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【アニメ】・「LUPIN the Third -峰不二子という女-」(ややネタバレあり)

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2012年に放送。
峰不二子をキーとして、ルパン、次元、峰不二子が出会っていく過程を描く。つまり、時間的には第一シリーズより前の設定となっている(五ェ門も出てくる。彼は第一シリーズでルパンと初めて出会うんだよねそう言えば)。
観るのがここまで遅れてしまったのは、放送前から「どう非難されるか」がわかっていたからだ。
まあ、他人がどう批評しようが知ったことではないはずだが、つまらん批評ほど視聴をなえさせるものはない。

で、結論は面白かった。
どれくらい売れたかはわからないが、こういう作品がないと「ルパン三世」というコンテンツは延命できない、と私は考える。どれくらい利益を出したかは知らないが、役割としてこういう作品は必要なのである。
もちろん、作品として面白かったです。

「峰不二子をキーとした、『第一シリーズ以前』をイメージした作品」というのは考えただけでも懸念材料がいくつか出てくる。
「雰囲気だけの作品で終わってしまうのではないか」、「峰不二子という、本来謎のはずの女のキャラクターを描きすぎて、つまらないものにしてしまうのではないか」……。
だが、そういった心配要素は、いちおうクリアされていたと思う。

ただ感じたのは、「アニメはやはり少女か」ということ。本作ではシリーズ後半になって「少女」が重要なファクターとして登場するが、「ルパン三世」そのものに「少女」をからませなければいけない理由はない。しかも本作は完全な「大人向き」の作品である。しかし、それでもやっぱり「少女」なのかと。
「狂った父親の、娘への性的虐待」をにおわせる展開は、うがった見方をすればロリコンへの皮肉と取れないこともないが(本当に、ただうがった見方)。

峰不二子の出生の秘密を描くように見せかけて、結局最後には「いわゆる峰不二子」に収束していくというプロットはとてもすばらしい。広義のミステリーというのはこういうときのためにあるのではないか、とすら思えてくる。

ラスボスはナチの研究者を思わせる男で、想像を超えるものではなかったが、舞台設定が70年代であればそれもまあよし。なおかつ「記憶をコピーして植えつけ、『自分自身を増殖させる』」というのはサイバーパンク的、ややイマドキ風でもあり、満足である(最前線のSFとしては陳腐かもしれないが、これくらいのバランスでちょうどいい)。
手垢のついた「トラウマ」の描き方を逆手にとっているところも、面白かった。

やや難あり、とすれば、本来ルパンとは出会っていないはずの五ェ門のからませ方にはかなり苦労の後が見られた。
第11話「愚か者の祭」で、五ェ門が橋の爆破の情報を知るのが不自然すぎる。まあ1回観ただけなので、何か伏線があったのかもしれないが。

それにしても、「オシャレVSファミリー向け」、「オシャレVSギャグ」みたいな二項対立は本当にくだらないからやめにしたい。
「ルパンは第二シーズンがいちばん!」という物言いは「その世代だったから」と、第一シーズンの70年代的雰囲気礼賛に対する単なる不逆張りであることが多い。

理由のない逆張り、それは単なるいいがかり!!

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