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・「UFО機密ファイル完全版」 監修:矢追純一(2008、竹書房)

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コンビニコミック。何年か前に出た二冊の「UFО機密ファイル」を、たぶんまとめたもの。

例によってロズウェル事件、エイリアン・アブダクション、MJ-12などについて、矢追純一の著作を参考にマンガ化されている。
彼のつくるものはデータ的にいいかげんなものが多いと言われているので、その辺のツッコミは「と学会年鑑」のどれかなど(どれかは忘れてしまった!)を参考にしてください。

さて、巻末には「人々に夜空を見上げさせた男・矢追純一物語」が載っている。ここでは「人々に空を見上げさせたかった」ということが、彼がUFО番組をつくるきっかけとなったということになっている。

ウィキペディアを読んでも、矢追純一がUFО番組をつくるきっかけになったできごとはさまざまで正直アテにならない。
が、作中での、「ドラマ制作時代、大家族のホームドラマが全盛の頃に家族崩壊のドラマばかりつくり視聴率が取れなかった」、「村八分にあって一家無理心中した男の事件から日本人の視野狭窄を感じる」というエピソードは、物語として興味深い。

70年代の未来志向が、そういったところに見える気がするので。70年代に新しいものを志向していた人は、似たようなことを考えていたと思う。家族(とくに大家族)は、当時のリアリティの問題として、信じるに足るものではなくなりつつあったのだ。

もちろん、それが矢追純一がUFО番組をつくることになった真のきっかけではない可能性も強いわけだが、「UFО研究家」としてはすこぶる評判がよくない彼の、テレビディレクター、クリエーターとしての役割というか、「作家論的な考察」はまだまだ進んでいないと思うのである。

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