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2008年12月

【ポエム】・「一杯のへぎそば」

今日は大晦日。
マッチ売りの少女は、寒い冬の夜も、マッチを売り続けます。

マッチはいかがですか……
マッチはいかがですか……

向こうから恰幅のいい紳士が歩いてきます。

飛脚も歩いてきます。

ASIMOも歩いてきます。

ピョンピョンピョンラーも歩いてきます。

プポップ戦士・ゴルゴンゾーピャーも歩いてきます。

石も歩いてきます。

馬も歩いてきます。

牛も歩いてきます。

そして、カットが切り替わり、
イカスフュージョンのメロディに乗せて、
スカイダイビングの映像が流される!!

スカイダイビング
サーフィン
スケボー

といったスポーツのハイライトシーンが、フュージョンのメロディに乗せて流されるのだ。

昔、F1のプリントされたカンペンケース買ったけど、どこ行ったかな……。

そんな物思いにもふけってしまう。

通信カラオケで、間違えて入れてしまった曲を消して、
あらたな曲を入れる瞬間の、変な間。

「そのようなことを、大切にしていきたいと思うんですね」

にこやかに語る三田佳子。

三田佳子も歩いてきます。

「メグミルクって……ご存知ですか?」

吉永小百合もやってきました。

マッチ売りの少女は、「どうしてこんなバラエティに富んだメンツが、一方向から歩いてくるのだろう?
そして、どこへ行くのだろう?」
と、疑問に思いました。

マッチ売りの少女は、そっと彼らの後を付けました。

街のはずれに、アパートがありました。
そこに、
紳士も、
プッピョポプピョポーも、
へぎそばも、
パイペンピョンも、

吸い込まれていきます。

「先生。ここで目が覚めたんです。何かの予知夢でしょうか?」
「疲れてますね。カキニクエキスを処方しておきますので。」

「へぎそばは?」
「は?」
「ですから、へぎそばは?」
「なんですって?」
「いえ、何でもありません。」

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【ポエム】・「イヌ派、ネコ派、ハンガー派」

むかしむかしあるところに、

おじいさんと、知り合いのおじいさんが二人で住んでいました。

一方のおじいさんは山へ芝刈りに、

もう一方のおじいさんは、
ドラフト一位で指名されることを待ちわびるだけの生活でした。

ある日、山へ芝刈りに行ったおじいさんが、川で洗濯していると、

川のきらめきを眺めているうちに、

なんともいえない虚しさにおそわれることになった。

そのうち、おじいさんの身体は、

半透明のゼリーになっていったのでした。

(完)

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【イベント】・「最後のおねがいにまいりました」

冬コミ、「WAIWAIスタジオ」は、30日(火)、西地区 "て" ブロック 10bに参加予定。
新刊できました!!

・「ぶっとびマンガ大作戦Vol.12」

今回、後半はちょっとマジメな感じになってます。頒価、400円。
よく考えたら、まだ現物観てないんだよな……恐怖。

他にも、

と学会誌(委託)
・「80年代アニメを観てください!(体験版)」(評論系)(委託)

それと、
・「新田五郎ポエム集」

「ポエム集」は、ほんのちょっとしか持って行かないつもり。

ではよろしく。

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【お笑い】・「テレビお笑い論における長年の錯誤を正す会」

「M-1」はお笑い芸人を本気で育てる気があるのか(日刊ゲンダイ)

「最近のテレビがつまらなくなったのは、芸人をたくさん集めてバカ騒ぎするようなバラエティーが増えたからです。これでは、テレビ受けする“使い捨て芸人 ”が増えるだけ。『M―1』がその片棒を担いでいるとなれば、本末転倒ですよ。かつては、『花王名人劇場』のような“芸”をしっかりと見せる番組がいくつかあって、そこから数多くの人気芸人が生まれました。しかし、せっかく漫才の実力があっても、お手軽なバラエティーしかない状況では本物の芸人は育ちません。テレビ局はきちんと芸を見せる漫才番組を作るところまで考えないと、自分たちの首を絞めるだけですよ」

出た! こういうベタな(なおかつ無意味な)こと言ってギャラもらえるなら、変わりたいよ。
(引用は私が恣意的に行った一部なので、興味のある方は文章全体を読んでください。)

「芸人をたくさん集めてバカ騒ぎするような番組」は、私の記憶からでも70年代からあります。
今に始まったことではない。
M-1グランプリが、芸人育成のためになっているかどうかを論議する場合、M-1自体が始まって数年しか経ってないのだから、「芸人を集めてバカ騒ぎする番組が増えている」ことは、まったく理由になっていない(たぶん、増えていないと思うし)。

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【イベント】・「面白漫画倶楽部6~漫画と食欲~」

2009年1月24日(土) 新宿ロフトプラスワン
面白漫画倶楽部6~漫画と食欲~
12:00開場、12:30開演
チャージ1000円+1ドリンク

出演
【MC】バッドガイナベ(バカ映像伍虎将軍)、かに三匹(かに温泉)
【Guest】鶴岡法斎(漫画原作者)、新田五郎(ふぬけ共和国)、江戸栖方(オタク・ルネッサンス主催)、KRONOS(SFC Crash and Burn)、成田優介(JJポリマー)、他交渉中

俺たちは漫画が大好きだ!
『漫画が著しく好き』な漫キチたちが、休日の昼間から酒を飲みつつ漫画作品作者への愛を語るイベント『面白漫画倶楽部』。
昨年一年間は、メンバーそれぞれが特に思い入れのあるジャンルに特化したスピンオフイベントを開催。密かに腕を磨いていた彼らが、久々の本編開催で大集合!
第6回目となる今回のテーマは、【漫画と食】。
読んでるだけでヨダレが止まらなくなる絶品グルメ漫画から、「もう二度と〇〇は食べられないよう…」と言わせるようなトラウマ漫画まで、幅広く紹介する予定!
珍作・奇作・傑作・怪作・変作・怪奇・エロ・ぶっ飛び・海外ほか、もう『食』というテーマを根底から覆しかねないような作品すら飛び出すかもしれません!

漫画知識と漫画愛に溢れるメンバーたちが引っ張り出してくる珠玉の漫画作品群は、あなたの心に確実に楔を打ち込むことになるでしょう!

『思えば、大事な事はいつも漫画に教えてもらった…。』という気がするみなさん、1/24はお腹を空かせてプラスワンに集合!朝メシは抜いて!

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【イベント】・「冬コミ出るよ!!」

冬コミ、「WAIWAIスタジオ」は、30日(火)、西地区 "て" ブロック 10bに参加予定。
新刊できました!!

・「ぶっとびマンガ大作戦Vol.12」

今回、後半はちょっとマジメな感じになってます。頒価、400円。

他にも、

と学会誌(委託)
・「80年代アニメを観てください!(体験版)」(評論系)(委託)

それと、
・「新田五郎ポエム集」

「ポエム集」は、ほんのちょっとしか持って行かないつもり。

ではよろしく。

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【イベント】・「映像温泉芸社プレゼンツ 「伊勢田大博覧会3」 ~天元突破!冬休みまんがまつり~」

公式ページ

アニメ・特撮業界がうっかり青田買い!原作、作画、撮影、音楽、さらに声優(男女問わず!)までこなす孤高のクリエイター伊勢田勝行監督の「超絶」自主制作アニメ&特撮作品を一気上映!
前回8月に伊勢田監督&声優オールスターズ出演により異常な盛り上がりをみせたこの上映イベント早くも第三弾、今回も伊勢田監督の「心・技・体」を徹底解剖! 今年最後はアニメ最新作『でりばりんぐ』で伊勢田納め!

【公演日】 2008年12月29日(月)
【時 間】 open18:30 start19:30
【会 場】 LOFT/PLUS ONE
【出 演】 伊勢田勝行(アニメーター)酒徳ごうわく(人喰い映像作家) 他
      ゲスト:竹熊健太郎 他
【料 金】 ¥1,000(飲食代別)<当日券のみ>
      ◎来場者には「暮の元気な御挨拶」
      伊勢田グッズを抽選でプレゼント!
      ◎伊勢田監督作品のキャラクターコスプレした方は200円割引。
【お問合せ】 LOFT/PLUS ONE 03-3205-6864

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【雑記】・「自分の立ち位置を確認することと、どういう視点が有効かということ。」

ここ数日、いろいろとブログに書いたりボイスブログでしゃべったりしたが、けっきょく何が言いたいかというと、ものを書くときに、
「自分がどういう立場から発信したらいちばん有効か」
ということと、
「ものを観るときの視点の問題」
である。

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【お笑い】・「M-1グランプリ」

もう、昨年まではてなダイアリーでやっていたような、個々のコンビについて感想を書くのはやめました。
私は印象でしかお笑いを語れないことを、自分でかなり問題視しています。

たとえば、そのコンビが緊張していたかどうか? という単純な問題にしても、生放送の現場とテレビを観て写ったものを観る状態とでは、印象が違います。
それに対して、「緊張しているように見えた」と書くことに、意味があるとは思えなくなってきました。
どうせ、審査員の現場での印象がすべてでしょうからね。

それと、なるべく気をつけようと思っているんですが、ことM-1に関しては「ここが面白かった/面白くなかった」って書いても、しょうがない気がしてきたんですよね。

まあはっきり言って、そういうブログ上の感想が多すぎることへの絶望もあります。

以下に書こうと思っていること:

・上戸彩
・キングコング
・ザ・パンチ

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【映画】・「エグザイル/絆」

公式ページ

監督:ジョニー・トー

ボスの命を狙った男を殺せと命ぜられたのは、子供の頃から一緒だった仲間だった。
妻子を残して殺されざるを得ない彼のために、金を残してやりたいと危険な仕事に乗り出す仲間たちだったが……。

ほとんど予備知識なく観た。好きな人には申し訳ないが、物語に入っていけず四苦八苦。

あからさまに子供向けの作品ならまだ「そういうもんだ」と思えるんだけど、こういう広義のハードボイルドものの一部は、「大人なのに、あえてガキっぽい考え、行動に帰る」ということに相当な量のエクスキューズが仕込まれている。

自分には、それが鑑賞の際の大きな壁になっている。そういうエクスキューズが必要な理由が、頭では理解できるが心情的についてけない。

本当に好きな人には申し訳ないが、会社の上司が、飲み会で「ここは暴れていいだろう」という場面で確信的に暴れている光景などを連想してしまって……。
気持ちはわかるんだが、「ガキっぽくふるまって許されるにはこれだけのエクスキューズが必要なんだよ」というのは、「本当にガキっぽいもの」に対する線引きのようにも感じるし、逆に「言いわけすればいいんだ」っていうふうにも感じ取れてしまう。

自分が、(古い話ですが)内藤陳の「読まずに死ねるか!」のノリと、それが紹介する冒険小説にほとんど入っていけなかったのも似たような理由から。

なお、いくら拳銃ぶっ放してりゃいいプロットとは言え、粗雑すぎると思う。
撃たれた仲間を「非合法の医者」に運んで手術を受けさせていたら、さっきまで戦っていた敵が同じく治療目的に入ってきて……って、そりゃないだろう。

もっとも、カッコいいシーンはいくつもあったし、ジョニー・トー監督の映画は他のものも観てみるつもりだけどね。

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【映画】・「リダクテッド 真実の価値」

公式ページ

実際に起こったイラクでの、米兵による少女レイプ事件を題材に撮られたドキュメンタリー風フィクション。
映画監督志望の兵士による映像や、youtubeみたいなネット動画、さらに監視カメラの映像などを組み合わせて真実を浮かび上がらせる……みたいな内容だったけど、

正直、いろんな意味で辛かった。
いくらリアルにつくろうとしたからって、役者に演技させて、でも大半はインタビューなんだよ(刺激的なシーンもいくつかあるが)。

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【雑記】・「上の世代に対抗するには……」

ツッコミビリティへの反逆!(はなてダイアリー、メンタコ)

1年以上前のエントリだけど、たまたま目にしてしまったので思うところを書きます。

まず、確かに年上の人は「ゆとり乙」とか言いすぎだよね。ゆとり教育を受けてきたがゆえに、学力が低いというならわかるけど、趣味の世界に関してはまったく関係ないでしょうにね。
しかも、ゆとり教育を受けてきた人たちは受けたくて受けてきたわけじゃないんだから。

さらに、ゆとり教育ではない教育(って詰め込み教育のことか?)に関して言えば、自分たちは実際、そういう教育(詰め込み教育)を受けていたときにはギャーギャー言ってさ、不満もらしてさ、それで自分がオッサンになったら「ゆとり乙」じゃあさあ。そりゃ情けないよ。オッサン世代が。

でもま、言われる方も気にしないでいいと思いますよ。「ゆとりがどーの」なんて、単なる脊髄反射だからね。
テストの前の日に、「おれぜんぜん勉強してない」って言うのと同じようなものだから。

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【ポッドキャスト】・「『手数』から観た『エンタの神様』」

【第49回“手数”論】(東京ポッド許可局)

毎回、このポッドキャストのお笑い論は面白い。今回は「エンタの神様」と「M-1グランプリ」を比較し、「笑いどころの数(手数)」から、笑いどころの少ない「エンタの神様」の方をむしろ「テレビ的」だとするサンキュータツオの見解が目からウロコ。

昨今のショートネタブームも、M-1グランプリでウケやすい傾向も「笑いの手数の多さ」だとして共通点を指摘し、
手数は「漫才コント」においてはアンタッチャブル~サンドウィッチマンで限界に達し、「しゃべくり漫才」ではナイツが限界に達しているから、今後は増えないだろうと予測する。

その結果、ネタ番組は違う方向に行くのではないかという予想は、論理的かつスリリングです。

他にも、ここには書かないけど面白いことをたくさん言っていますよ。

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【音声】・「ふぬけ共和国ボイス」

ひさしぶりに、ボイスブログを復活。
心機一転、前にやっていたやつではなく、新たにブログを立ち上げました。

ふぬけ共和国ボイス

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・「コブラ」(18)(完結) 寺沢武一(1985、集英社)

やっと読み終わった「コブラ」(まあ、その後も続くけど)。

前の巻の続き。意外と言っては失礼だがなかなか面白い、ファンタジーというよりどっちかというとSF的なオチだった。で、そのままジャンプ誌上では完結(しているはず)。

「リターン コブラの巻」は、書きおろし。SF的趣向はほぼまったくなく、ひたすらにコブラのスーパーヒーロー性を讃える内容。アーマロイドレディも出てこないし。いつでも続きはできるよ、って感じで。

そして、巻末。ここまで手塚治虫以外は「イメージとしてのいい女」に感想を書いてもらっていたが、最終巻はだれになるのか……?

それは、

アシスタントの鹿田せい子さん!!(だれだ!? だれなんだ!?)

いや確かに、写真を観ると大人っぽい美人なんだけどね。どういう経緯での起用なのか……。
たぶん編集部でも評判の美人だったりなんかしたのだろう。

ちなみに、「鹿田せい子」で検索したらひとつは知り合いのHPでした。

友情・努力・勝利と私 '70年代ジャンプ・コミックス【巻末解説】の全貌を追え!

ホント、これら70年代のタレントによる解説、よくわからなかったよなぁ。
本人が書いているとはとても思えないものが多かったし。
それが、いつの間にか読者からのファンレターに変わり、
今ではそれもなくなった。

70~80年代ジャンプ、確かに神がかってすごい雑誌だったけど、
どこかにダサさ、泥臭さも残していて、この「巻末解説」はその泥臭さのひとつのように感じる。
まあ、機械的に単行本つくるよりもひと手間多くかかってるわけだけども。

あと、毎回のタイトルに「~の巻」って付けるのも、もう70年代からすでにダサいセンスだった。
今後は、そういう70~80年代ジャンプの、「泥臭いセンス」にも目を向けていくべきなのだろうな。

「コブラ」の話に戻すと、
そういうのとは裏腹に、寺沢武一のセンスの良さはすごすぎる。
というか、こういう作品と、鼻水とかキンタマとかが主体のギャグマンガ(もちろんそれがいいんだけど)が同居していたということ、そのものが奇跡だったんだね。

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【アニメ映画】・「WALL・E/ウォーリー」

公式ページ

監督:アンドリュー・スタントン

ゴミだらけで人類のいない未来の地球。一人ぼっちで黙々とゴミを片付け続けるロボット・ウォーリーのもとに、ある日宇宙船が降りて来る。

前半の「高層ビルのように、ロボットが積み上げた廃棄物だけから構成される世界」のイメージが強烈。SF的には見慣れた光景ですらあるが、ガラクタの質感や大気の何となくのホコリっぽさなどの表現がすごい。ウォーリーの、建機っぽい古臭さやガタ付き感も見事に表現されている。

プロット全体としては、人間サイドで悪人が一人も登場しないのが物足りない。ファミリー向けだから仕方ないのかな。
なお、ウォーリーと未来ロボット・イヴの関係性は「デキる女と愚直な男」のメタファーか。最近こんなんばっかりだね。まあいいけど。

ウォーリーよりもちっちゃい、おそうじロボットが出てくるのだがそれがすごくカワイイ。登場するロボットたちはみんなカワイイです。

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・「コブラ」(13)~(17) 寺沢武一(1983~1985、集英社)

第13巻:「マンドラドの巻」。ちょっとしたSF短編というおもむきでいいですね。
「黄金とダイヤの巻」。このエピソードに出てくる、「地面がまったいらの星なので足が車輪に変化したインディアン」というアイディアはスゴイと思う。しかしここまでロコツなインディアン描写は、現在ではたとえファンタジー作品でもできないのだろうな。
「ベドム水銀」という架空の物質でコブラがとんちを行うシーンがあるが、「とんちのために、わざわざ1回しか出さない架空の物質を出す」というのが果たしてとんちだろうか? と大いなる疑問にかられたのは私の遠い思い出。
「さまよえる美女の伝説の巻」。海底の財宝をめぐってどーたらこーたらする話。
第14巻:「『カゲロウ』山登りの巻」。その存在を疑うと、登っている最中でも消えてしまう山、というのが出てくる。これもいかにも日本の文系っぽい(本当にそうかどうか知らないが)昔のSF、って感じでいいです。
「六人の勇士の巻」。アーリマンの力を得たクリスタル・ボーイを倒すため、アフラ・マズダから選ばれた六人の勇士(自分も含めた)を探すためにコブラが旅をする。
第15巻:「その名はミスティーの巻」。前の巻の続き。
第16巻:「闇と光の対決の巻」。これで14巻から続く「六人の勇士」の話が完結。週刊少年ジャンプ連載の「コブラ」としては最長エピソード(後のを読んでないんだけど)。もともと、過去の古きよき、と言っていい洋画などからの直接・間接の引用が多かった「コブラ」だが、本作は、リアルタイムで読んでいてもとくべつ「ジャンプっぽいな」と思ったものだった。
当時、こういう仲間を集める話は他のジャンプ作品にもけっこうあった気がするし、どっちが先だか忘れたが「アーマロイド・レディを救出するため」というコブラの戦う理由が、「キン肉マン」の「身体をバラバラにされたミートくん」とカブるんだよね。イメージが。
また、このエピソードではコブラが過去を清算するとか、宿敵・クリスタル・ボーイとの決着を付けるといった意味でも、基本的に時間軸のアイマイな、断片的なエピソードの積み重ねである「コブラ」というシリーズの中にあっても重要だと言える。
というか、これで最終回でもよかったんだよね。あるいは逆に、こういうストーリー性を意識的に持ち込まないというのもアリだったかもしれないが、どちらにしろ当時のジャンプではこうせざるを得ない面は、あったと思う。
「地獄の十字軍の巻」。胸に時限爆発式の弾丸を埋め込まれたコブラが、犯人を探すために傭兵部隊に入隊する。

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【映画】・「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」

公式ページ

監督:ベン・スティラー

監督の言うことをまったくきかないワガママな役者たちで撮影を進めているベトナム戦争映画。そのあまりのワガママっぷりのせいで続くトラブルに頭をかかえた監督は、原作者のアイディアで彼らを本物のベトナムのジャングルに連れて行き、ドキュメンタリータッチに撮ることを企画。
しかし、行ったのはベトナムではなくミャンマーかどっかの麻薬地帯。全員ゲリラたちの攻撃に巻き込まれる、というコメディ作品。

同じ監督だとファッションモデル界を舞台にした「ズーランダー」はムチャクチャ面白かったが、私自身に戦争映画の教養がまったくないため、たぶん「トロピック・サンダー」の方は内容を三分の二くらいしか理解していないと思う。
とくにハリウッドや差別問題を皮肉ったところは、正直よくわかりませんでした。

いやファッション業界のこともよくは知らないが、なんとなくわかるじゃん。「ここは私の知らない意味が込められているな」とか。

映画自体はとてもよくできていて、面白いと思うんだけど観ている間中「もしかして、自分はきちんと意味を理解しているんだろうか?」という疑問が頭から離れなかった。自分のせいで。

なお、主役格5人はだれもが良かったですが、ジャック・ブラックみたいなコメディアンも俳優も、日本にはいないなあとつくづく感じた。

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・「コブラ」(11)~(12) 寺沢武一(1982、集英社)

第11巻:異次元レースの巻、完結。まあ、いろいろあって現代に戻ってきたコブラ。
黄金の扉の巻。ドミニクソックリの女・シークレットが登場。ガロン星滅亡の鍵を握る「シバの鍵」(文字どおり、本当の鍵)の争奪戦。これも世界内世界みたいのが出てきて、ややこしい。その必然性もわからん。
第12巻:神の瞳の巻。宝石「神の瞳」の争奪戦に、コブラの二代目サイコガンの話がからむ。コブラはもともと、血で血を洗う海賊稼業がイヤになって平凡なサラリーマンとして生活していた……というのが第一話で、その後の展開などまったく考えてない初回だったらしいが(もしくは読みきり作品)、このエピソードを読むといちおう、「コブラも今の生活がイヤになることがある」ということがわかる展開にはなっている。そういう効果を狙ったものかどうかはわかりませんけどね。

ちなみに、ジャンプ・コミックス特有の企画だった巻末の有名人解説、1巻が師匠筋の手塚ってだけで、後は「色っぽい女優さん、タレント」を選んで解説書いてもらってます。服部まことか、由美かおるとか、ミミ萩原とか!!!!!

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・「コブラ」 (7)~(10) 寺沢武一(1981~82、集英社)

第7巻:海賊ギルドの宇宙軍元帥・サラマンダーに、ドミニクを殺されたコブラは復讐に立ち上がる。
あれれ、ドミニクあっさり死んじゃったよ!! コブラって、重要っぽい脇役がすぐに死ぬよね。
第8巻:「シドの女神の巻」。銀河系全体が、キリスト教とエルラド教という宗教に二分されているという設定が興味深い。アメコミっぽいマンガだから当然と言えば当然だが、コブラはステロタイプなアメリカ人っぽいタフガイとして設定されているらしい。
第9巻:「黒竜王の巻」。滅亡した異星人のつくった超巨大な空飛ぶクジラみたいなやつのお腹の中に、飲み込まれた宇宙船の住人たちが国をつくっていた……というファンタジックな話。まとまりもいいし、ヒロイック・ファンタジーの1エピソードという感じでなかなか良し。
表題ないが、「黒い弾丸の巻」。これはプロットがものすごく古臭くて、でもそれがいいんだな。
第10巻:「異次元レースの巻」。スペオペにありがちな宇宙レースの話かと思ったら違っていて、ある装置のために強制的に異次元から異次元へと移動させられるコブラの話……なんだが、もともと異世界が舞台なのになんでこんな設定のお話を書いたのかよくわからんですね。

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【映画】・「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」

公式ページ

監督・脚本 : ジョージ・A・ロメロ

ゾンビがいっぱい出てくるが、主要マスコミが崩壊してしまったんでだれもが個人個人で主観による情報をネットにアップしまくり、「情報は満ち溢れているのに真実はわからない」という状態になってしまうという映画。

ヒライさんの感想そのまま、ほぼ同意するんで感想書かなくていいかと思ったんですが、正直、「デス・レース」のグダっぷりを早く忘れたいんで、感想を書きます。

そういえばヒライさんのブログで初めて「POV(主観撮影)映画」っていう言葉を知った。こういう言葉を知っているとカッコいいな。
で、私としてはこの映画は、POVにこだわるよりも観やすさにこだわった親切設計だと思います。
内容は、「おじいちゃん(監督)のネット・個人情報化社会批評」といった体で、私にはすごくわかりやすく、また同意できるものでした。
ただ、言葉で説明しすぎだね。

それと、プロットそのものが「どこかに行けばぜったいに助かる」という流れになっていないため、登場人物が車で移動してはゾンビに遭遇、というのを繰り返しているとしか思えないのが辛いところかな。
もっとも、「どこに行けば助かるのかわからない」という情報多様社会がテーマになっているから仕方ない面もあるんですが。

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【映画】・「デス・レース」

公式ページ

監督・製作・原案・脚本 : ポール・W・S・アンダーソン

近未来、全世界で放映される、刑務所内での何でもありの死のレースに参加させられるハメになった、元レーサーの男の戦い。

結論。50点。

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【CD】・「Dream Fighter」 Perfume

Deramfghter

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Dream Fifghter(ユーチューブ)

ねぇ みんなが 言う「普通」ってさ なんだ かんだっで 実際はたぶん 真ん中じゃなく 理想にちかい だけど 普通じゃ まだもの足りないの

この「ふぬけ共和国blog」に移って、CD評を書こうと思ったのは実にひさしぶり。
なんと「もってけ!セーラーふく Re-Mix001」以来だから、1年以上経っている(ちなみに、その前は「ギリギリ科学少女ふぉるしぃ」。

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・「コブラ」(1)~(6) 寺沢武一(1980、集英社)

Cobradvd6459
[amazon]

COBRA THE ANIMETION 公式

最近、新作アニメのDVD出てるんですよね。観たいなあ……。

最近の私の唯一の楽しみは、「見学に来た身なりのいい人たちから指を指されたり嘲笑されたりしながら、何に使用するのかわからない、しかし持つと妙にてのひらにフィットする1メートルくらいの鉄の棒」をつくる仕事から解放され、家で「まんだらけ」の店頭で売られていたジャンプ・コミックス版の「コブラ」を読むこと。

子供時代にはわからなかった元ネタがわかる場合もあり、今読んだ方が面白い部分もある。

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【雑記】・「背後にある『思想』の読解に特化したらどうだろう。」

ノスタルジーに対する質的評価基準を持てないだろうか。(better)
自分は「ノスタルジー」に関しては当ブログでは、かなり意図的にやっている。「80年代」に関するエントリは、そもそも「80年代はわかりにくい」、「80年代は軽薄短小な時代」、「80年代という10年間」という固定観念や理解のされなさに対する自分の意見、と行ったところがある。

ぶっちゃければそんなにたいしていい時代でもなかったわけで、自分の青春時代だから、振り返ってより理解を深めようという気持ちもあるし。

さて、ノスタルジーの評価の問題だが、私は「ノスタルジーを意図した作品」がそのディティールにこだわっているからこそ、細部(どのようなアイテムが出てくるか、それが正確に描写されているかどうかなど)よりも、「作品全体が何を言いたいか」というテーマやその背後にある「思想」に目を向けた方が、その作品の質は読み解ける気がしている。

当たり前のことを、あるいは古臭いことを言っているかな。

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【イベント】・「映像温泉芸社プレゼンツ 「伊勢田大博覧会3」 ~天元突破!冬休みまんがまつり~」

アニメ・特撮業界がうっかり青田買い!原作、作画、撮影、音楽、さらに声優(男女問わず!)までこなす孤高のクリエイター伊勢田勝行監督の「超絶」自主制作アニメ&特撮作品を一気上映!
前回8月に伊勢田監督&声優オールスターズ出演により異常な盛り上がりをみせたこの上映イベント早くも第三弾、今回も伊勢田監督の「心・技・体」を徹底解剖! 今年最後はアニメ最新作『でりばりんぐ』で伊勢田納め!

【公演日】 2008年12月29日(月)
【時 間】 open18:30 start19:30
【会 場】 LOFT/PLUS ONE
【出 演】 伊勢田勝行(アニメーター)酒徳ごうわく(人喰い映像作家) 他
      ゲスト:竹熊健太郎 他
【料 金】 ¥1,000(飲食代別)<当日券のみ>
      ◎来場者には「暮の元気な御挨拶」
      伊勢田グッズを抽選でプレゼント!
      ◎伊勢田監督作品のキャラクターコスプレした方は200円割引。
【お問合せ】 LOFT/PLUS ONE 03-3205-6864

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【雑記】・「春にして君を離れ」

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昔、栗本薫が大絶賛していたアガサ・クリスティーの、ミステリではない小説。
もうずいぶん前に、「栗本薫が絶賛している」という理由だけで読んだ。

簡単に言えば「自分が嫌われものなんじゃないかと、中年女性が気づいたりそうでなかったり」というような話だったという記憶が。
ただひたすらに、その疑念を一冊使って、書いていたという印象だった(実際はどうか、忘れた)。

「自分が嫌われてるんじゃないか」って疑念は、日常的にだれもが持つよね。でも結論は滅多に出ない。
それをふと思い出して、死にたくなった。

「嫌われてない」っていう結論は永遠に出ないし(だって口で「嫌ってない」って言っていても、心で「嫌っている」かもしれないから)、
「嫌われてる」っていう結論が出たら、それはそれで絶望だ。

だから、結果はどっちみちイヤなものでしかない。

あーもうすべてがめんどうくさい。

これだけだと単なる欝日記になるから、付け足す。

自分がミステリ小説にハマれなかった大きな理由は、クリスティーとクイーンをあまり面白いと思えなかったからだ。
その理由は別々だが、クリスティーについて言えば、

「陰険ババアのしたり顔小説」

という印象が強い。陰険な人が集まって、陰険合戦を繰り広げ、陰険トリックが、陰険に暴かれる。

探偵ポアロは、その陰険展開における一服の清涼剤なのだろうが、
「ベルギー南部のフランス語圏出身」って、イメージがぜんぜんわかないんだよ。

ベルギーってどこだよ。何が有名なの? 「ベルギーワッフル」と「ベルギーチョコ」くらいしか知らないよ。

本来なら、「ベルギー南部のフランス語圏出身」というのは、日本で言うなら、
「九州出身だけど鹿児島ではなく、佐賀」とでもいうような、微妙なニュアンスがあったのではないか(ググればわかるだろうけど、あえてググらない)。

それをさー、まあわかってる人もいたんだろうけど、ぜんぜんわかんないで、陰険な顔して、「クリスティーの小説は人間が陰険なところがいいんだよ」などとうそぶいていた陰険人間ども!!!!!

おまえらのそのツラリとした化けの皮を、いつかはがしてやる。
今から20年くらいかければ、一人の化けの皮くらいははがせるだろう。

見ていろ。

やってやる。

いつか、やってやる。

西川史子と室井佑月は、丸顔だからきついことを言っても許されている。

今、「室井佑月」という名前が思い出せず、かなり苦労して検索した。

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