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【小説】・「青春サイバーアクション漫才ハードボイルドコメディな転校生」 リタ・ジェイ(2012、PHP研究所、スマッシュ文庫)

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内容(「BOOK」データベースより)
高校2年生の南田是也には「お笑い芸人になってテレビに出たい!」という夢がある。しかし、クラスでの立ち位置は正直微妙で、コンビを組んでくれる相方はいない。唯一の友達である引っ込み思案なお笑いオタク、木下に漫談を見せては酷評される日々を送っていた。そこに、美少女綱屋りんが転校してくる。一目で心を奪われた是也だったが、しょせん美少女なんて遠い存在。ところが、たまたま彼女と話す機会があり、「私の腕は鉄でできている」「胸を触って」などと大真面目な顔で言うりんに思わずツッコミを入れてしまった。二人の掛け合いを面白がった木下は「コンビを組め」と提案するが、なんとネタだと思っていた彼女の話はすべて本当だった。
(引用終わり)

ステマとか言われたらシャクなので書いておくと、リタ・ジェイさんとは長くお付き合いさせてもらっている知り合いだ。
だから「面白い」と書くとウソっぽくなってしまうのだが、本当に、この小説は面白かった。
少なくとも、お笑い好きなら読んでソンはない。
「漫才入門」、「お笑い分析」的な本は過去に何度も出ているが、そうした方法論をライトノベルに導入した、というところが面白いし、おそらく史上初である。

リタさんのネタは、もともと過剰なシュールに流れるわけでもなく、かといって完全なベタでもない。
また、オタクネタも存分に入れてくるが、チョイスはけっこうメジャーどころで、「わかる人だけわかればいい」というものでもない(マンガ版「マジンガーZ」はメジャーですよね?)。
そういう点では、ライトノベルにぴったりの人材ではないだろうか。

もともと長尺のコントを得意としている作者なので、本作は笑ったり泣いたりしながら、気軽に楽しめる。

何より、「初めて小説を書いた」というのだから驚きだ。
私の経験上(つまり根拠はないのだが)、どんなに雑文がうまくても、詩が書けても、コントが書けても、小説を書けない人は書けない。でも本作は「小説」である。
そういう意味では、リタさんのコントを観て、依頼した人がえらいと思う。

あと、リタさんは、世代もあるのだろうがオタクとしてのルサンチマンがきわめて希薄で、それがネタの風通しのよさにもつながっているし、小説としての本作でもそうなっている。

「なんか面白いものないかな」と思っているお笑いファンは、手にとってみてはいかがでしょうか?

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