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・「オバケのQ太郎」(10) 藤子不二雄(2011、小学館)

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この巻では、小学五年生、マドモアゼル、明星、ボーイズライフ掲載の「オバケのQ太郎」が掲載。

子供の頃読んで腹を抱えるほど笑った、Qちゃんたちが白雪姫のお芝居の練習をするエピソード「ぼくが主役だ」が載っていて懐かしかった。

なお婦人雑誌「マドモアゼル」にオバQが連載された経緯は、(私にとっては)謎としか言いようがない。オバQ連載開始から数年しか経っていないから、かつての読者が成人した頃だから、というわけでもないらしい。
あるいは、子供が盗み見る可能性もある雑誌だったのだろうか?
ちなみに、オバQが隣に引っ越してきた女性に淡い恋心を抱くという異色の内容になっている。

この10巻の解説は長谷邦夫。解説を読んで驚いたことがある。
石森章太郎が少年サンデー版「オバQ」のキャラクター(ゴジラ、よっちゃん、ハカセなど)を描いていたのを知ってはいたが、それはあくまでも同じフロアで仕事をしているがゆえの、「急場のお手伝い人」ということなのだと私は思い込んでいた。
ところが、スタジオ・ゼロの各人がプロダクションを構える過程で、石森だけが別の場所に仕事場を移した後も、石森のキャラクターを入れるためだけに編集者が原稿を持って行って作業していたのだという。これは知らなかった。

そして少年サンデー版「オバQ」最終回の生原稿には、石森の「悲しいですね」というエンピツの書き文字が残されていたという!
石森がオバQ(あるいはそれが想起させる「スタジオ・ゼロ」の熱気みたいなもの?)に愛着を持ち、それで最後までサンデー版オバQにつきあい、自分の名前さえ出さなかったとすれば、これはもう大ロマン、男のロマンではないか。

9巻の感想

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