【アニメ映画】・「サマーウォーズ」
監督:細田守、脚本:奥寺佐渡子
いやーものすごく面白かった。一食抜いても観に行った方がいいと思います。
私個人の鑑賞ポイントは、「親戚同士」というか「大家族的な集団」を、2009年にどう描くかにあった。
悪い意味でノスタルジーに走ったり、逆に個人主義的観点から存在しない大家族を描いたり、そういうことはいっさいなく、とにかく「そこにいる人たち」としての存在感で押しきっていく、そういうところが実に頼もしかった。
細田監督は、仲間や地縁・血縁や、逆にそこから離れていこうとしている者、「みんなといること」と「孤独であること」の振れ幅に敏感である人のように思う。そういうところが、本作が「仲間、連帯」の方に針が振れていても安心して見られる一因であるのだろう。
以下はまあ、読んでも読まなくてもいい話。
「家族が自分たちを守る」ということと「世界を救おうとする」ということには、どんな状況でもある地点でぜったいに乖離が生ずる。これは普通にどう考えてもそうで、「仲間でも何でもない人同士が、当人のあずかり知らぬところで関わっている」のが近代社会である、とも言える。
70年代以降、エンターテインメントの世界では「個人主義」と「家族的連帯」が、たいていの場合結びつかないままにそれぞれがユートピアとして描かれることが多くなった。もっとも、60~70年代、世界を一枚岩として把握できると感じたこと自体が間違いだったのかもしれないのだが。
(ちなみに、両者を結びつけるのがときおり「恋愛」という要素なのである。)
本作では「家族の連帯」が「世界の連帯」にまで果たして至れるのか、というところを実にうまく、映画的快楽として描いているのでそこら辺に注目して観ると……まあ私はいいと思うな(そこが本作のテーマというわけでもないんだけどね)。
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