【雑記】・「オタクへの悪意について」
ムー愛読者はと学会を経てネトウヨになる?(山本弘のSF秘密基地BLOG)
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「オタクが嫌いな人」は多いが、「懐疑主義者が嫌いな、知性的でなければならない運動をしている人(しばきたいのリーダーのことね)」というのが、時代なのか、単なるアホなのか、理解に苦しむところである。
・その1
かなり前、「AIBO」のデザイナーが、AKBファンについて「スカートの下が覗きたいから見に行っているだけだろう」、「外国人の友人に対して、AKBの存在を恥ずかしく思っている」的な(あくまで大意)発言をしていたのを読んで、私はとても悲しい気持ちになった。
私も「AKB商法」というより「AKB文化」とでもいうようなものに関しては、もろ手をあげて支持しているわけではない。
しかし、AIBOデザイナーの発言に透けてみえる、「汎ヨーロッパ的文化、カッコいい、ドメスティックでDQNな日本文化、カッコ悪い」という固定観念に、ものすごく悲しくなってしまったのである。
その後、AKBグループはともかく、「ライブアイドル」、「チームアイドル」のブームとして考えると、「スカートの中を覗きたいからファンになる」というのは不正確だったと感じる。なんなら、すでにスカートを履いていないアイドルだって存在しているからだ。
まあ、彼女たちが「女」である以上、「性別なんて関係ない」とまでは言えないが、AIBOデザイナーの考えるように、アイドルのパフォーマンスは「ごく単純なお色気ショー」ではないということは、証明されたと考えていいのではないだろうか。
このように、私は「オタクに敵意を向ける人」に対してとても傷つきやすいのだが(笑)、リンク先で話題となっている「オタクと懐疑主義が嫌いなヒト」も、たいがいだなと思う。
・その2
くだんの「アニメ嫌いなヒト」は、ウィキペディアによると「アニメばかり見てるから(日本は)こんな幼稚な国になった」と言っているという。
日本で社会・政治運動をしているヒトで、このような認識の人は実は多いのではないかという気はしている。くだんのヒトは世代的に言うと、同世代がオタク第二世代にあたる。オタク第一世代が、第二世代を強烈に牽引しているのを目の当たりにしていたはずだ。同時代にはバブルがあり、ちょこっと反原発ブームなどもあったけれど、おおむね「若者中心の政治・社会運動」はジリ貧であったといっていいだろう。
だから、単なる想像なのだが、そういう恨みつらみはあるのだと思う。
「アニメ嫌いな社会運動家」を擁護するわけではないが、日本のオタク・アニメ文化が、「社会・政治に対する働きかけ」を骨抜きにした部分があるのは、否めないと思う。彼は、「宗教は麻薬」などといった同じ文脈で、「アニメなどのオタク文化が、青年たちを本来の社会問題から遠ざけている」と思っているのかもしれない。
(単なる想像だが)
だが、想像の上に想像を重ねるのだが、それなら80年代から現在までの政治・社会運動家が、アニメを見ることよりも意義がある、と、きちんと若者をオルグできていたか、という問題だって浮上してくるのだ。
一部の社会運動家は、冗談とも本気ともつかないトーンで言う。
若者を社会運動家ら遠ざけたのはアニメだ、萌えだ、ネットだ、心理学的なカウンセリングだ、あるいは向精神薬だと(冗談か本気かわからんが)。
しかしそれは逆に言えば、60年代、70年代に、友人のいない者、現状に満足できないが娯楽のない者、恋人のいない者、理由はわからないがひどく鬱状態になったり、怒りを何かにぶつけたいと思っている者たちを、運動が利用してきたとも言えないか。
だから私は、政治運動家、思想家の言う「インターネット、およびオタク的メディアが日本を幼稚な骨抜き国家にした」かのようなものいいは、ちょっと欺瞞的にすぎやしないかと思っている。
・その3
「懐疑主義が嫌い」というのは、私は実際の懐疑主義コミュを覗いたことがないのでわからない。
しかし好意的に解釈すれば、懐疑主義が嫌いなヒトは、それを一種のシニシズムだと思っているのだろう。通常の手つきとして、勉強しようとしたら物事を疑うのは方法論として当然のことだから、「嫌う理由」としたらそれくらいしか思い浮かばない。
だが「疑う」懐疑主義が、究極的には検証不可能な「公理」を金科玉条のもとする(通常の右翼というのはそういうものではないか?)ネトウヨになるというのも、よくわからない話だ。理屈が通らない。
この混沌とした世の中、だれがどんなふうに支持されていくかわからないが、あんまり論理に整合性のないひとにはついていくべきではないと、自分は思っている。
自分がどこに連れて行かれるか、わからないからね。
オウムみたいのは、もうたくさんだし。
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