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2011年1月

・「ピューと吹く! ジャガー」(19)~(20)(完結) うすた京介(2010、集英社)

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週刊少年ジャンプ連載の長期連載ギャグマンガが、10年の連載を経てついに完結した。

うすた京介が「すごいよ!!マサルさん」で登場したときの衝撃はすごかった。ギャグとしてすべてが新しく感じたし、「マサルさん」そのものが、最終的にはいわゆるジャンプバトルパターンのパロディにもなっていた。
マサルさん終了後、作者としては紆余曲折あったが「ピューと吹く! ジャガー」ではマサルさん的なギャグをマンネリという意味ではなく、できるだけ定番化させる方向に行ったと思う。

もともと、「ジャガーさん」的な物語づくりはパターンが決まっているわけでも何でもないので、こうした作風を10年も続けるのは「1作だけ大傑作を描く」というのとはまた違った苦労があっただろう。

キャラクターとしては、ボケとツッコミ役であるジャガー、ピヨ彦とは別に、プライドが高いわりには努力はせず、失敗しても自分に言い訳して決して落ち込まず、常に他人に優位に立とうとするというとんでもないウザさ(褒め言葉)を持った存在としてのハマーさんが、ただひたすらに光っていた。

うすた京介のギャグは常に意外性を伴っていないといけないタイプのものだ。だからこそ、次回作がどうなるかとても楽しみでもあり、恐くもある。

18感の感想

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・「舞勇伝キタキタ」(2) 衛藤ヒロユキ(2010、スクウェア・エニックス)

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「魔法陣グルグル」で強烈な存在感を示した「キタキタおやじ」を主人公にしたスピンアウト作品の、第2巻。
あいかわらず絵がカワイイ。
読んで満足。

1巻の感想

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・「トランジスタ・ティーセット ~電気街路図~」(1)~(3) 里好(2009~2010、芳文社)

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秋葉原を舞台に、無線関連の商品などを扱う商店街で店をやっている機械マニア少女・半田すずと、メイド喫茶の店主であり自身もメイド少女である木場みどりなどの面々が、百合っぽくじゃれあう萌えなごみマンガ。

単なる流行りに乗るのではなく、秋葉原という街に愛情がこもっていて、好感が持てます。
絵柄も描き込みが多く、「街の感じ」がよく出ていると思います。

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【映画】・「ノルウェイの森」

公式ページ
監督・脚本:トラン・アン・ユン

1987年刊行の、村上春樹のベストセラー小説の映画化。
公式ページによると「日本の国内小説累計発行部数歴代第1位」だそうである。

60年代後半、大学生のワタナベ(松山ケンイチ)は恋人が自殺してしまって以来、精神のバランスがおかしくなってしまった直子(菊池凛子)を愛するようになる。
遠方の療養所にいる直子にはなかなか会えない中で、彼は緑(水原希子)にも逆ナンされる。まあそういう話。

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・「ラッキーストライク!」(1) みそおでん(2011、芳文社)

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元ソフトボール部のヒロインが、なんとなくボウリング部に入部する萌え4コママンガ。

ボウリングというとストリート系な匂いがする作品が多いが、本作はカッチリ体育会系。
最初は「非力でもテクニックがあれば、ソフトボール経験者にも勝てる」というふうにそれなりの意味あいがあったものの、ヒロイン入部後は「なぜボウリングでなければならないのか」の理由があまりない。

「ボウリングは遊びではない、スポーツである」という作者の主張はわかるのだが、では「なぜボウリングなのか」の理由がなければ、他のメジャースポーツではなく、ヒロインがあえてボウリングをやる理由が希薄になってしまうと思うのだ(仲のいい友達と一緒にいたいとか、そういうことがあるにしてもね)。

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・「餓狼伝」(25) 夢枕獏、板垣恵介(2010、講談社)

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この巻は、「ただひたすらに堤城平がカッコいい!!」に尽きるだろう。
その反面、「空手家がマウントポジションを取られると無力」というテーマをいまだにやっていることに、何とも言えない気持ちを抱くのも確か。

などと言いつつも、本作はこれで中断。原作も迷走しているみたいだし、もう完結しないのかな……。

24巻の感想

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・「夢幻ウタマロ」 永井豪(2010、講談社)

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絵師・鬼多川歌魔呂が超一流の花魁・紅蓮太夫の美人画を描く。渾身の出来だったため、歌魔呂はその絵を太夫に渡す。
その絵を気に行った紅蓮太夫だったが、自分の感情に合わせてその絵が変化していくことを知り、妄執に取りつかれていく……。

あとがきで本作は「オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』を、江戸時代に時空を映した翻案作品」だと語られる。
が、驚くべきことに私は「ドリアン・グレイの肖像」の話をよく知らなかったので、読み終わるまで「?」マークが頭から離れなかったのであった。

悲しきわが教養不足。

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【雑記】・「補足」

このエントリについて、補足。

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【雑記】・「私見・1995年という年」

togetter 1995年についての考察
上記の流れを読んで、思いついたことを適当に。
まあ、いつものやつです。

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・「食の軍師」 久住昌之、和泉昌之(2011、日本文芸社)

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おなじみ本郷が、おでん、もつ焼き、寿司、餃子、焼肉などの外食を「いかに美味しく食べられるか」追及し、自分を軍師になぞらえて実践する作品。

「駅弁をどういう順番で食べるか」考える男を描いた懐かしの「夜行」の発展系(あと「ダンドリくん」とかいろいろ)。
超面白い。みんな読もう。

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・「アスカ@未来系」全3巻 島本和彦(2009~2010、小学館)

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「20年後の世界からやってきた」と主張する少年・大門アスカは、時間エネルギーを別のエネルギーに変換することができる少年だった。
どうやら未来に地球規模の危機があり、アスカは未来を変えるためにやってきたらしい。アスカと戦うのは、同じように時間エネルギーを変える能力を持った、未来から来た者たちだ!

うーんこれは……。まず第1巻の前半くらいで、アスカが本当に未来人なのか単にほら吹きなだけなのかがよくわからず、いったいどういう物語になるのか把握するまで時間がかかる。
第二に、時間エネルギーを別のエネルギーに変える能力の(たとえばスタンドのような)「ルール」がよくわからず、したがって主人公たちのバトルも今ひとつよくわからないことになってしまっている……。

いやぜんぜん面白くないかと言われれば決してそんなことはないんだが……。

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【書籍】・「切りとれ、あの祈る手を 〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話」 佐々木中(2010、河出書房新社)

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もしかすると、三八〇万年の永遠のなかでは、自分の生はまったく小さな芥子粒のようなもので、何の意味もないとでも思うのかなあ。言いましょう。それは絶対に無意味ではない。(P202)

「本を読む」ということの不可能性と可能性、「テキストを解釈し、書き変え続けること自体が革命につながる」、「文学は死んだ、なんてもの言いは文字の歴史から考えるとあまりにもおかしな言説」……ということを訴えるのが趣旨の本、だと思う。

ちょっとキツい挑発的な発言が目立つ作風だが、むしろこの筆者の真骨頂は「人間の生は絶対に無意味ではない」と堂々と言えるところにある。

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【同人誌】・「【SpF8】通信販売および交換開始のお知らせ」

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【SpF8】通信販売および交換開始のお知らせ
私も、超常現象をテーマとした短編小説を寄稿させていただいています。
これを機会にぜひ、お求めください!!

どちらも2011年2月24日までの期間となっておりますので、ご希望お方はそれまでに、ご注文、お申し込みお願いします

目次
―― さみしいUFO。
『オサン狐はタイフォイド・メアリの夢を見るか?』原田 実
『でんでらふしぎめぐり』ものぐさ太郎α
『オンタリオの怪物体とその他のコト』ものぐさ太郎α
『どこが怖いのか分からない』近衛秀一
『矢追さんの宇宙塾を訪ねて』本城達也
―― UFOと、さみしい死体。
【Spコミック】
『フラモンさん』めなぞ~る♪
―― 主観的な宇宙。
【Spレビュー】
『ちょっとさみしい超常マンガレビュー』新田五郎
『超常現象映画の現在、または未来』中根ユウサク
―― ユーフォロア。
【Spノヴェル】
『第三戦争 第二回』ペンパル募集
『天人豆腐』渚のいん
『なぜ、この世に幽霊は存在しないか』とよかわさとこ
『奇妙ハンター鬼談錠介 歩く大仏の巻』新田五郎
『七塚原牧場UFOフラップ事件のおもひで』横山雅司
『黒犬』馬場秀和
―― さみしいUFO。再び
寄稿者紹介
編集後記

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【雑記】・冬コミ新刊「ぶっとびマンガ大作戦Vol.16」通販開始!!

COMIC ZINで新田五郎サークル「WAIWAIスタジオ」の「ぶっとびマンガ大作戦」Vol.16通販開始。一般的評価の対象外となってきたマンガの紹介・評論。16号は、ぶっとんだ「音楽マンガ」特集!

よろしくお願いします!!

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【アニメ】・「Angelbeats!」

公式ページ

全寮制の、一見するとごく普通の生徒らが生活を送っている学園。
記憶を失った少年・音無結弦は気が付いたらそこにおり、仲村ゆり率いる「死んだ世界戦線」と「天使」との戦いに、半ば強制的に参加させられる。
ゆりたちの話によれば、この学園は死後の世界であり、理不尽な死を迎えた者たちが現世への未練を断ち切って成仏するための場であるという。
「死んだ世界戦線」は、普通の学園生活だけでは自分たちの死の理不尽さに納得することができない者たちだった。
彼らは、この世界をつくった「神」にあらがい続ける。

これ、実にひさしぶりに最終話まで観たアニメだった。

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・「カッコカワイイ宣言!」(1) 地獄のミサワ(2010、集英社)

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ブログ「女に惚れさす名言集」が話題となった、地獄のミサワの連載をまとめた単行本。
正直、「名言集」を読んだときはどこの何者かもわからず、一発芸的な人かと思っていたのだが、とんでもない。
これほどまでにポテンシャルを秘めたギャグマンガ家だったとは、知らなかった。おみそれしました。

吉田戦車を初めて読んだときのような感動があった。

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・「バンさんと彦一」 長尾謙一郎(2010、太田出版)

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クイックジャパンなどに連載。
潜在的同性愛関係にある、バンさんと彦一の微妙な関係を描いた作品。
私は長尾謙一郎大好きなのでいいけど、正直、本作が描かれなければならなかった理由が今ひとつ把握しづらかった。

……と書いたら、アマゾンレビューでは評判いいですね。
確かに「ギャラクシー銀座」よりは、長尾初心者の読者には入って行きやすいかもしれません。

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【雑記】・「『あぶなーい!』の意味」

かつて80年代(おいおい、また80年代の話かよ)、エロ同人誌の内容はどんどんエスカレートした。
そんな中で、日常会話の中に「おれはさすがにこれはついていけない」とか「ここまで行くと引く」という会話はなされてきたし、現在でも現役でエロマンガを読んでいる人の中では、そういう会話はなされているだろう。
しかし「だから規制しろ」とか「こういうものはやめるべき」という下の句が、その後につくだろうか、という話をしてみたい。

結論を言えば、それは人による。その後は、考え方によって分岐していくだろう。

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・「空想科学X」(3) saxyun(2010、アスキー・メディアワークス)

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萌え系4コマギャグマンガ。
面白いのでとにかく読もう。

2巻の感想

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・「百合星人ナオコサン」(3) kashmir(2010、アスキー・メディアワークス)

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アニメ版「イカ娘」は、萌えの記号の集積だという意見があってそれには賛成なのだけど、「萌えという記号」をさらにメタ化させて集積すると本作になるという印象。

竹内哲也初監督作品である付録のアニメもたいへんによい出来で、満足。

2巻の感想

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・「キルミーベイベー」(1)~(2) カヅホ(2009~2010、芳文社)

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「まんがタイムきららキャラット」などに連載。
高校生(中学生? わからん)であり殺し屋の少女・ソーニャとその友人・やすなのじゃれあいを中心とした4コマギャグマンガ。

萌え4コマは、「もはやギャグを創出することは第一義と思って描かれていないのではないか」と思われる作品も多いが、本作は明確に「ギャグマンガであること」を意識しているように思われる。
内容はいい意味で他愛なく、リラックスして読めます。30本に1本くらい、ものすごく面白いのがある。

作者が1巻のあとがきで「本作は漫才コントマンガ」というようなことを書いていて、「漫才コント」という言葉が使われていることに驚いた。実際、本作のキャラは単なるボケ役とツッコミ役というよりは、ごくたまにボケ役がわざとボケを演じている、という描写も出てくるので、なるほどと思った。

が、2巻のあとがきでは「お笑い番組はまったく見ません」とわざわざ書いてあった。そりゃ「漫才コント」って言葉を使ったら、そこに食いついてくる人はたくさんいるよなあ。

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【雑記】・「みじめな人生=みじんせい」

新しい言葉を考えた。それは「みじめな人生」の略、「みじんせい」だ!!
まるでミジンコのような人生とも受け取れる、いい言葉だ。これで流行語大賞を狙おう。

そしてみんなに嘲笑されて、せっかく買ったワンカップ大関の中身もこぼしてしまう……。それが「みじんせい」!!!!!

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・「激マン!」(2) 永井豪(2010、日本文芸社)

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漫画ゴラク連載。
「デビルマン」の新連載を始めたマンガ家・ながい激の苦闘。
「デビルマンは徴兵された若者のメタファー」というのはさすがに後付け設定だとしても、後々作者が「再解釈」したと思えばそれなりの資料的価値もある。
そして「マンガ家になった動機」については、嘘偽りのないものだと自分は考える。
自分が「自分」を意識したとき、家族とは別の存在なのだと意識したときに、なすべきことが見えてくる、というのは青年期にあることだと思うからだ。

1巻の感想

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【萌え談義】・「東方とかについて」

数日前の飲み会で、「東方」について知り合いからいろいろ教わった。
私は「東方」についてはほぼまったく知らない、と言っていいのだが、それでもその会話の中で、いくつかの疑問点があったので書いておくことにします。

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