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【書籍】・「ガンプラ開発戦記」 猪俣謙次、加藤智(2010、アスキー・メディアワークス)

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1980年代前半の「ガンプラ開発」と「ガンプラ営業」と「ガンプラ大ブーム」について記録、考察した本。
非常に面白い。
ちなみに、私はガンダムにもプラモデルにも、そんなにくわしくない。

オビには「ガンプラはなぜ1/144スケールなのか!?」と書いてある。
本書における、ガンプラ開発時の大きなポイントは、「架空のものをなぜ統一スケールにするのか」ということだ。
当時、模型のメインはあくまで実物をミニチュア化したスケールモデルであり、マンガやアニメのプラモ化は「組み立ておもちゃ」と下に見られることがあったという。そこに「ガンプラ」が、統一スケールによる「世界観」を持ち込んだことによって、一気に大ブームというか「熱狂」に近いものが生まれるのだ。
(ちなみに、その前段階として「宇宙戦艦ヤマト」のプラモデルのヒットがあったという。)

本書にはあまりくわしいことが書いてないので、「ガンプラ開発以前」の模型業界の人の意識がよくわからないのだが、とにかく「なぜアニメモデルにスケールを導入するのか?」という疑問点が、何度も出てくるのである。
これが模型業界の人々の「SF観」の問題なのか何なのかはわからないが、ずーっと前に大塚英志が言っていたように、「ガンプラ」の大ヒットが、スケールのみならず武器なども含め、「アニメにできるだけ近い世界観の統一」であったことは間違いないだろう。

もっとも、「世界観」を持った男児向け玩具はガンプラ、ヤマト以前にも存在する。玩具オリジナル、ということで言えば「ミクロマン」や「アストロミューファイブ」などがそうだが、やはりファーストガンダムそのものの世界観のリアルさがヒットの原動力の一つであったのだろう。

むろん、ガンダムの「リアル」は「実際のシミュレーションによって導き出されたリアル」というわけではない。
ぶっちゃければ「それっぽい」というだけの話なのだが(暴論か?)、70年代後半から80年代の男児向け玩具のもうひとつの流れ……大雑把に言えば「スーパーロボット路線」とは、「リアルにみえること」の線引きが明らかに違うことは、わかっていただけると思う。

つまり80年代に少年時代をすごした男児は、SF、ファンタジーワールドで言えば、「リアルロボット」と「スーパーロボット」という「リアリティ」の二大潮流の中にいたと言っていい。

ここから思考を発展させると、「子どもっぽいものを子どもっぽいままに受け入れるか」、「多少のリアリティの構築に価値を見出すか」という、たいへんウンザリする議論になるわけだ。
なぜ私がウンザリするかというと、スーパーロボット的ファンタジーの中にも、そのパラダイム内での「リアルかそうでないか」という価値基準が存在するからである。

本書は、「超合金の男」(→感想)と読むと、同時代に近しい会社でどんな「事件」が起こっていたかを合わせて知ることができる。

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