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【エロ?】・「テレキャノ感想の続きから、ちょっと関係ない話まで」

これの続きから、書いているうちにだんだん風呂敷が広がってしまった。

ネットウロウロしていて、この18禁映画(?)に関する、とある女性の感想を読んだ。
そこでは、「テレキャノ」のゲームのルール(生で発射、相手の女性に自分のセックスが一番と言わせる、精液を口の中に入れてもらう、などが得点になり、膣でイケないで自分で手コキしたら減点とか)は、本来のセックスの気持ちよさとはまったく関係ないのでは、と指摘されていた。
それはそのとおりなんだけれども。

そして、それは男性の、女性とは関係のないところでの「射精至上主義」ではないかと。
そんなに批判的な感じじゃなくて、むしろ「勃起力や射精至上主義にとらわれている男性はかわいそう」というトーンであった。
いやそれは本当にそうなんですよね。そういうことをまったく理解しない女性がいるかどうかは知らないんですが、わかってほしいですよ。

ですが、何かに「とらわれている」ということにはそれなりの理由がありまして、それは「膣内で発射できないと、子どもがつくれない」ということに起因していると思われます。

「子づくりのためのセックスじゃないからいいじゃないか、何を言っているんだ」と思われる方もいるかもしれませんが、要はその可能性を有しているか、ということです。
セックスにおける男性性、というのは突き詰めれば、勃起力や射精力というよりは「子どもがつくれるかどうか」だと思います。
本人がそうは思ってなくてもね。無意識にそう思っているはずです。
ま、私が思っているだけかもしれませんけど。

ここでいきなり話が飛躍しますが、「女は紙とjpgに限る」って最初にだれが言ったか知りませんが、この言葉はモテない二次コンの男が言ってもあまり意味はなくて、男の性的欲望(つまりセックスしたい、ってこと)の交換条件(?)としていろいろなことを要求してくる三次元女性に対する決別宣言として、初めて有効なものでしょう。
そりゃそういうふうにタンカを切って、一時期的には気持ちいいとは思いますが、同時に自分が将来、家族をつくる可能性をいっさい切り捨ててしまっている。
そこに、(少なくともオタク内では)だれもつっこまないのが不思議です。

これは「脳内嫁」みたいな概念も同様で、何かの事情で絶対に結婚できない境遇である人には救いになっても、そうでない人は、想像の世界で遊んでいるうちにどんどん年をとっていく。それだけです。

それとは正反対の方向では、フリーセックス思想があります。セックスがフリーなのはいいのですが、子どもができるとそうも行きません。「特定コミュニティで、いろんな人とセックスしまくってできた子どもは、そのコミュニティ全体で育てよう」という試みはなされてきたとは思いますが、成功例ってあるんでしょうか?
少なくとも、大規模には成功していないと思います。

ではなぜ「子どもをつくる」ことが必要かというと、子孫ができないと人類は滅ぶからです。
「将来的に国が滅ぼうが人類が滅ぼうが、関係ない」という考え方も、もちろん思想としては成立します。
でもそれは、万民の思想にはなりえないと思うんですよね(繰り返しますが「万民の思想などいらない」という考えも、思想としては成立しますけど)。

国境問題、環境問題、原発問題、何で問題かというとそれは「将来的にも子孫がいる」という前提だからです。
「いずれ国も地球も滅んでいい」という前提なら、現在の問題のかなりの部分が、問題ではなくなるでしょう。

極端なことを言えば、「好きなように一人で生きることと、家族をもって生きること」は社会の中で対立してしまうわけで、ここを問題視する人、どうなんでしょうか。ある程度の数、いるんでしょうか。

今、日本ではどうも「右」が強いみたいですけど、ライトな「右」は基本、現状の社会を破壊しようとは思わず、そこから継続させようとするので、本来、独身者には冷たいはずです(そして都合のいいときだけ、「ゴジラ」の芹沢博士みたいに利用されるのです)。
しかし、世界が滅亡してもらっては困るのは「左」も一緒なので、長期的に観れば同じことです。

まあ、すでに頭のいい人が問題提議してるんでしょうけど、「射精至上主義」は、実は「女性なら子どもを産んで当然」という考えと対応する、「社会を存続させる」という思想に呪縛されている考えなわけです。

1回のセックスで射精しないと決まりがつかない、ということももちろんあるでしょうけどね。男からしてみれば。


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