【雑記】・「勘だけで書いたけど」
このエントリで、何も参照しないで適当なことを書き殴ったんですが、今年の思潮を総括する座談会での宮台発言です(MIYADAI.com blog)に興味深いことが書いてあった。
以下、引用。
先進国では八〇年代に消費点での運動にシフトします。階級闘争から、環境運動・反核運動・ジェンダー運動にシフトしました。 「新しい社会運動」と呼ばれます。これら消費点での運動の中に、共同体ないし中間集団の自立保全を訴えるものが含まれていました。スローフード運動、メディアリテラシー運動、アンチ・ウォルマート運動などです。でも日本にはありませんでした。 これらは共同体的自己決定を重視する運動で、「個人か国家か」「市場か再配分か」といった二項図式を拒絶する。共同体が市場に依存しすぎても国家に依存しすぎても危険だという発想です。依存を回避し、共同体の自立をめざせと。日本にはありません。 結果どうなったか。夏の参院選での、都市部が支えた「みんなの党」躍進、農村部での農協が支えた「自民党」躍進に見るように、未だに「個人か国家か」「市場か再配分か」の20年遅れの二項図式。都市でも地方でも共同体が崩壊している証拠です。 共同体の崩壊こそが、英国の3倍、米国の2倍の自殺率をもたらし、今年話題になった超高齢者所在不明問題や乳幼児虐待放置問題をもたらした。日本のマスゴミは「国は何やってんだ」との論潮ですが、米国の雑誌は「日本は社会が腐っている」との論潮です。 国が腐っているか、社会が腐っているか。答えは自明。社会が腐っている。
引用終わり。
この人の言ってることが正しければ、日本人は国家と個人の間の「中間集団」を保持することをないがしろにしてきたわけだから、私が思っていたように日本における個人の孤立化が不可逆的に進行している、ということも間違ってはいないことになる。
ただ、宮台真司とその影響を受けている人の共同体論は、あまりにSF的でいまだによくわからないところがある。
彼らの主張は支持を受けているようだし、私自身も最近はある程度興味を持っているのだが、私の勉強不足か彼らの主張をそのまま作品にしたような「物語」がないからわかりにくいんだよね。
左翼にしても右翼にしてもオタクにしても、彼ら自身の「物語」というか、システム運営上の齟齬みたいなものはさんざん語られてきているのでイメージしやすいんだけど、宮台系統の共同体論はその辺がどうも今ひとつよくわからなかったりはするんだけど。
松本哉のやってることとリンクしたりすれば、まだ理解できるのだがそういうのとも違うんでしょうか?
まあ、今後チェックしますよ。
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