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2010年11月

【雑記】・「明日、都庁」

11月30日は石原知事の所信表明を傍聴しよう(「有害」コミック問題を考える会 2010)
12時に2階受け付けて傍聴券配布だそうです。
自分は行けるかな……。努力します。

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【ポエム】・「きなこの早食いチャレンジャー」

きなこの早食いチャレンジャー
息を吸い込んで、はい、スタート!

2秒で脱落 こりゃ大変
罰ゲームは なんと「死刑」

おいおい なんだよ ふざけるな

逃げる男と
追うアヒル

アヒルより
人間の方が速いので

見事、「コロッケにしょうゆをかける派」が政権奪取

そこから恐怖政治が始まった!
恐怖ソーセージも発売された

ズンドコズンドコ
シュラシュシュシュ~

森と 泉に 囲まれて
きなこの王子が 上半身
井戸から 出して 大絶叫

「エアコンが、今ならなんとナス三本と交換できます!」

しかし その声はだれにも届かなかった

ズンドコズンドコ
シュラシュシュシュ~

あるのはケロッグコーンフレークの空き箱のみ

「今回は、ケロッグコーンフレークが大活躍する話です。
あ、申し遅れました、私、スピルバーグです。
映画のタイトルは、『頑固親父がナス三本』です」

そこでアヒルは目が覚めた
「なんだ、現実か……」
だが、それが夢だったことに、

目が覚めても、

気づかなかった

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【映画】・「さらば愛しの大統領」

監督:柴田大輔
監督:出演:世界のナベアツ
脚本:山田慶太

大阪を独立国にし、初代大統領となった世界のナベアツ。彼を暗殺しようとする者が現れた。刑事たち(ケンドーコバヤシ、宮川大輔)は暗殺の犯人探しに奔走する。

だいたいいい予想も悪い予想も当たってしまった。ナベアツがつくるならだいたいこういう映画だろうな、という予想を一歩も出られなかったのは残念。

しかし、それよりも何よりも、本作のような映画がもっとも退屈なたぐいの批評を生み出す、ということについて考えてみたい。

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【雑記】・「都条例あれこれメモ」

東京都青少年の健全な育成に関する条例

東京都青少年の健全な育成に関する条例(テキスト版)

東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト

< 反対意見の宛先 >※注意 : 決してFAXは利用しないようにお願いします。

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【雑記】・「非実在青少年条例再提出について」

東京都「非実在青少年」条例再提出=都の「拙速姿勢」と「秘匿的姿勢」は問題だ(PJnews)

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・「ワイルドマウンテン」感想続き

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前に書いた感想の続き。
前のエントリではなんだか突き放したような書き方になってしまったが、「ワイルドマウンテン」は傑作マンガなので、みんな読むべきだと思う。
ついIKKI連載だったりあまりのヴィレバン的雰囲気に呑まれて素直になれなかったが、本当にすばらしいマンガである。

どこまで計算でやっていたかはわからないが、人間関係のすれ違いと孤独は、現代日本では最大のテーマのひとつである。

それを、ささいなことから宇宙の隕石、神と称するものにさえ話を広げて描いたのは見事だったと思う。

そして、賛否両論あったラストがあったからこそ、傑作になったと思う。
最後の最後、カラーページになっているんだけど、なんかこうウルウル来てしまったよ。

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・「ワイルドマウンテン」 全8巻 本秀康(2004~2010、小学館)

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宇宙から飛来した隕石は、地球防衛軍のロボットの砲撃によって撃ち落とすことができず、中野区に激突。
多くの犠牲者を出して、そこに「ワイルドマウンテン」が誕生した。
このときに撃ち損じた防衛軍隊長・菅菅彦は防衛軍をやめ、責任を取るかたちで「ワイルドマウンテン町」の町長となった。
(しかし、彼の失敗により生まれた町だということは、住人は知らない。)

ひがみっぽくて妄想癖のある町長・菅菅彦と、この町に集う人々、そしてワイルドマウンテンの秘密を少しずつ描きながら、物語は進んでいく。

この物語、まず菅菅彦を中心に観ていくと、いわゆる「ダメ人間」の生態を面白おかしく描いたものではないことは、わかる。
彼は完全無欠なスーパーヒーローではないだけで、地球防衛軍隊長としても、町長としても有能な働きをしている。
まあムリヤリ形容するなら「両さん」みたいなものか。

ここを勘違いすると、誤読することになってしまう。

絵柄はものすごくカワイイ。藤子系の絵柄をもっとかわいくしたみたいな。
ただし、圧倒的な「非・童貞感」を漂わせている。
いかにもヴィレヴァン的な、というか。
(たぶん本作は、ヴィレッジヴァンガードで、常に売られていることだろう。)

「かわいいものをただ好きだから描いている」っていうんじゃなくて、よく知らないけど美術系の学校できちんと商業美術について学んだ人が、戦略的に「カワイイ絵」を選んだというような印象。
そしてその「かわいいかかわいくないか」を判断するのは、たぶん作者の周囲の女の子たちだ(私の勝手な想像)。

ネット上ではラストが賛否両論で、驚いてしまった。
菅彦が贖罪しなければならないとしたら、ああするしかないでしょう。

孤独な人たちが行きかい、すれ違うことで「縁」が形成される。
それははかないが、確実に人々の心の支えになる。
結果的には、そんなような話だったように思う。

感想続き

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【エッセイ】・「柳沢きみおの『なんだかなァ人生』」

「週刊新潮」に連載している、柳沢きみおの文章によるエッセイ(「文章による」とわざわざ書いたのは、「エッセイマンガ」ではないということ)。

ネットを検索するとオタク批判やAKB批判についてさまざまな人から論評が加えられたりしていて、まだまだ活字メディア……しかも昔ながらの週刊誌の影響力について思いをはせたりするがそれはまた別の話。

この「なんだかなァ人生」は、タイトルどおりとりとめもなく作者が最近の流行や想い出話などを書きつづったものだが、柳沢きみおのマンガ観やいつ、どんなんときにどんな気分で作品を書いていたのかなどが作者本人の手でつづられるため、過去の彼のマンガの作品読解にも大変役に立つ。

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【イベント】・「雑談人の踊り3 近くで見てもトークショー!」

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闇にうごめく座談の爪!酔狂が過ぎれば、余談の嵐!

ツーと言えばカー、カーと言えばSEX。

年の瀬も押し詰まり怒涛の薀蓄、年末進行。

エル・エム・エスサイズ・我は求め訴えたり、半期に一度の大放出!

【出演】唐沢俊一(評論家)、中野貴雄(映画監督)
【日時】平成22年11月26日(金) Open18:30/Start19:00
【料金】¥2000(当日のみ、全席自由)
【場所】ムーブ町屋 ハイビジョンルーム 荒川区荒川7-50-9 センターまちや
地下鉄千代田線町屋駅直結。京成線、都電・町屋駅より徒歩1分

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【イベント】・「コミティア64」

コミティア64
2010年11月14日(日)
東京ビッグサイト西ホール
WAIWAIスタジオ H04a
「小説」の新刊を出す予定です。

(通常更新は、このエントリの下です)

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・「ワイルドキャット」全2巻 石ノ森章太郎(2002、双葉社)

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1968~69年頃、プレイコミックに連載。
ジャングルで生まれ育った美少女・ネネは「ワイルドキャット」と呼ばれる超能力者。悪の組織「コンドルホーク団」のエスパーによる世界征服の陰謀を阻止するため、スパイ組織「K・K・P(ククル・クク・パロマ) 」がネネをスカウト。
三枚目の相棒・伴代三助、謎のイケメン・エンゼルジョーとともに、毎回コンドルホーク団と超能力合戦を繰り広げるセクシーSFアクション。

「K・K・P(ククル・クク・パロマ) 」というのはネットで調べたら50年代のヒット曲であり、パロマとは「鳩」のこと。「コンドルホーク」は「タカ」ということだ。要するに「ハト派」と「タカ派」である。
このような組織の、やや投げやりでユーモラスなネーミングが象徴するように、どっちかというとナンセンス路線の本作。
「009ノ1」のように「オシャレな戦い」を楽しむマンガで、プロットそのものには目立って面白いところはない。

しかし、この系譜をSFがらみで受け継いだマンガ家は一人もいなかったといっていいだろう。
音楽で言えばレトロフィット(って今言わないのか?)感覚で音楽をつくっている小西陽康で、実際、似たような趣向の石ノ森作品を収録した「SUPER GIRLS COMIC DELUXE」の帯は彼が書いている。

【参考】
・「009ノ1」全4巻 石ノ森章太郎(1996、中公文庫)感想

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【雑記】・「一般論として」

まあ「論争」って、サブカル周辺に限って言うと、雑誌でもネット上でも(最近「雑誌での論争」てあるのかどうか知らないが)、最初は理論の応酬になっても、途中から精神論とか人格攻撃とかがあってぐちゃぐちゃになっちゃう。

で、野次馬がクソマジメから「ネタ化」までを一通りやって、いろいろ出尽くして、一周して終わる。

私個人にとっては、退屈きわまりないパターンだし、評論対象となる作品を純粋に鑑賞したい人たちにとってはノイズにしか思えないかもしれない。

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【雑記】・「『デビルマン問題』は複雑である」

永井豪は、評するのに実はなかなか複雑な作家である。

より正確に言えば、「ある人にとってはひどく単純なのに、ある人にとってはひどく複雑だ」というふうに言えると思う。
以下のブログのエントリで、永井豪ファンについて興味深い分け方をしている。
ちなみに私は「激マン!」は毎週喜んで読んでいます。

「『激マン!』是非を語るというコトとは」(ビバ!ダイナミックBlog@おたく鍋)

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・「逃亡海峡」 旭丘光志(1970、曙出版)

「逃亡海峡」は、別冊少年マガジン掲載。
青函トンネル開通に執念を燃やし、なりゆき上殺人まで犯しながら青函トンネルの工事に従事する青年の話。
工事の過程と主人公ほかキャラクターたち、それとサスペンス部分がうまくからまりあっており、佳品だと思う。
青函トンネル開通の物語はいろいろなかたちで作品化されているが、(架空の)殺人事件までからまされて描かれたのは珍しいのではないか。

「暗黒列島」は、下山事件を捜査する新米記者の話。少年ジャンプ掲載だったというから、驚きだ。

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・「仮想敵機を撃て」 旭丘光志(1974、芸文社)

自衛隊でパイロットを目指す優秀な兄と、グレて「トルコ・コンサルタント」なる職業に就いた弟。
兄は飛行訓練中、旅客機と衝突してしまい、百六十名の客は全員死亡。しかし自分はパラシュートで脱出して一命をとりとめる。
世論が一斉に自衛隊批判に傾く中、兄は国の軍事計画をつまづかせぬようにと、間接的に自殺を勧められる……。

1971年に実際にあったという「全日空機雫石衝突事故」を元にした社会派劇画。

「強大な権力によって個人が押しつぶされる」という、本作刊行当時にはよく見られたテーマではある。
劇画としての出だしは面白いし、何より執筆に際しての志の高さについては、敬意を表することにやぶさかではない。
しかし、「自衛隊員専門のトルコ」を経営する弟が面白くからんでこれそうなのに今ひとつからんだこなかったり、最後に兄が、自分を国の計画のために殺そうとした大物政治家に一矢報いようとしてけっきょく報いなかったりと、正直、読後のカタルシスはない。
作者の真剣ぶりが伝わってくるので、おそらくは一個人が国家権力に対抗することなどできない、という絶望から導き出された結末だとは思うがあまりに……である。

中編「アフリカの標的」、「自衛隊叛乱」を同時収録。どちらも「一個人が強大な権力にふみにじられてしまう話」。
「自衛隊叛乱」は、タイトルどおり自衛隊のクーデターの話だが、反戦自衛官が「自衛隊のクーデターをおさえることによって民意を得る」計画を練っていたのが少し面白かった。

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・「薔薇のレクイエム」 橋本一郎、松森正(1981、サン出版)

国際警察で活躍した超・敏腕の美女が活躍するアクション劇画。
正直、内容が頭にあまり入って来なかった……。すいません。
絵は松森正なので、相当うまいです。

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・「地球最期の日」 関川夏央、松森正(1981、日本文芸社)

81年での段階での、シミュレーションしうる「人類の戦争による破滅」を描いたオムニバス。
この作品を読むと、やはり90年あたり(ソ連崩壊)で決定的に人々の世界観が変わってしまったことがわかる。
私が若い頃には年上の人から「東京オリンピックを知らない」ということで驚かれたし、平成生まれが二十歳を過ぎたことで私も驚いているが、ジェネレーションギャップとはそういうことにあるのではない。

時代の転換点をまたぎこしているかどうか、だと、本書を読むと感じる。
つまり、85年と95年は90年を挟んでいるので変化が大きい。
80年と70年も、73年という時代の転換点を挟んでいるのでものすごく変化が大きいのである。

なお、この「変化」は、リアルタイムで感じられることと後でジワジワ「もしかして、あのとき変わったんだなあ」と思えることとの二つがある。

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