。
「M-1グランプリ」と比べてしまう部分もあるだろう。
確かにM-1グランプリは、まるでフィギュアスケートのような「引き算の審査」であって、少しでも間違えたら終わり、みたいな、出演漫才師に異常な緊張感を強いるところがあった。
「THE MANZAI」にそういうところはない。そこは良い。
どの程度、吉本の影響力がある番組かは知らないが、しかしやはり、今回の華大の優勝は、
「芸歴十年以上でも、冠番組を何本も持つような、むちゃくちゃ売れているとは言えないベテラン」の打ち上げロケットになった、としか結果的に感じられず、華大の漫才の実力とはまったく別に、なんだかしらけてしまった。
昨年はまだよかった。ウーマンラッシュアワーは、テレビ視聴者にとっては未知の存在であったし、実際に売れたからである。
だが、華大が優勝して、今後のテレビお笑い界が劇的に変わるだろうか? たぶん変わらない。
個人的事情だが地下芸人のライブなどを見に行くようになって、「ぜったいにテレビに出られないが面白い人」、「テレビに出られそうで売れそうな人」の線引きをあまりにはっきり感じてしまい、絶望したということもある。
関東、関西どちらに住んでいるかで観点が変わってしまうのも、お笑い番組の一長一短ある部分だろう。
関西のみでがんばっている漫才師が、賞レースによってどう変わるのか、コンテクストが関東ではわからないし、逆もあるだろうからだ。
関東人の私としては、今回、面白かったのは「馬鹿よ貴方は」と「磁石」だった。
トレンディエンジェルだってめちゃくちゃ面白いのだが、ではトレンディエンジェルが優勝したら、何か変革の兆しが見えるか? というと、別に見えないのである。ポップで明るくて若いのがいいならトレンディエンジェルがいいに決まっている。
しかしTHE MANZAIよりヒドイのがR-1ぐらんぷりだ。今年だか昨年だかのR-1ぐらんぷりは本当にひどかった。
何がひどいかというと、決勝までの審査員と劇場に足を運んだお客さん、そして決勝の審査員の方向性がまるで違ったからである。
正直、怒りすら感じた。
決勝で1点も入らないことが確実の芸人を、準決勝の選者があげてくる、そのことに意味や覚悟があるのかという問題でもある。
少なくとも、THE MANZAIで「馬鹿よ貴方が」が出た、本人たちや番組にとっての意味は非常に大きかった。
だが、似たような確信をR-1ぐらんぷりのスタッフが感じているかというと、感じていないと思う。
たまたま「スギちゃん」が大ブレイクしたので、何か勘違いしているのではないか。
また、R-1ぐらんぷりでは「無名をあえて大抜擢する」枠みたいのがあるのだが、この「無名枠」のチョイスもひどい。
地下ピン芸人界を甘く見ているとしか思えない。とにかくR-1ぐらんぷりのことを思い出すと真剣に腹が立ってくる。
まあ、大半の人間はAKBとテラスハウスがあればそれでいいんだろうから、すべては丸くおさまっているのだろう。
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