【ポエム】・「ざるそば体操! 1、2、3」
ブルドッグとプルトップを間違えたことで
刑務所の独居房に入れられた男がいた
男の頭の中は、ずっとブルドッグとプルトップのことで占められていた
いったいどこが違うんだ!?
似たようなものじゃないか!?
隣の部屋から
ずっとモーターの作動音のようなものがすると思ったら、
それは支給された雑誌の、
裏表紙の広告だった。
音と絵の区別もつかなくなってしまったのか、オレは!?
うろたえて、寝返りをうとうとしたが、動けない。
金縛りだ。
「金縛りだ……」
そういう自覚だけがあるが、いつの間にか指一本動かせなくなっていた。
動け……動け……
そう心の中で唱える。
動け……動け……
電子……レンジ……
電子……レンジ……で焼きイモをつくる……裏技……
(10分経過)
原子核の周りを、電子が回っている図案のTシャツを着た女の子を、
中学のときに好きになった。
でも彼女は、どういうわけかVHSのテープを3回以上巻き戻したせいで、
転校してしまった。
VHSのテープを3回以上巻き戻すと、人が消える。
ブルドッグも消えた。
ブルドッグは、絶滅種だ。
いや、ああいうのは「種」とは言わないのか。
じゃあなんだ。
ポテトチップか。
ポテトチッピーか。
ポテトチッピー無限大か。
ポテトチッピー無限大、
ぼくのお腹は腹ペコだい
そんなCMソングがあったな
ポテトチッピーは、天井を上から必死で吊っている妖精だ
そう学校で教わった
ではプルトップは!?
プルトップはどこにある!?
そうだ、友達にいたずらされて、
タイムカプセルの中に入れられてしまったのだった。
「もう埋めちゃったから、あきらめなさい」
女の先生が、そう言った。
「新しいのを買ってあげるから」
冗談じゃない、プルトップは職人が一人ひとり、たんせいこめてつくるんだ
時給750円くらいで。
僕は先生に泣いてうったえた。
聞き入れてもらえなかった。
そういえば、あの先生も、原子核の周りを電子が回る図案のTシャツを
着ていたっけ。
ポテトチッピー無限大、
ぼくのお腹は腹ペコだい
そうだ、本を読もう。
本を読めるように、申請しよう。
いや、
やっぱり、
やめよう。
(やめたことによって、動くこともあるのではないか。
そう考えたが、その考えは正しいとも言えたし、間違っているとも言えた。
それは、そのような問いが、クイズ番組で出題されたことがないことから類推できる。
簡単な推理だよワトソンくん。)
ワトソン、
ざるそばをすする手を止めて、
「は!?」
(完)
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