【お笑い】・「キングオブコント2008」番組として～

公式ページ。

個々のネタとは別に、全体の感想として。

・その１
まず、事前に審査システムが事前に叩かれまくっていたが、まあしょうがないかもなと思う。
同時に、少なくとも最初の審査に関しては、思ったよりはうまく機能していたんじゃないかと。

このシステム、悪意をもって解釈すれば、大御所審査員が存在していないという時点で、ダウンタウンがすべてコントロールしたい、ということなのだろう。
あるいは、善意をもって解釈すれば、現在のテレビのコントを、M-1と差別化しなおかつ「いま」のものとして語れる、ダウンタウンより年上の大御所を見つけてくるのがむずかしいゆえの選択、とも考えられるけど。

どちらにせよ、無記名の点数制で、そんなに不公平感は感じなかった。

ただし、決勝の「お互い、どちらが面白いか自分に言わせる」というのと、セミファイナル出場者に口頭でどちらがいいか言わせる、というのは、みんなが指摘しているけど完全に茶番だよな。
（それによってバッファロー吾郎の優勝がゆるがないとしても。）

だってそんなのだよ、同じことを我々が、身内、あるいは所属している会社の社内でやれって言われても、できないでしょ？
一般人ができないことを、強固なコミュニティが存在しているお笑い界でできっこない、っつーの。
でもこのシステム考えた人がそれをわかっていないわけはないわけで……。
やっぱり「ダウンタウン完全コントロールしたい説」なのか。

まあ、第１回だから、多少のギクシャク感はしかたない、と私は思いますけどね。

・その２
この番組がやる、ということを聞いたときには本当に何も期待していなかったので、まったく心境的にはゼロの状態で観たんですが、
中盤くらいまでけっこういい雰囲気で来ていたと思う。

何より、ダウンタウンの二人が緊張していたのがよかった。
そりゃ、自分たちで完全にコントロールしようとしている番組（なおかつ、体裁としてはガチ志向）をやろうとしているんだから、緊張していないと困るわけなんである。芸人の運命を決める番組だからね。

だけど本当に、好きな人には悪いが私の司会者としての浜ちゃん評価は低い。
名前の大きさと比較すると、どうしてもさんまや紳助、あるいは「司会業」ということで言えば今田・東野よりも一段落ちると思う。
たとえば「お楽しみ会か！」と発言したことが、視聴者にどのように受け取られるかをぜんぜんわかってない。
自分が親しみを込めて言ったことが、全国的にどう誤解されうるかということを理解していない。

反面、「名前も知らない」という態度で示した「2700」への冷たさ！！
あれは大御所と言われ、一時代つくった人間の態度じゃないと思うよ。

お笑いほど、他ジャンルと比べて「身内意識」が感じられる表現はないですよ。
ＴＫＯがコント終わって出てきたとき、木本が「松本さんまで緊張している」って指摘していたけど、あそこで「ああ、そういうこと言える仲なんだな」って思ったし、
ザ・ギースが浜田に頭をはたかれて「ありがとうございます！」って言ってたのは、微笑ましかったけどやっぱり「そういう仲なんだな」って思ったし。

とにかく浜田は「身内か身内じゃないか」、「知ってるやつか知らないやつか」で態度が変わりすぎる。
それは、司会者としては「隙」だと思う。
松本はそれでもいい。だけどコンビにおいて松本がそうなら、浜田はそうじゃない方向にいかないとダメだ。

・その３
コントはやっぱり面白いね。それは感じられたし、審査システムは改良すればいいんだから今後も続けてほしい。

ネットで感想を書いている人は、ガチ志向だからこそボクシングの試合を見るみたいに見ている人が多いように感じたけど、ネット上ではちょっとガチ志向の考えの人が強すぎるんじゃないかとは、正直思った。
確かにダウンタウンありきの番組かもしれないけど、それと演者がやったことはまた別だから。

M-1のときも思うのだが「番組全体のバランス」っていうのは力学として絶対存在していて、そのバランスを保つがゆえに競技としての公平性を欠く、ということは、私はテレビの宿命だと思ってます。
だから、たとえば「2700」というコンビが出たことの妥当性は問われても、「結成間もないフレッシュなコンビ」の枠が確保されていたことは悪いことでもなんでもない。
「あいつらを出してなんでFUJIWARAやチョップリンを出さないんだ」っていう言い方は、まあ絶対通らないとは言わないけど通りにくいとは思うんですよ。

かねがねネット上の「完全ガチ志向」には引くことがあるんですが、まあ今回もそれは感じたということで。