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2010年1月

・「ウルトラマンSTORY 0」(1)~(9) 真船一雄(2005~2009、講談社)

Ultraman0
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まったく知らない宇宙人の星で、ウルトラマンたちがまったく知らない宇宙人を守るために戦う物語。
地球人と同じように、ウルトラマンはどこかの知らない星の人々をも、救う。

内山まもる版「ウルトラマン」を、現代風に描くとこうなるかなという感じ。真船一雄の描くウルトラマンは、かっこいい。

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・「ピューと吹く! ジャガー」(18) うすた京介(2010、集英社)

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すっかり「シュールギャグなのにまさかの安定感」を持った作品になっているよね。すばらしい。

第388笛「運命のさだめのお導きの出会い」が大傑作。ジョン太夫登場回に、ハズレなし。

16巻の感想

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【雑記】・「身辺雑記風エッセイ」

ああ、身辺雑記風エッセイを書くだけで暮らせないだろうか。
上戸彩でも石原さとみでもいいが、とにかくキャワイイ女性編集者がやってきて、
「新田さんの身辺雑記風エッセイ、すばらしいですね。毎日読んでます。プリントアウトして社内で配ったら大好評で、編集長が『おいおい、こんなやつがいたのかよ、ぜひ連載させなさい』ってことになっちゃって。ウフ」

その雑誌が「月刊セレブグレート」。毎号毎号、セレブばかりが載る。一流誌だ。

「こんなんでいいのなら、いくらでも書きますよ」

月刊セレブグレート 身辺雑記風エッセイ タイトル「レモネードをどれ、飲もうれ」

新田五郎

「今年も我が家の庭にモズがやってきた。
でも、本当にモズかどうかはわからない。
カンガルーかもしれない。
羽のはえたカンガルーかもしれない。

そう考えたら、急に怖くなってきた。
羽のはえたカンガルーが、私のなめているソフトクリームを奪うために、急降下してくるのだ。

私はおそろしさにうちふるえ、対抗策として部屋に、コンビニで売っていたガンダムのゴムみたいな材質のおもちゃを使って結界を張った。

「来るなら来い、妖魔よ!!」

私は両手でV字をつくり、三秒ほどそのままの姿でいたが、すぐにそれを解いて、録画しておいた「笑っていいとも!」を観ることにした。

気がついたら、テレビをつけたまま眠っていた。

私とテレビの間に、カンガルーが立っている……!!

と思ったら、

タイツをはいた千昌夫だった。

「タイツをはいた 千昌夫
イタチのふりした マンドリン

ソレヤ ソイヤ
ソイヤ ソラレ

空豆食べて スッパマン
鯨の肉は おはようクジラ

ああ 玄界灘に 蓮の花 咲いた」

石原さとみ「第一回は、村上春樹路線ですね」
私「そう! そのとおり。よくわかったね」
石原さとみ「これはもう載せる前から大人気決定ですね」

その後、私は身辺雑記エッセイの第一人者としてノーベルヴァーチャルセックス賞を受賞。

そのトロフィーは、今でも私の目の前にある。

そう、オスカー像の、隣に。
(了)

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・「スティール・ボール・ラン」(12)~(19) 荒木飛呂彦(2007~2009、集英社)

Sbr
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おもしろ~
おもしろ~
おもしろ~

だいとうりょうの のうりょくは 例によって わかりにくいが……。

1~11巻の感想

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【ポエム】・「花嫁は523歳」

こんにちは、調剤薬局太郎です。

今日は、行きつけの隠れ家的BARへ行きました。

名前は「なぎらぴょん吉」。

でも、BARかと思って行ったら、なにやら
空き地の真ん中にブヨブヨした
巨大なゼリーのようなものがあり、
その中で人間たちが上へ行ったり下へ行ったりして
あがいていました。

「これもBARの一種なのかな?」

とも思いましたが、思いましたが……。

思いました牙(が)

思いました我(が)

思いまし たが私の 脳髄は

今 プールサイドの君にくぎづけ

胎児よ 胎児 殿山泰司

父親の

こころが

わかって

おそろしいのか
(完)

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【イベント】・「新田五郎のぶっとびマンガ大作戦・出張版第3回~『80年代作家論』」

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※通常のテキストはこのエントリの下です。

イベントは土曜日のお昼からです 日曜日じゃないよ~間違えないでね!! 冬コミで配ったチラシ、曜日が間違っていたので!!

 さまざまなマンガを紹介するイベント第三回は、なにかと賛否両論な時代、現在に連なるオタクやサブカルを育てた「80年代」のマンガ家にスポットを当てます。80年代という時代を通じ、マンガ家は何を描き、どう変化していったのか? 著書「二次元美少女論オタクの女神創造史」やコミケカタログの記事を執筆した吉田正高氏をゲスト にお迎えし、その真相(?)にせまります。

出演:新田五郎
ゲスト:吉田正高氏(東北芸術工科大学准教授、コンテンツ文化史学会会長)

日時:平成22年1月16日(土)
Open13:50/Start14:10
#昼イベントです
場所:ムーブ町屋 ハイビジョンルーム

荒川区荒川7-50-9センターまちや
地下鉄千代田線・町屋駅0番出口より徒歩1分
京成線・町屋駅より 徒歩1分
都電町屋駅より 徒歩1分
料金:¥2,000(当日券のみ)

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【イベント】・ 「面白漫画倶楽部8 増刊号!ザ☆ゼロ年代マンガ」

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1/15(金)@ネイキッドロフト
「面白漫画倶楽部8 増刊号!ザ☆ゼロ年代マンガ」
2000~2009年までの十年間、いわゆるディケイド。
世界的には9.11テロから中東戦争、国内では出口の見えない未曾有の不況から政権交代。
『ゆとり世代』が出現し、世の中は大きく変わった・・・。

では、マンガ界はどうだろう?
奇作・傑作・怪作・変作・怪奇・エロ・ぶっ飛び・海外ほか、様々なマンガを生暖かく見守ってきた面白漫画メンバーが、この十年のマンガ界を勝手に総括します!

※注意・ゼロ年代に乗れなかったオッサンたちのゼロ年代マンガ論になる可能性があります。

【出演】
バッドガイナベ、かに三匹、鶴岡法斎、新田五郎、江戸栖方、
KRONOS(SFC Crash and Burn)、成田優介(JJポリマー)、他
OPEN 18:30 / START 19:30
予約¥1000 / 当日¥1200

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・「餓狼伝」(24) 板垣恵介(2009、講談社)

Garoden24
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鞍馬彦一の、「もうこのかませ犬キャラ、イラナイなぁ~」って感じの退場の仕方はひどすぎるだろう。また、丹波の「強さ」の理由も、今までの丹波以外のキャラの強さの理由を突き詰めすぎたため、変なことになってる。
これは、前の巻での松尾象山の超人的な描き方に感じる違和感と同じ。

20~23巻の感想

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・「勝海舟」 辻真先、石川賢(2009、小池書院)

Katsu
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1974年、別冊少年チャンピオン連載。
勝海舟の生涯を追った伝記マンガ。辻真先の脚本はさすがに練れている。

「ゲッターロボ」当時の絵柄で描かれる石川賢の幕末にはワクワクするぜ!!

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・「らぶ・シミュレーション」全1巻 矢野健太郎(1988、小学館)

Loves
こっちに書きました。

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・「ちょっとカクシタ」全2巻 矢野健太郎(1997~98、リイド社)

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【書籍】・「いんちきおもちゃ大図鑑―中国・香港・台湾・韓国のアヤシイ玩具」 いんちき番長、加藤アングラ(2009、社会評論社)

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アジア圏の国で売られているパチモノ玩具について、膨大な写真とともに解説した本。
中国、台湾、香港、韓国などのパチモノ玩具を紹介する、という企画自体は昔からあるが、この本の著者の知識はハンパではない。
胴体だけパクったとか、そういうのは正統な玩具の知識がないと特定できないわけで。

刊行されて時間が経っているので今さらなのだが、むちゃくちゃに面白いです。
すごいもんを見せてもらいました。

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・「V ビジター」(上)(下) 監修:永井豪、画:安田タツ夫(1989、勁文社)

V
製作総指揮:ケネス・ジョンソン、ダニエル・H・ブラット、ロバート・シンガー
脚本:ケネス・ジョンソン
……というスタッフにより、80年代前半につくられたアメリカのSFテレビドラマの、コミカライズ。
日本では87年頃、放送されたらしい。
あらすじは、宇宙からやってきた爬虫類型エイリアンと地球人が戦う、というもの。記憶だけで書くと、レンタルビデオ店の隆盛に合わせてこの「V」のビデオも並び、主に「人間が爬虫類型エイリアンの子供を妊娠する」などのグロテスクな描写の宣伝で盛り上げていた。
現在の「24」的な商法のハシリかもしれん。

内容に関しては当時からまったく興味が持てず、私は観ていない。

この安田タツ夫によるコミカライズも、原作を読んだ人が内容を思い出させるためのものであるらしく、端折りが多くて読んでいても内容がつかみにくい。安田タツ夫やダイナミックプロのファン以外の人が、無理して古書店などで購入する必要はないと思う。

さて、「V」、当時から「何でこんなものがアメリカで流行ったのか」と首をかしげていたのだが、エイリアン・アブダクションなどのアメリカの「UFO神話」の存在を念頭に置くと理解できる部分もある。
まず「爬虫類型エイリアン」は、昔から都市伝説としてアメリカ人にはなじみのあるものらしい。アメリカ人ではなくイギリス人だが、爬虫類型エイリアンによる陰謀本を書いている作家もいるほどで、それを太田竜が訳していたというのも一部では有名な話である。

また、「異星人の子を妊娠」というのも、エイリアン・アブダクションではよく見られる傾向で、「V」が、アメリカ人、あるいは欧米人の心に根差す何かにしたがってつくられていたのであれば、逆に日本人が理解できないのも当然かな、という気がする(逆に言えば、アメリカ人が「貞子」の恐さを正しく認識できるのか、というようなことでもある)。

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・「スミレ17歳!!」全2巻 吉永たける(2006、講談社)

Sumire17
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ある日、等身大の女子高生人形「四谷スミレ」を腹話術で操り、女子高生として生活し始める謎のオヤジが起こす騒動を描いたギャグマンガ。

今さらこんなことを言うのもなんだが、めちゃくちゃに面白い。
こういう、硬直化した日常をトリックスターがブチ壊す話は大好きだ。若い先鋭的な世代は「存在するわけもないトリックスターを想定して学校化社会の厳しさから目をそらしている」なんて批判するかもしれないが、むちゃくちゃなものが存在するかしないかは、その人の心次第だからね。

「どれだけ非情になれるか」っていう「非情合戦」なら、いちばんひどい目にあったのは現在、生きている日本人なら太平洋戦争経験者なわけでしょ。彼らが沈黙するのを待って、後から言いたい放題言うんじゃちょっと情けないもんねえ。
と、自分にしかわからない結びでこのエントリはおしまい。

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【映画ベストテン】・「2009年、私的映画ベストテン」

すっかり年も明けたけど、ま、お遊び的に(っていうかお遊び以外に何があるんだっつー話だが)やってみたい。
なお、私は決して誠実な映画ファンではない。私にとって、もっとも現実逃避感覚が高いのが映画。現実がイヤなとき、映画を観ている。
それと、あんまり業界の将来とか監督の将来とかも考えてません。

なお、繰り返し断っておくが当然私的なランキングですのでよろしく。

1位「グラントリノ」
自分が最も興味があるのは「フィクションの中でヒーローはどのように描かれていくのか?」ということ。
本作は、元「ダーティ・ハリー」だった男がどのように生きていくか、すなわち「古き良きアメリカの男」が、老いて時代の変化の中でどのようにおとしまえを付けるか、ということがテーマだったと思う。
しかも、たぶん現実の時代の変化とリンクしているので、鑑賞後の印象がブ厚い。

2位「ウォッチメン」
私にとっては「グラントリノ」と、「ヒーロー自身のおとしまえ」という点でこの映画とは共通している。
原作コミックありき、というような感じは否めないが、とにかくコミックより先に観てしまったのでその衝撃度はすごかった。
アメリカのスーパーヒーローの限界点を突きつけつつ、なおも前に進もうとする姿勢が見られたのが本当にすばらしい。しかもそれが、ただの開き直りになっていないところがいい。開き直るだけの作品も嫌いじゃないんだけどね。

3位「狼の死刑宣告」
家族を殺された男の復讐劇であり、ヒーローになろうとして結局犯罪者になってしまった男の末路を描いた作品とも言える。単なる復讐してザマーミロってんじゃなく、ラストにきっちり苦みを残している。

1位から3位、共通して言えるのは、現在ヒーローものを描こうとしたら懐古趣味か、懐古趣味にセルフツッコミを入れつつのパロディがいちばんやりやすいにも関わらず、そこを回避して新しい着地点を求めたところ。
ニヤニヤして「ヒーローなんて、いないんですよ」などときどったカフェで語るおしゃれめがねのやつをブッ飛ばす、苦いけど気持ちい作品たちだった。

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・「テルマエ・ロマエ」(1) ヤマザキマリ(2009、エンターブレイン)

Terumaeromae
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コミックビーム掲載。
古代ローマの浴場設計技師・ルシウスが、毎回、風呂に浸かっていると現代の風呂……銭湯、露天風呂、個人の風呂、ショウルームなどにタイムスリップ。現代日本の風呂技術に驚嘆しつつ、帰還後に古代ローマで見聞きした風呂技術を反映させようとする。

今さらこんなことを言うのもなんだが、むちゃくちゃに面白い。とにかくヒマで仕方ない人は、680円出して本作を買うといい。

なお、本作の面白さは、現代の日本の風呂文化と古代ローマのそれが似ている、あるいは親和性があるという発想にあることは間違いない。が、ルシウスの技術者としての謙虚さ、探究心、彼を屈託なく受け入れる、風呂でいい塩梅のおっさんおばちゃんたちのキャラクターがあるからこそ、であると思う。

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・「メビウスジャンパー」(1)~(2) 小野寺浩二(2009、メディアファクトリー)

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めがねっ娘大好きなめがね萌えの南雲博士が、タイムマシンを発明してめがねの歴史を見ていく。

小野寺浩二は一発ネタで一点突破するのがすごくうまい(本作の場合は「めがね」)。それと、どんなに萌えだの二次元大好きだの描いても、どこかにつきぬけた清涼感がある。

たとえば、顕微鏡の発明者として名前だけしか漠然と知られていないレーウェンフックや、マルチな才能を発揮したわりには日本での知名度がいまひとつのロジャー・ベーコンがとても活き活きと描かれているのだった。
そういうところが、好きだ。

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・「オバケのQ太郎」(3) 藤子・F・不二雄大全集(2009、小学館)

Obaq03
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正ちゃん「コロッケ組の親分をやっつけよう。」
Qちゃん「やっちゃえ。」
映画監督「どうもセリフが子どもっぽい。」

「ぼくは映画スター」より。

全集の第3巻。
「オバQ」は、実際に子供にできるかもしれない、と思わせる遊びがあるのが「ドラえもん」との違い。
たとえば、貝殻をお金代わりにして買い物ごっこをする「百万長者」、がんばれば本当につくれる反射幻灯機の上映会をする「Qちゃんロードショー」、これは実際にはできないが、空を飛べるQちゃんを利用して月ロケットを作成する「日本人月に立つ」などね。
地下に地上とそっくり同じ町があるという「ぼくらのゴーストタウン」は、SFではないけどかぎりなく藤子Fっぽい話ではあるね(本当に藤子Fがストーリーを考えたのかはわからないけど)。

「オバQ一家せいぞろい」、「ようこそオバケの国へ」は、オバQのバックボーンとなる世界観が語られる重要エピソード。とくに「オバケの国」は、私が読んだことのある、70年代に出た旧オバQの単行本には入っていなかったと記憶するので感慨深い。
この「ようこそオバケの国へ」によると、かつては地上に人間族とオバケ族がいたが、オバケはうそをついたり人をきずつけたりすることができず、人間との生存競争に負けて雲の上に逃げ出してしまった、ということになっている。

「人間族がオバケ、妖怪のたぐいを駆逐してしまった」というのは、墓場鬼太郎の人間と幽霊族との関係を思い出させるものがある。
昭和三十年代は、いろんな古いものが失われていく過程をだれもが目の当たりにする時代だったのかもしれない。

2巻の感想

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・「オバケのQ太郎」(2) 藤子・F・不二雄大全集(2009、小学館)

Obaq02
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「でもさびしくないの。」
「わしは王さまだ。それくらいがまんできなくてどうする。」

「ネプチャ王子」より。

全集の第2巻。
オバQが異国の王様に「死んだ息子ソックリ!」と言われて騒動が起こる「ネプチャ王子」、その続編「ナイババと四人の盗賊」、私が子供の頃読んで大好きだった、お金をいくらでも使っていいことになる「むだづかいしよう」、作者の8ミリ好きがわかる「8ミリ超大作」、結婚しておおっぴらにラーメンが食べられなくなった小池さんにラーメンを食べさせようとする「あこがれのラーメン」、人情でホロリとさせる「うそつきはだれだ」、平家の落ち武者が現代社会に現れる「ゆうれい村」などが印象的。

まとめて読むと、いかに毎回の趣向をこらしていたかがわかる。
前から思っていたが、おそらく石森章太郎が描いているであろうサブキャラの魅力も、旧オバQでは大いに貢献している。

1巻の感想

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