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・「第三世界の長井」(1)~(2) ながいけん(2013、小学館)

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ゲッサン連載。
あらすじ、作品の雰囲気については、過去参照。

ながいけん閣下『第三世界の長井』に絶句(エキサイトレビュー)

ここがわからないよ。『第三世界の長井』10の謎を考える(たまごまごごはん)

「あの」神聖モテモテ王国の作者の最新作とあって、期待する人々も多いようだ。

だが、私としては読後、首をかしげざるを得なかった。
なぜなら、長尾謙一郎の「PUNK」という作品もそうだったが、
「ギャグマンガ家がギャグをつきつめすぎて、わけがわからなくなっていく」
というパターンの典型のように感じたからである。

小説家の延命の方法として、「社会的な問題をルポして本を出す」などの方策がある。
だが、このパターンはマンガではなかなかむずかしいらしく、多くの人は自己の内面、インナースペースに入ってしまうのだ。

この理由でもっとも大きなものは、日本のエンターテインメントは、基本的に「社会」や「政治」に、大きくコミットメントできない、ということである。

だれかが世界をつくっている。それを壊そうとする者、食い止めようとする者。

いやそれはわかるんだが、その設定をつくった理由が「自己の内面にあったから」では、説得力が弱すぎるのではないか?

私は、本作「第三世界の長井」が描かれた、そのことに関しては「よくぞ出せたな!!」と驚くとともに、
やっぱり(マンガ界、エンタメ界全体として)「このままじゃダメだ」と、何となく思うのである。

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