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・「V ビジター」(上)(下) 監修:永井豪、画:安田タツ夫(1989、勁文社)

V
製作総指揮:ケネス・ジョンソン、ダニエル・H・ブラット、ロバート・シンガー
脚本:ケネス・ジョンソン
……というスタッフにより、80年代前半につくられたアメリカのSFテレビドラマの、コミカライズ。
日本では87年頃、放送されたらしい。
あらすじは、宇宙からやってきた爬虫類型エイリアンと地球人が戦う、というもの。記憶だけで書くと、レンタルビデオ店の隆盛に合わせてこの「V」のビデオも並び、主に「人間が爬虫類型エイリアンの子供を妊娠する」などのグロテスクな描写の宣伝で盛り上げていた。
現在の「24」的な商法のハシリかもしれん。

内容に関しては当時からまったく興味が持てず、私は観ていない。

この安田タツ夫によるコミカライズも、原作を読んだ人が内容を思い出させるためのものであるらしく、端折りが多くて読んでいても内容がつかみにくい。安田タツ夫やダイナミックプロのファン以外の人が、無理して古書店などで購入する必要はないと思う。

さて、「V」、当時から「何でこんなものがアメリカで流行ったのか」と首をかしげていたのだが、エイリアン・アブダクションなどのアメリカの「UFO神話」の存在を念頭に置くと理解できる部分もある。
まず「爬虫類型エイリアン」は、昔から都市伝説としてアメリカ人にはなじみのあるものらしい。アメリカ人ではなくイギリス人だが、爬虫類型エイリアンによる陰謀本を書いている作家もいるほどで、それを太田竜が訳していたというのも一部では有名な話である。

また、「異星人の子を妊娠」というのも、エイリアン・アブダクションではよく見られる傾向で、「V」が、アメリカ人、あるいは欧米人の心に根差す何かにしたがってつくられていたのであれば、逆に日本人が理解できないのも当然かな、という気がする(逆に言えば、アメリカ人が「貞子」の恐さを正しく認識できるのか、というようなことでもある)。

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