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【雑記】・「マンガオタクとは何か?(エロゲー出現頃まで)」その1

このエントリで「後回しにする」と書いた、

>>・マンガはどんどん絶版になり、手に入らなくなる

について。

実のところ「アニメ」、「ゲーム」、「特撮」、「ミリタリー」、「アイドル」といったジャンルと違い、あまりその行動属性が語られることのなかった「マンガオタク」に関して、
独断と偏見でちょっと書いてみたいと思う(あくまで独断と偏見)。

・その1
最初に、マンガオタクについて、後発メディアである「ゲーム」視点から観てみたい。
まず、1986年頃からファミコンが大ブーム。
これによって、子供の「遊び時間」と少ない小遣いから「ファミコン(のソフトを買う)」というものが重要な案件としてのし上がってきた。
もちろん、クリスマスやお正月くらいにしか買わなかったかもしれないが、今までなかった「買いたいもの」が出現したことは重要だ。
マンガだけでなく、プラモやファミコン以外のおもちゃも、打撃をこうむったと思われる。

また、テレビが「放送局の方法を受信する」以外の「ゲームのモニター」として使われることになった、というのも、86年頃のレンタルビデオ屋の隆盛と合わせてサブカル史としては重要である。
余談だが、86年の少し後、89年に昭和天皇が崩御した際、「テレビが崩御のニュースばかりなので、レンタルビデオ屋が混んだ」という話があった。真偽のほどは知らないが。

・その2
次に、PC98でやるエロゲーの出現~盛り上がり。これが90年代初頭から。
ギャルゲーの嚆矢である「ときメモ」の一作目が出たのが94年。
プレイステーションとかが出てきたのも94年。

この86~94年までの間に、グラデーションでマンガオタクの性質は変わっていった、と個人的には感じている。

理由は前述のとおり、今までにない「時間と小遣いの使い道」が出現したということがひとつ。
アニメや映画のソフトを買う、というのも大金をつっこむ行為だが、まあある程度完成されたオタクがやることではあった。
それが、小学生くらいまでさがって消費行動を変えてしまったのだから、やはりゲームの影響は大きい。

第二に、アニメ~マンガという相互連関の絆に、「ゲーム」が参入してきたということ。
なぜ「マンガ」が80年代にオタク文化の一角を占めていたかというと、それは「アニメファンのマンガ家」が、アニメ的な表現をマンガに持ち込もうとしたということが大きいからだ。
あるいは、もちろんアニパロなどの同人誌が「マンガ」という形式をとっていたということもあるが。

ゲーム出現まで、アニメは「テレビまんが」であり、マンガ(中でもオタク好きのするマンガ)は「動かないアニメ」という認識すらあった(「フィルムコミック」という、アニメを編集してフキダシを付けてマンガにした、という出版物も存在した)。
が、「ゲーム」というのはシステムがまったく違ったものだった。
その違いは、受け手の認識にも何らかの変化をもたらしたと思う(というか、私のような年寄りには状況が把握しにくくなった)。

絵柄の変化にも大きく影響していて、アニメ~マンガで相互に影響があったのが、アニメ~ゲームというふうにもなり得た(ぶっちゃければ、ゲームをチェックしていない私にはついていけない変化がマンガにも見られるようになった)。

・その3
消費のされ方で言えば、少年ジャンプの回読率は三倍、と確か言われていた。
つまり、80年代のジャンプは発行部数の三倍の人間が読んでいたということである。
マンガは90年代初頭くらいまで「今、書店で売られているもの」が「最も面白いマンガ」と考えてよかった。
というか、そう認識しても面白いマンガが読めた。

だから、90年代のジャンプやヤンマガ、スピリッツを回し読みすることは「マンガそのもの」を体験することだと言いきってしまっても、それほど支障はなかった。
(ゲームのことはよくわからんが、たぶんゲームもある時期まではそうだっただろう。)

その間、アニメや映画には何が起こっていたかというと、
ひたすらにソフトを充実させていったのである。
せっせと過去のものをリリースし、アーカイヴを充実させていったのだ。

また、公然とは言えないが「ダビング文化」とも言えるものがあった。

おそらく大学や高校のアニ研や映研では先輩から後輩へ、ソフトの継承があっただろうし、
再放送にしても全国規模のネットワークで補完しあっていたらしい。
(ミヤザキがその手のサークルに所属していたことは有名な話。)

マンガの場合は少々事情が違っていて、
だれでも読み捨てるようなマンガ雑誌の回読率はたぶんハンパなくすごかったが、
ちょっと貴重な本になるとだれも貸さない、という現実がある(私も貸さない(笑))。
また、過去作品の復刻も、私の知るかぎり大規模に行われることは少ない。

確か70年代後半か80年代初頭にかけて、「漫画文庫」として「あんみつ姫」とか「タンク・タンクロー」のような過去作品が大量にリリースされて以降は、当時の読者に向けての分厚い本とか豪華本が断続的に出版されるだけなのが、ここ30年くらいの状況である。

その後はといったら、太田出版が「女犯坊」をプッシュしてけっこう貴重な作品を連続して出していたが、あれくらいか。

つまり、マンガは他のオタクジャンルより、過去にアクセスしづらくなっているのである。
(あ、ゲームもそうなのかな……でもデータ化は充実しているような気がするんだが。)

なんだか長くなりすぎてしまったので、「マンガオタクの属性」をじゅうぶん語るまでには至らなかった。

つづく

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