【アイドル】・「私の80年代アイドルかくづけ」
80年代女性アイドル格付(はてな匿名ダイアリー)
リンク先のテキストが面白かったので、自分も私見を書きます(あくまで私見)。
そもそも、80年代は前半と後半に分けなければならない。
前半は、70年代的な湿っぽさを離れた「ポップさ」が、本当に時代のメインストリートになるのか、及び腰なところがあった。
それが、アイドルで言えば82年組を経て、84年くらいを境に「商法」として確立され、80年代後半には送り手が自信満々になっていく。
だから、私の基準で言えば、「松田聖子」と「浅香唯」は、比較にならない。デビュー時期(浅香唯の場合はブレイク時期を基準とする)に間が空きすぎているからだ(聖子が80年デビューで、浅香唯がスケバン刑事でブレイクしたのは86~87年である。6年も差がある)。
だが、ベスト10にしないと盛り上がらないので、私もベストを考えることにする。
第1位 松田聖子
はてな匿名ダイアリーでは「徹頭徹尾能天気」、そして「絶対正義」、「日本が初めて獲得した先進国アイドル」となっていて、私もあまりにも聖子の輝きがまぶしいので忘れていたのだが、「聖子的な明るいアイドル」ということで言えば、70年代にすでに榊原郁恵、倉田まり子などがデビューしている。もっと前にさかのぼると、天地真理がいる。
そもそも「女性アイドル」というのは、「子役」でも「大人の女」でもない「少女」を全面に押し出して形成されたものだ。それ以前の女性の歌手といえばピンキーとキラーズとか山本リンダとか夏木マリとかが代表的で、少女でも「大人の女」イメージで売るケースも多かった。
だから、聖子の「能天気さ」を、生い立ちに還元するのは実は正しいとは言えない(ずっと前、小倉千加子が百恵や明奈との比較で「聖子の親は公務員、中産階級」と言ったことが元になっているのか?)。
榊原郁恵と聖子の「明るさ、ポップさ」以外の違いはと言えば、歌唱力くらいしかないわけで、聖子のスターっぷりは案外、そこら辺に単純に求められるのかもしれない、と個人的には思っている。
第2位 中森明菜
簡単に言えば「魔女っ子メグちゃん(松田聖子)」に対するライバルの「ノン」的役割、その席を獲得していたということだろう。
リアルタイムでは、百恵との比較がよくなされていた。70年代的なウェットさを好む人々には、百恵よりもどこか明奈は物足りない、といった感じがあったらしいが、その理由は、「貧困でも強く生きる」という「男一匹ガキ大将」から、なんとなく面白いことがないからダラダラヤンキーをやっている「ビーバップハイスクール」への変化と言えばわかりやすいか。
なお、顔は童顔で、それが案外メジャーになれた理由ではないかという気もする。
ラブコメマンガ「気まぐれオレンジロード」の「鮎川まどか」は明菜がモデルであることから考えても。
第3位 小泉今日子
デビュー当初から順風満帆のアイドルだったが、ある時期までは他の82年組(堀ちえみ、石川秀美、早見優など)とそう変わらない印象だった。
しかし85年の「なんてったってアイドル」以降、サブカル文化人御用達的な、そして「キョンキョンなら本音を言ってくれそう」といったイメージが定着する。「見逃してくれよ!」はそうしたイメージを代表する曲だが、1990年頃の作品で、もう90年代に入ってしまっている。
「本音を言ってくれそう」と言っても、あくまで「アイドルのイメージ内で」ということだが、それでも当時はかなり画期的なことだった。
なんにしても、キョンキョンを評するときには「なんてったってアイドル」以前以後で分けるべきだろう。
第4位 薬師丸ひろ子
「角川映画の専属女優」というイメージが強いが、アイドル歌手としても歌がうまく、ヒット曲も出した。
「はてな匿名ダイアリー」では、「アイドル的な先駆者はおらず、むしろNHKの少年ドラマシリーズのようなジュブナイル的なものの延長」と書かれているが、何も裏をとっていないが角川春樹が目指したのは60年代かもっと前の、きれいだけどぜったいヌードにならない女優をイメージしていたのではないだろうか。「緋牡丹博徒」の富司純子のような。
薬師丸ひろ子について書かなければならないのは、「映画女優」のイメージを保持して、「隣りのみよちゃん(死語)」的イメージから、まだ「ちょっと手の届かない存在」にとどめた、ということに尽きる。
だからアイドル女優時代の薬師丸ひろ子の人気はハタから観ると「カリスマ的」な印象が合った。
なお「はてな匿名ダイアリー」では「理系イメージ」とも書かれているが、それは沢口靖子がそういう役をやっているのと同じ感覚か? だとすると、「アイドル的な透明感」が年齢を経て「どこか浮世離れした感じ」にシフトしたということで、アイドル時代メインの話とはちょっと違う。
第5位 菊池桃子
「おっとり清楚系」のトップとして、80年代中盤以降のアイドルをけん引した存在(と、個人的には思っている)。
私より少し下の世代が、「かわいい女の子」としてイメージするのは80年代中盤以降は、もろに彼女だった(ちょっと前の前田敦子みたいなもんである)。
「はてな匿名ダイアリー」では、「『桃子』と言う名前が新生児の命名の上位を占めることがあった」とされ、事実そうなのだろうが、同時にエロマンガに出て来る少女たちの名前がやたらと「桃子」であったことも忘れてはならない。
発言にもまったく危なげがなく、「大人へのステップ」的なセクシー路線に移ることもなく、なんとなく現在に至る、といったたたずまいはアイドルのトップの座にふさわしい。
なお、今さら彼女をヴォーカルにした謎のバンド「ラ・ムー」の話をするのは野暮のきわみだと思うが、ちょうどレコードからCDへの移行期でもあり、デビュー曲は意外と入手しづらいことはひと言申し添えておく。
個人的にはその後の「TOKYO野蛮人」が好きでした。
なお「トレンディ女優でアイドル時代よりも大成功」って、ホントなの?
第6位 岡田有希子
「おっとり清楚系」として、菊池桃子最大のライバルとして立ちふさがったのが岡田有希子であった。
今でこそ「突然の自殺」という最後から帰納法的に彼女の半生は評されることが多いが、当然、当時の彼女の繊細さがテレビ画面を通して伝わってくることはなかった。
「さすがに芸能界に入っているのだから、最低限の開き直りはあるのだろう」とみんな、思っていたはずである。
歌もそこそこうまく、テレビ的にも彼女が現在のAKBのようにことさらにおふざけする必要もなく、正統派アイドルと評されることになんら遜色はなかった。
なお、隠れ巨乳としても有名であった。
第7位 河合奈保子
「HIDEKIの弟・妹募集オーディション」がデビューのきっかけなのは有名。歌手としては80年デビューで、松田聖子の同期にあたる。
聖子の活躍は確かにものすごいものだったが、河合奈保子は路線が微妙に違っていたため比較されることはなかった。
というより、ざっくり言えば天地真理、榊原郁恵などのぽっちゃり系アイドルの直系とも言える。
「ファンのイメージを損なうようなことはしていない」という点では(極端な低迷期がない、ということも含めて)ほぼ完ぺきと言えるアイドルであった。
「はてな匿名ダイアリー」では「オタクアイドル的な扱われ方であった。」とあるが、世代の差もあるのかもしれないがリアルタイムで私にそのような印象はない。
そもそも、彼女がもっとも活躍した80年代前半には「オタク」という概念も曖昧だったし、その巨乳に対するフェティッシュなイメージもあまり聞いたことがない。
なお「はてな匿名ダイアリー」では「けんかをやめて」以降の路線変更がうまく行かずいったんフェイドアウトしている、と書いてあるが、その後の7、8曲までは私は記憶しているし、通産18枚目の「唇のプライバシー」もベストテンに入っているから、「けんかをやめて」以降の路線変更はいちおう成功したとみるべきではないだろうか?
「あしたのナオコちゃん」という4コママンガにもなっている。
第8位 松本伊代
「はてな匿名ダイアリー」ではベストテンに入っていなかったが、やはり入れるべきだと思う。
キョンキョンが「会議室でお弁当食べてもいーじゃん!!」とポップに「ホンネ」を打ち出したのに対し、伊代ちゃんはどこか「裏」的な「ホンネ」感があった。
実際にはないが、「ファンの人って気持ち悪いですよねー」とニコニコしながら言ってしまいそうな、でもそんなことしないだろうな、という安心感を持っていた。
だからこそ、伊代ちゃんの「本を出したんですって?」「はい、まだ読んでいませんけど(笑)」と言ったという都市伝説がまかり通るのだし、ナンシー関が喝破したように「なぜかバラエティの伊代ちゃんはぞんざいに扱われている」という状況が出現したのだ。
だが、それが彼女のアイドルとしての「親しみやすさ」、タレントとしての息の長さにつながっているのでる。
マンガ家の島本和彦が大ファンだったことでも有名。
第9位 斉藤由貴
第三回ミスマガジン。野村誠一の独特のソフトフォーカスのかかったアイドル的フォトが強烈にイメージに残っている。
デビュー当時からCM(「青春という名のラーメン」だったっけ?)を見ても私が「これは売れる!!」と確信したかわいさで、独特のイモっぽさに愛嬌があったし、そこがある程度、女性ファンも獲得できた理由なのだろう。
初代「スケバン刑事」のダイコンぶりも忘れられないが、それも愛嬌としてかたづけられてしまいそうな雰囲気があった。
第10位 南野陽子
楽曲に関し、「順位は高くまで行くが落ちるのが早い」というのはそのとおりだと思う。
その理由は、こういってはナンだが歌唱に面白みがないこと。
ドラマ「スケバン刑事」でブレイクしたのは事実だろうが、あのドラマがあまりにむちゃくちゃだったため、歌手としての活動にはあまり影響はなかった気もする。
検索すると「ミスマガジン」ではないようだが、講談社のミスマガジンがよく出ていたアイドル雑誌にひんぱんに出ていて、イメージは「ミスマガジン」に近い。
どんなイメージかというと、「徹底的に男好きのする美少女」という感じで、実際はそうでもないんだが写真の撮り方とかが、そうだったんですよ。
野村誠一撮影のグラビアが、そう思わせたのかもしれない。野村誠一の写真は、「徹底してエロ」というよりは今でいうところの「萌え」に近いものだったから。
第11位 中山美穂
当初はヤンキー路線で売ろうとしたらしいが、もっと女性っぽい印象で売りだした、という「はてな匿名ダイアリー」の意見には同意。
というか、逆に言うとそれくらいしか書くことがないのだ。それは路線変更後の彼女がかなり正統派なアイドルだったことを証明してもいる。
「ママはアイドル!」というドラマでアイドルを演じられたのも、そうした部分が大きい。なお彼女の愛称「ミポリン」は、そもそもドラマ内でのものだったと記憶する。
第12位 原田知世
実は「月刊OUT」か何かで、ゆうきまさみがゴリ推ししていたという印象しかない。
映画「時かけ」で強い印象を残したのは間違いないが、いわゆるアイドルマニアとは違う人が騒いでいたという感じ。
感覚的に言うと、ちょっと前に「ももクロ」にはまっていた人の温度に近いものを感じていたと思う。
ウッチャンナンチャンのバラエティでコントをやっていたが、「ああ、この人コント興味ないんだなあ」と骨の髄まで思い知らされた。
……とまあ、こんな感じです。
こういうのって、世代で簡単に変わっちゃいますけどね。
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