« 【エッセイ】・「柳沢きみおの『なんだかなァ人生』」 | トップページ | ・「ワイルドマウンテン」感想続き »

・「ワイルドマウンテン」 全8巻 本秀康(2004~2010、小学館)

[amazon]
宇宙から飛来した隕石は、地球防衛軍のロボットの砲撃によって撃ち落とすことができず、中野区に激突。
多くの犠牲者を出して、そこに「ワイルドマウンテン」が誕生した。
このときに撃ち損じた防衛軍隊長・菅菅彦は防衛軍をやめ、責任を取るかたちで「ワイルドマウンテン町」の町長となった。
(しかし、彼の失敗により生まれた町だということは、住人は知らない。)

ひがみっぽくて妄想癖のある町長・菅菅彦と、この町に集う人々、そしてワイルドマウンテンの秘密を少しずつ描きながら、物語は進んでいく。

この物語、まず菅菅彦を中心に観ていくと、いわゆる「ダメ人間」の生態を面白おかしく描いたものではないことは、わかる。
彼は完全無欠なスーパーヒーローではないだけで、地球防衛軍隊長としても、町長としても有能な働きをしている。
まあムリヤリ形容するなら「両さん」みたいなものか。

ここを勘違いすると、誤読することになってしまう。

絵柄はものすごくカワイイ。藤子系の絵柄をもっとかわいくしたみたいな。
ただし、圧倒的な「非・童貞感」を漂わせている。
いかにもヴィレヴァン的な、というか。
(たぶん本作は、ヴィレッジヴァンガードで、常に売られていることだろう。)

「かわいいものをただ好きだから描いている」っていうんじゃなくて、よく知らないけど美術系の学校できちんと商業美術について学んだ人が、戦略的に「カワイイ絵」を選んだというような印象。
そしてその「かわいいかかわいくないか」を判断するのは、たぶん作者の周囲の女の子たちだ(私の勝手な想像)。

ネット上ではラストが賛否両論で、驚いてしまった。
菅彦が贖罪しなければならないとしたら、ああするしかないでしょう。

孤独な人たちが行きかい、すれ違うことで「縁」が形成される。
それははかないが、確実に人々の心の支えになる。
結果的には、そんなような話だったように思う。

感想続き

|

« 【エッセイ】・「柳沢きみおの『なんだかなァ人生』」 | トップページ | ・「ワイルドマウンテン」感想続き »

ファンタジー」カテゴリの記事

マンガ単行本」カテゴリの記事

SF」カテゴリの記事