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【アニメ映画】・「星を追う子ども」

監督・脚本:新海誠

母子家庭の少女・アスナは、不思議な少年・シュンと出会う。彼に淡い恋心を抱いたのもつかのま、その少年は死んでしまう。アスナは、新任教師・モリサキの言う死者が蘇るという地下世界「アガルタ」に興味を持ち始めるが……。

力作なのは間違いなし。

「ジブリに寄せすぎている」とはだれもが思うだろう。だが、オリジナルの劇場公開アニメは当たりづらい、と言われているらしく、製作者サイドが「当てに行っている」としたら、この程度は責められないのではないかと個人的には思う。

それより気になったのは、扱っているテーマの本気度だ。
「親しい人の死を受け入れて生きていかなければならない」というテーマが、どれほど真剣に描かれているのか。
妻を蘇らせるという妄執に取りつかれた男・モリサキはいいとして、アスナの冒険の動機が弱すぎる。
(逆に言えば、ここまで弱い動機で引っ張るのはスゴイとも言えるが。)

地下世界「アガルタ」の描写も、かなり及び腰、というか明確なイメージがないのではないか? と感じざるを得ない。
すなわち、ジブリほど厚顔無恥に、こういう「懐かしい理想的な村社会」をユートピアとして描ききるずうずうしさは、たぶん新海監督は持ち合わせていないだろう、ということだ。
アガルタの存在にブレがあるから、その存在に悩むシン(シュンの弟)の描き方も曖昧になってしまう。

思うに、本来、シュン、モリサキ、シンは一つの人物にするべきではなかったのか?
逆に言えば、「ジブリ臭さ」を排除するために三人に分裂させたのではないか? と勘繰ってしまう。

「死者を蘇らせる」という話が出てきた段階で、「死者は反倫理的だという理由で蘇らないのだろうな」という察しはつく。それはそれでいい。ではそれをどう、だれもが納得する方向に持っていくか、が少々弱いように感じるのである。

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