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【雑記】・「だから『あやまんJAPAN』はすごいんだって!!」

もう「デビュー」してから1年以上は経つ、謎のパフォーマンス集団「あやまんJAPAN」。
ここ数年で、お笑い専業以外のタレントでは、個人的にもっとも衝撃を受けた三人だ。
彼女たちは「好き」という人と「嫌い」という人の差が大きく、お笑い芸人ではないのでまともな論評の対象になったこともない。
だが、この「まともな論評の対象になったことがない」ことこそ、彼女たちのすごさを表しているのだ。
以下、あやまんJAPANのすごさについて箇条書きしていく。

その1 出自がわからない
あやまんJAPANの何がすごいかというと、まずこのことに尽きる。
後は、この「出自がわからない」ということの言い換えになってしまうのだ。
「メンバーは100人いる」とか、「海外班がいる」とかいろいろなことを言っているが、どこまで本当かまったくわからない。
もしかして三人だけなのか? と思うと、初期には4人で出ていたこともある。

彼女たちは「六本木が出自」だと主張しているが、いったい何人の人間が「彼女たちの生息する六本木」を体験しているだろうか? 六本木にもいろいろあるだろうし。
そういう意味において、彼女たちの言う「六本木」は、デーモン小暮閣下の言う「魔界(地獄だっけ?)」と、そう変わりがないシロモノだ。

その2 完全なブスキャラでもない
女芸人で言うところの、「ブスキャラ」ではないところも面白い。
彼女たちに対する嫌悪感の理由の一つとして、「ブスキャラにカテゴライズできない」という苛立ちが、嫌いな人にはあるはずである。
かといって、ある種の肉食女子のような思想性も皆無なところがすごい。

その3 今どきフェイクをつら抜いている
「出自がわからない」ということにつながるが、すごいのは「こりん星を爆発させろと言われた」と言った小倉優子のように、メタ化していないところだ。
逆に言えば、もしも彼女たちがNSC出身だったりしたら、魔法は一気にとけてしまうだろう。

その4 バブルの再現のようでいて、実はそうでもない
彼女たちは世代的にはバブル全盛期は知らないはずである。
その意味で、彼女たちがやっているのは「バブルってこうだったんだろうな」という妄想にすぎないとも言える。
岡本夏生も、今となっては「バブル」イメージから完全にはみ出した別の何かになっているから、両者のからみは異次元の香りがするのである。

その5 お笑い方法論からの脱却
漠然とテレビを見ている人はどうか知らないが、ちょっとでもお笑い好き、バラエティ好きな視聴者なら、「バラエティとは何か?」という方法論から無意識にテレビ番組を見ている可能性がある。
(アメトーークの「芸人ドラフト会議」などは、そうした視聴者を前提とした企画だった。)

そうした「バラエティとはこういう流れでできている」というのは、さんま、とんねるずが自己言及し始め、「ひな壇芸人」あたりで一段と強調されたが、無意識に視聴者は彼らの方法論以外の方法論を認めなくなってきているのである。
それを、瞬間的にでもブチ破ってくれたのが「あやまんJAPAN」である。彼女たちに、バラエティの方法論とか、芸人同士の先輩後輩の関係とか、そういうのは関係ない、あるいは関係ないかのようにふるまう。
あの自由に見える「あらびき団」でさえ、「あらびきな芸人の芸そのものより、そこからの逸脱を笑う」ということに特化していたにも関わらず、あやまんJAPANはそれだけでパッケージングされ、それ以上でもそれ以下でもないのである(関係ないが、彼女たちがあらびき団に出演したとき、東野が「あやまんだけ本物」と喝破したのは記憶に新しい)。
本当に、私にとってはひさびさに爽快な気分を与えてくれた。

まったく同じことを感じたのが、有吉の毒舌芸である。
有吉が以前、「吉本芸人が『これから無限大なんでお先に失礼します』って言われても、『無限大』なんて何のことだかわからないよ」と毒づいていたが、有吉の毒舌の爽快感はやはり、バラエティやお笑いの方法論や、「吉本芸人たちが支配する空気」を瞬間的にぶち破るところから出てくるものだろう。

ただし、有吉は今後、「そういうもの」としてバラエティの方法論に、再び回収されていくだろう。
それは生き残りとして正しいが、一瞬の破壊力は個人的にあやまんJAPANにあった。

今後、彼女たちが芸能界でどうなるのかはわからないが、希望としては飽きられても未練がましいことはせず、常に颯爽としてほしいと思うのであるが。

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