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・「大市民」(8) 柳沢きみお(1995、双葉社)

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「人生を楽しむ」をモットーとした小説家・山形鐘一郎の自由な生きざまや考え方をとりとめもなく描く、無理やり分類するならエッセイ・コミック。
ここまで楽しませてもらってきたが、さすがにこの8巻あたりで魔法がとけ始めてきた感がなきにしもあらず……。

「英語を習う意味がわからない」、「写真家は技術家であって芸術家ではない」というのは暴論を通り越してムチャクチャだろう。

文明批判も底が浅すぎる。
山形先生に限らず、「日本が再び貧しくなったら、義理や人情が復活するのでは」と唱えるエッセイストや評論家は少なくない。
実際そうかもしれない。しかし、そこに至るまでには大混乱と、犯罪と、豊かな時代には考えられないシステムの脱臼が重なるだろう。そんなことを唱えている自由業者や、子供、老人などの弱者から先に社会からはじき飛ばされてしまうだろう。
人々の義理・人情が再び芽吹くとしたら、きっとその後ですよ。

本作が描かれたのは1995年。まだ「バブル後の混乱」はあっても「格差社会」といった言葉や実感はなかった時代だ。
15年を経て、「日本は貧しくなれば義理人情が戻るのではないか」と思っている人が望んだとおりの世界になりつつありますよ。
さてどうなるのかねえ……。

1~7巻の感想

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