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【雑記】・「おれたちこんなに海外でがんばってるのにおまえら何足引っ張ってんだ系」

最初に弁明しておくと、私も私自身が村上隆氏や海外アートの世界については勉強不足のところがあると思ってますよ。

でも、たまたまtwitterで観た、海外で活躍してるっぽいデザイナーの人(1968年生まれ)が、AKBとアニソンに対してすさまじいディス発言をしているのを見て、これはさすがにどうかと思った(興味のある人はどうにかして検索してください)。

その人は、90年代半ばにやっと水準が高くなってきた邦楽が、アイドルブームによってめちゃくちゃにされた、と憤っていて、ロリコン変態文化がコマーシャリズムによって広げられ、真に海外で評価されるべき日本の楽曲がないがしろになっている、と憤っていた。

ま、実際、日本のそういう海外から観た奇矯な文化が向こうに「ネタ」的に扱われている事実はあると思うのだけど、
それ言ったら、日本は日本でアメリカの「ホットドッグ早食いコンテスト」とかを「バカじゃねえの(笑)」って思っている部分もあるんだよ。
広義のサブカルというのは、基本的にそういうもんですよ。

それと、気になるのは彼のグローバリズムへの盲信。
(村上隆氏はもっと老獪だと思うが)

まあ、最前線で現場で英語使って頑張ってんだから、っていう気持ちは、私もありますよ。

でも、それと日本で地べた這いつくばってるおれらが快楽を得られるかどうかはまったく別の問題なんですよ。
そこをまったくわかっていらっしゃらないようだった。そのデザイナーみたいな人は。

別にアイドルやアニメやアニソンやキティちゃんは、「海外で評価されること」がアガリだとはぜんぜん思ってない。
そこのところが、まったくわかってない。

海外で評価されたいというのは、アンタの自由だから。

戦略的に、「このまま評価されないと、世界に認知されないと存続自体がヤバい」みたいな煽りがあれば、こちらももうちょっと危機感持つんだろうし、その辺は村上隆氏はロジックを持っているでしょうが、もう一人の方(1968年生まれ)があまりにひどかったんで。

昔はこういう人(アニソンディスの人)はけっこういたんだよ。80年代半ばにはね。
前にも書いたけど、「サブカル」というのは自分の「個性」で一旗あげないといけない、という気持ちがある。

対するにオタクは、私が考えるに「群体」である。「群体」には別に個々の名前なんかなくっていい、という気持ちが強い。それゆえにないがしろにされて、前島賢氏が言う「オタクの公民権運動」が2000年初めくらいまでに行われていたわけだけど。

秋元が100パーセント、商業主義だけでやってるかというと、それはわからないよ。
っていうか、たぶんやってないと思いますよ。
もしかしたら、秋元康の「内面」について、そろそろ考察すべきときなのかもしれないね。

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