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【雑記】・「暗澹たる気持ち」

若者アート集団「チンポム」、物議を醸した「広島」作品展-ナディッフ(シブヤ経済新聞)
個人的には 「Chim↑Pom」の方法論と背景にある理念にはかなり疑問を持っているが、それよりも暗澹たる気持ちにさせられるのは、それに対する外部の批判の方法だ。

「ただ鬼面、人を驚かす、ということを何の積み上げもなしにやっているのではないか」という批判は、もうすでに現代アートには何の実効性もないだろう。
何しろマルセル・デュシャンが「泉」をつくったのが1917年のことだというんだから。

今まで、自分は十数年にわたって、この手の投げっぱなしの批判を我慢して受け入れてきた。が、もう我慢しなくていいような気がしてきた。

・その1 現代アートと一般人との温度差について
その前に、繰り返し起こる現代アートと一般人との温度差について言及しておこう。
我々は、無意識のうちにエンターテインメント鑑賞において知識の積み上げを行っている。たとえば実写映画におけるCGの変化に瞠目し、やがて「CGがあればいいってもんじゃない」と思うようになり、あるいはまた「やっぱりCGってスゲエな」と思ったりもする。

いわゆる「目が肥える」というヤツである。

ところが、こと現代アートにおいては、それがまったくと言っていいほど行われていない。
現代アートなんて一部の人間しか観ないんだから当然といえば当然なのだが、それにしても、ハイ・カルチャー(現代アートがハイ・カルチャーと呼べるかどうかわからんが、「芸術」の範疇に入るとしたらそうなる)と言われるものの中でも格段に一般人のコンセンサスが得られていないと言えるだろう。

一方で、ゴッホ、ルノアール、ミュシャ、ラッセン、山下清など、普通の人でもなんとなく「いいな」と思うモノもある。

この乖離が、あまりに激しすぎるのである。

むろん、どんな表現ジャンルにも「一般人の無理解」というのはあるが、狭義の「芸術」が、ときには国主導で、税金を使っていろいろ行われる以上、私は現状よりもう少しは、現代アートの人間に一般人を啓蒙する必要があると思う。

この間テレビで、お笑い芸人の「はなわ」に関して芸人のだれかがこんな話をしていた。
はなわは車を運転しているときに、タクシーを止めようと手をあげている人のところにわざわざ車で寄って行って、「まぎらわしいから、やめていただけます?」とだけ言って去る、といういたずらを繰り返しおこなっているというのだ。
このいたずらがただの「いたずら」で、他のアーティストのやるハプニングやパフォーマンスがなぜ「芸術」なのかを、(アーティスト内では理解が得られているとしても)やはり外部に説明する必要があると、私は思う。

・その2 現代アートと一般人との温度差について2
次に、受け手の問題である。
別にそこら辺の、なんも考えてないミーちゃんハーちゃんならともかく、ある程度本を読み、知識のある人間についてのことだが。
なんだか、自分の知っている分野にはことさらに外部に対して厳密さを強要し、かといって自分の知らない世界に対してはどんなに脊髄反射的に適当なことを言ってもいい、という風潮になってしまった。
これは広義のサブカルチャー、「オタク文化」がまがりなりにも認められて、それまでガラクタとして価値を認められなかった周辺文化の研究・調査が進むにつれて、かえって広まった印象がある。

広義のサブカル化の一般化、大衆化以前。具体的には80年代後半より少し前くらいまで、現代アートも、アニメのスタッフの名前も、スター・ウォーズに出てくる兵器も、アイドル歌謡も、ゆるキャラも、「そんなの興味ない人」にとってはどれも均等に「どうでもいいこと」だった。
少なくともその中では、横尾忠則とか岡本太郎あたりまではまだ、現代アートが「いちおう教養として知っておくべき」存在だったと思うが、それが現在では状況が逆転してしまっている。

オタク・サブカル系のファンは一般的にルサンチマンを持っていることが多いと思うが、ならばこそ、他ジャンルに対して適当な発言は慎みたいものだと思う。

要するに、やる側も観る側(見せられる側)も勉強が必要なのではないか。またてのひらを返すようで申し訳ないが、少なくとも現代アートの人間は、さも自分がやっていることがまっさらで新しいことであるような顔をするのは、やめた方がいいと思うよ。

最後に川勝正幸が言っていた「趣味のいいバッドテイスト」という言葉の重要性と、「社会風刺は何をもって有効とするか?」というバランス感覚について考えてみよう、と問題提議して本稿を終わりとしたい。

えらそうな書き方してスイマセン。

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