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【オタク】・「けなされノイローゼ、あるいは永遠に続く議論」

オタク史の中で、いくつか重要な議論がある。
それらはいずれも、時代を反映したもので、重要なものではあるが、
「もう、いいじゃねえか」
という議論もある。
今回はそれらについて、書いてみたい。

・その1
現在、私が非常にうんざりさせられるのが、以下の対立構造である。

・幼児、コドモ的なもの、思春期的、青年期的なもの、オトナ的なもの

「オタク的な評価」は、まず「幼児、コドモ的なものの評価」と「思春期、青年期的なものの評価」との混在から始まる。
ところが、これが後に分離して行く。
ベタなところでは、怪獣映画からテーマ性を読みとろうとする行為や、ウルトラマン・ウルトラセブンでことさらに実相寺作品だけ持ちあげる傾向、あるいはウルトラシリーズでも初期三作だけを評価する傾向、あるいは「ガンダム」を「リアル的側面」のみで評価する傾向、などが「漠然と作品を評価する」ところから離れて、起こってくる。

それに対し、再反論として「子どもっぽくて何が悪い」という批判がなされる。
これがずっと永遠に続いている、というのが最近の印象だ。

「オトナ的なもの」というのは、少し複雑なのだが「どうでもいいものも、コドモっぽいものも認めるのがオトナのオタクの態度」みたいなもの言いのことで、一周して「幼児、コドモ的なもの」とつながっている。

この対立、なんとかならないものだろうか?
とにかくつまらない。
私がこうした対立構造の議論を聞いたのは、90年代半ばあたりからだが、その頃と議論の傾向がまったく変わっていない。
まあ、はっきり言って読むだけ時間の無駄で、このテの話になるとウンザリしてくる。

最近だと、SPA!かなんかの「まどマギ」のテレビシリーズ完結後のブロガーの「語り」に関して、「三十代の男たちの焦りなんじゃないのか」といううがちすぎた記事があった。
その記事書いているやつの自意識の問題だろ、と思うが、とにかくそういうもの言いが一瞬でも「記事」として成立してしまうのが情けない。

近年ではダークナイトVS旧バットマン(リアルか、テーマ性があるか、そうでないか)、パシフィック・リムにストーリー性やテーマ性を読みとるかどうかうんぬん、などが記憶に新しい。

・その2
なぜそうなるのか。というと、これはもちろん「オタク文化」が、「ジャリ文化」を青年の視点で再評価するところから来ているからだ。
80年代初頭にロリコンブームがあった。
その際、「シベールの日曜日」という映画がとても評価されていて、私も観たのだが、かわいそうなかわいそうな青年が、自分の居場所を見つけたと思ったら死んでしまうという、非常に悲しい話だった。ロリコンが喜ぶ映画かどうか以前に、その「悲しさ」が強く印象に残った。

まあ第一世代の人の中には「違う」という人がいるかもしれないが、70年代中盤から80年代いっぱい、文献をあさるとオタクというのはその時点での「反・大人」という傾向が非常に強かったように感じる。
ナイーブな青年たちは、それまでの大人社会とも、自分たちより数年上の全共闘運動のような「大義名分があって集まっている青年集団」とも違う集団を求めていた。

悪く言ってしまえば成熟拒否であり、その「対・大人」という点で意見が一致していたのが、「コドモ的なもの」と「思春期的、青年的なもの」であったのだと思う。
いや、本当は「なぜおれはこれが好きなのか」と説明する必要にせまられる心性というのは、思春期、青年期的なものだから、「他人に好きなものを説明できるのがオタク」という定義をするならば、そのオリジンはやはり思春期、青年期的なものだと言わざるを得ない。

たぶん「オタクの歴史」を知っていないと、このつまらない議論は永遠に続くだろう。

唯一、理想のかたちとして、マンガ版とアニメ版、両方が愛されている「デビルマン」が、こうしたコンフリクトをどうにかできるのではないかと思っているのだが。
(江川達也は、テレビ版のデビルマンを「パンツはいた悪魔」っつってdisっていたけど、そんなことは気にせずに!!)

他にも探してみれば、そういうものが見つかるかもしれない。
そういうところから、攻めてみたい。

それにしても、「まどマギ」の映画を観たいのだが、「観たこと」について、けなされるのではないかと、私はビクビクしているのである。
もう、何も楽しくない。

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