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・「大市民 番外編 Clasic Garage」 柳沢きみお(1994、双葉社)

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「大市民」の主人公・山形鐘一郎のオジ、片岡は古い車の販売と修理をやっている。そんな彼と、古い車を愛する人たちとの交流を一話完結で描く。

「へー、『大市民』に番外編なんてあるのか」と思って気軽に購入し、後でクラシック・カーうんちくのマンガだと気づいて「ゲッ」と思ってしまった。
私には古い車に対する愛着など、1ミリもないからである。

しかし、読んでいくとなかなか面白い。毎回テーマとなる車とその特性に、さまざまな人々をからませるのがうまいんですよね。「亡き父は自分を本当に愛していたのか」を確かめるために、かつて父が乗っていた車を探し続ける男の話「第4話 ロータス・エリート」なんて泣けてしまいましたよ。
子供にストレートに愛情を表現することが苦手な父親、というのがある時期まで確実にいたんだ、ということを思い出せてくれる。

さて、本作は片手間に描いたものかと思うとさにあらず、実は作者が最も気合いを入れて描き、単行本化するのを待ち望んだ作品であったという。
あとがきには、以下のように書いてある。

「もう100巻以上になる私の単行本の中で 一番単行本化になることを夢見、願い真剣に取り組んだ一冊なのです。今までの私の本の中で、一番大切なる一冊なのです。」

自分の、しかも大変に金のかかるクラシックカー趣味と、自分の仕事が融合したということは作者にとって感無量だったのだろう。

ちなみに、本編の山形鐘一郎は「四人の妻がいる」という設定になっているが、これはもしかしたら作者が車を四台保有していた頃の「たとえ」なのではないか? と思う。
細かいことを言えば山形は別個にクラシック・カーも持っているわけだが、作者が描いているときの気分は金のかかる四台の車が常に念頭にあったに違いない。

それにしても、この手の車はとにかく高いらしい。これだけ景気の悪い昨今、「クラシック・カーを売買する」ということはどんどんマンガのテーマにはなりにくくなっていく気がしてしまう……。

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