・「トリコ」(1)~(3) 島袋光年(2008~2009、集英社)
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週刊少年ジャンプ連載。
ファンタジー的な世界で、捕獲がむずかしい食材を取って来ることが仕事の「美食屋」トリコが、普通人(でも料理人としては一流)の小松とともに、未知の世界を冒険する。
非常に面白い点を、箇条書き。
・架空の動物、植物などの食材を、本当に美味そうに描写するという高度にファンタジーな表現テクニック
・少年ジャンプで「怪獣モノ」がヒット作として生まれるか? というワクワク
・ジャンプはあくまでもバトルものを続けるのか、という期待と不安
最初のはよく言われていることだろう。コレが本作最大のウリである。
次のは、未知動物たちの怪獣的たたずまいがすごカッコいいからである。
もともと、マンガというジャンルにおいて「怪獣」は二次的なジャンルだと思う。もともと、映画の迫力を最大限の利点として発達したジャンルだと思うからね。
巨大ロボットもの、リアルロボットもののように、「マンガでやる」必然性が今ひとつ希薄なのが怪獣モノなのだ。
だが、もしかしたら、「おもしろい怪獣がたくさん出てくる」作品になるかもしれない。
三番目のは、本誌を読んでないのでどういう展開になるのかわからないが、私自身はジャンプ的バトルものはそろそろ時代に合わなくなってきているんじゃないかと思う、ということである。
だから、あくまでも「伝統的」なジャンプバトルを選択するとしたら(本作にかぎったことではないのだが)、ジャンプは常に革新性を維持してきた雑誌ではなく、伝統芸というか、ある種「ベタ」をかたくなに守り続ける雑誌、ということになる。
90年代からそういう一面もあったかもしれないが、2005年あたりでまた時代がひと周りしてきている感があるので、二段階、時代と離れてしまうことに……いや、最近のジャンプあんまり知らないからいいかげんなことを書くのやめよう。
まあ、私はいろんな意味でジャンプを信用してますけどね。
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