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・「シャイニング娘。」 (6)  Rainbow Six 師走の翁(2007、ヒット出版社)

Shaining06
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某ハロプロをモデルにした乱交エロマンガシリーズの第6巻。
刊行から1年が経っちゃってますが、本編ラストでは小春を、単行本カバーで「ギャルル」を、トレカのシークレットではジュンジュン、リンリンまでフォローしたという仕事には感服。
風化しやすい、アイドルをモデルとしたエロマンガ、しかも変化の大きいハロプロをネタにして、これほどまで刊行当時から未来に向かっての飛距離の長い仕事には感服します。

別に狙い済ましたわけではないんですが、ハロープロジェクト:安倍なつみ、中澤裕子、松浦亜弥ら大量25人が来年3月卒業(毎日.jp)(公式発表)なんて報道もあって、奇しくも節目の時期ではあるようです。

さて、1年経ったら1年経ってで現実と照らし合わせ、興味深いと思うこともあるわけで。

まず思うのは、ハロプロというのはひとまず、娘。と松浦亜弥くらいまでのプロジェクトで「物語性」としては完結しているんだろうなということ。
作者に「ベリキューを描け」という要望もあったそうですが、さすがにそれはやらない方がいいと思う。
「物語の世界観」として、からませ辛いからね。ヘンな感じになってしまうでしょう、それをやっちゃうと。

(追記:続編では出てくるらしい。)

1年経ってから俄然、(「ヲタ」という範疇から観るならば)時代のイコンとなりつつあるアイドルはPerfumeであるわけです。もちろん当時からいたけど、ここ1年でとんでもないブレイクをしたわけで。

で、本作を読むとやはり娘。やあややは王道のアイドルだったんだと思いますよ。それはファンが性的な欲望をシャイニング娘。に対して持って観ているということが、本作の骨子になっているから。

Perfumeに関しては、どうなんだろ? 楽曲がプラスチック的質感あふれる近未来テイストだということもあるけど、おそらくファンの彼女たちに対する性的欲望は(もともとアイドルに対するそういうものは表面的には隠蔽されるものだとはいえ)、娘。たちよりもずっと希薄なんじゃないでしょうか。

むろん、AKB48やアイドリング!!!なんかもがんばってはいますが、どうしても「集団アイドルルネッサンス」という観点や「物語性」について見るならば娘。に軍配が上がってしまうんですよね(アイドルとしての魅力とは別に)。

もうひとつのここ1年の変化と言えば、「あらびき団」によって、あややのものまねをするはるな愛がブレイクしたことでしょう。
今回、この6巻を読んだら、はるな愛も持ちネタとしている「あややかわいいーっ!」の声援にあややが「知ってる」と答えるくだりが、きっちり出てきているんですね。その辺が面白い。
また、はるな愛のブレイク(前田健もですが)は、彼らのものまねが「あややのパブリックイメージ」であることを意味しているはずなんですが、あやや本人はそこからものすごい勢いで離れていっていることについても考えさせられます。

そして第三には加護ちゃんの復帰です。
しかし、加護ちゃんの解雇・復帰に関しては本作がいまだに続いていたと仮定して、物語内に取り入れられていたかというと、なかなかむずかしかったと思います(辻のデキ婚、後藤の弟逮捕なども同様)。

それはとりもなおさず、ここ数年のハロプロの話題性がゴシップやスキャンダルに移行してしまい、受け手の妄想への「燃料」をほとんど投下しなくなってしまったことを意味します。

まあ、その辺のことは知っている人はみんな知っているんでしょうけれども。

5巻の感想

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