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 ・「ももえのひっぷ」(1)~(2) コージィ城倉(2010、日本文芸社)

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漫画ゴラク連載。
ある山村で、町長選挙が行われる。争点はダム建設だ。現町長・大刀根雅人は続行派で、地元の土建会社・かいの建設も支援している。
ダム建設中止派の立場で立候補したのが、大小中(だいしょう・あたる)、その妻が桃肢(ももえ)(旧姓・上杉)。夫のアタルをかいがいしく応援する、実は高校時代には地元のアイドル的存在だった美人である。

ある晩、酔っ払ったダム続行派にからまれたアタルは、かいの建設社長の息子に投げ飛ばされ打ちどころが悪くて死んでしまう。
ダム続行派であるかいの建設社長は、息子をかばうためにアタルにそっくりな男・矢沢勘次をアタルの影武者として、町長にすることを提案、周囲もそれを受け入れる。

夫が事故死させられ、アカの他人である谷沢と(表面上だけ)夫婦になることを、ももえは巻き込まれつつも了承せざるを得なかった。しかし、謎の男から「ダムが建設されないと大変なことになる」と告げられる。
そして、ももえ自身も事故の裏には何らかの陰謀があることを察知しはじめる……。

コージィ城倉は連載のヒキが非常にうまく、なおかつ読者を不快にならない程度(「どうでもいい」と思えてくるほどの振れ幅にはならないという意味)に振りまわす技術に長けている。
本作も、単なる美人の未亡人であるももえが、どうやってダム建設騒動の裏にある陰謀を突き止めることができるのか、という興味で飽きさせない。

たまたま連載を読んでいるので一つつけくわえると、本作が「漫画ゴラク」に連載されているという意味も、連載時に読んでいると面白さの理由として一つ加わる。大味(褒め言葉)の他の作品とのバランスが絶妙なのだ。

本作がビッグコミックとかヤンマガのような、集中して読まないと理解できない作品が多数掲載されている雑誌に載っていたら、印象はまた違ったものになっていただろう。

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