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・「原始少年リュウ」全3巻 石森章太郎(1972~1973、秋田書店)

1971年頃に、週刊少年チャンピオン連載。
けっこう有名な過去作品を読むシリーズ。
はるかな古代、生まれつきの肌の白さからうとまれてきた原始人のリュウが、母を求めて旅をするが実は……という話。

アニメ化もされ、私の世代的にそれを観ていてもおかしくないのだが再放送のめぐり合わせが悪かったのかまったく記憶にない。
さらに、原始人モノに子供の頃からとくに興味がなかった(キングコング、ターザンなども同じ)ので、後で観ようとも思わなかったのだった。

さて、ストーリーはけっこう面白い。

なにせ「人間と恐竜が共存する世界」、「類人猿が人間の子供を育てる世界」が、この時期にはもはやマンガタッチではない石森の絵柄で描かれるのだ。これは「SF的に何かある」と思っても仕方がないだろう。

キャラクターも面白い。集団のリーダーになることを夢見る権力欲の強いタカ、その兄で「りゅうの王」と呼ばれるティラノサウルスを、たった一人で殺すことだけを目的に生きるキバなど、なかなか敵か味方かわからないので読者を引き込んでいく。
キバは「白鯨」のエイハブ船長の「恐竜版」ともいうべき男で、かなりなセンス・オブ・ワンダー的存在である。

ただし、フィクションとして「どこまでがアリで、どこまでがナシ」なのかが非常にわかりにくいという難点はある。
とにかく恐竜の存在が、いちばんわけがわからない。「ほのぼのレイク」じゃないんだから。
アニメ版では、SF的結末を描かずに最後まで「原始人もの」として製作したらしいが、すると「人間と恐竜が共存する世界」をこんなリアルタッチで描いていたということ? 謎。

原作では、1巻を読んだかぎりでは想像もつかないSF的ラストが待っているのだが、さらに驚くのは大筋には説明をつけているが、サマツな部分がかなりおいてきぼりになっているということである。

なお、本作はSF作品「リュウの道」の続編として位置づけられているということだ。

3巻には以下の作品を収録。

・「原始少年サラン」
1966年、 「小学六年生」掲載。これが「原始少年リュウ」の原型らしい。SF的オチはなし。唐突に終わる。

・「おわりからはじまる物語」
1967年、「赤旗日曜版」連載。ある日、サブロウたち子供たちが目覚めると150年後の未来になっていた。放射能によって文明は壊滅していた……という話。
驚くべきことに、コレも伏線がきちんと回収されてない!! 作者が忙しさにかまけてわけがわからなくなってしまったとしか思えない。

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